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169.踏破者、フレンブリード派兵を検討する②

「まずはハンターギルドを活用する方法だな。」


そう言って俺はライラとエリオを見る。


「ライラ、教えてほしいんだが、フレンブリードにミリガルド帝国の侵攻があった場合にギルドの対応はどうなるんだ?」


その問いにライラが少し考えて答えを返してくる。


「ギルドは基本、その町を守る行動を起こすと思うわ。ただ、一支部に所属しているハンターは多くて500位だから、本格的な国家間闘争となると出来ても住民の避難を手伝う程度ね。」


「高ランクハンターは?」


「それぞれの事情によるとしか言えないわね。率先して侵攻に抗おうとする者も居るでしょうし、面倒ごとはごめんとその地を離れる者も居るでしょう。例えば町に家族がいるとか、その土地を守りたい理由のあるハンターなら数が少なくても抵抗しそうね。」


「なるほど、これは感覚で構わないんだが聞かせてほしい。フレンブリード領の防備を固めるという依頼(・・)を周辺ギルドにばらまいた場合、どれくらいのハンターが集まると思う?」


この発言にティアは驚いたようで目を見開いている。

ライラは答えに窮しているようで悩んでいる素振りをしている。


そんな中、この質問に答えたのはエリオだった。


「期間と金額の問題はあるが、潜在的には5000位は集まると思うぜ?フレンブリード領の町々のギルド、それにフレンブリードが落とされれば次の侵攻対象になる隣領のギルドに所属している大半のハンターには戦う理由がある。コウナードが拠点の俺もそいう言う依頼があればフレンブリードへ行くだろう。」


「金額と期間は?」


「例えば1ヵ月フレンブリード領に駐在して備えるという事であれば40~50万ギラは必要だろうな。Aランク依頼一回分程度だから高ランクハンターにとっては美味い話じゃないが、戦う理由がある者にとってはその間の生活費程度が保証されていれば参加しやすい。」


「となると5000人×50万ギラとして…25億ギラですか…。流石に私費では無理ですわね。」


「もう少し検討の余地はあるかと思います。」


そこでライラさんがギルド側からの意見を発する。


「駐在期間の他依頼の受注をフリーにして、生活費はフレンブリード領内で稼いでもらうようにするとか、有事の際に防衛戦参加で別途報酬と言う形を取れば基本料金は抑えられます。また、この件であればギルド側からも金銭的な補助は行なわれると思います。」


エリオもライラさんもフレンブリード領の隣領であるオスガルド領出身という事もあり、真剣にこの話題を検討してくれているようだ。

それに、ギルド運営に携わるライラさんの知見は非常に助かる。


「具体的にお聞きしても?」


「そうですね。1ヵ月フレンブリード領内に留まることを依頼するとして基本金を5万、このうち4万をギルドからの補助で賄います。そしてこの間の他依頼の受注はフリーとして、もしミリガルド帝国の侵攻があったとして、防衛戦に参加で特別報酬40万ギラと言った感じでしょうか。」


「なるほど、5000人集めるとして基本金で5000人×1万で5000万ギラに抑えられるという訳ですわね。有事の際が起こった場合には追加で5000人×40万で20億ギラが発生すると。確かにこの内容なら事後その費用を国費で賄うという線も使えますし、現実的ですわね。」


「後は5000のハンターが参戦したとして防衛出来るかってこともあるわな。」


報酬金額が減ったエリオが若干残念そうにつぶやく。


「実際そこんとこどうなんだ?ミリガルド帝国の侵攻があるとしてその規模は?」


「…これも未確定情報なのですが、1万~5万くらいの規模と推測されます。」


「足りねぇじゃねえか。」


「一応、フレンブリード領内の兵力として約2000人。それに周辺3領からそれぞれ1000人程度の増援を考えているようです。これでおおよそ5000人、これにハンター5000人。計1万人ですわね。」


侵攻に抗って即落ちしなければ王都からの増援もあるだろうが、現状だとギリギリ戦闘になるかならないかと言ったところだな。

まだこれだけでは十分ではない。

何か他の手も絡めなければならんな。


そう思い俺は思案する。


だが、俺よりも早くこの問題の解決策を考えついた人間が居た。


「名案が浮かびましたわ。」


そう言って目を輝かせているのはティアだ。


「フレンブリード領を守る理由があるハンターに依頼をして兵力を集めるというのが先ほどの趣旨でしたわね。それであれば、兵力5000人以上を集める方法があります。」


エリオの話では概算5000人が上限だと言っていたんだぞ?

一体何の話だ?


困惑する俺をよそにこの答えに行きついた人もいるようだ。

ライラもエリオもハッとした表情を浮かべている。


そしてこちらを見てくる。


ん?


「そう、ジーク殿に依頼すればいいのですわ!!」


「んんん???」


え?何の話?


「ジーク殿ならフレンブリード領に縁もあり、5000人程度の兵力などゆうに凌駕する力を持っていますから、彼に依頼するのが適任だと思いますわ。」


こいつ悩み過ぎて頭がおかしくなったんじゃないだろうか。


俺が抱いたのはそんな感想だった。

最後のトンデモ理論は置いておいて、人を動かすにはお金が必要と言う話です。

25憶って…。計算していてビビりました。

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