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100/218

100.踏破者、湿地帯で素材を集める。

とりあえず今回で100話になります。

毎日更新を目指して1話を2000字程度に抑えているので話数が増えている感じですかね~。

日中仕事しながらですとこのくらいの文字数が毎日更新の限界っぽいんですみませんがこのままのペースで宜しくお願いします。

では続きをどうぞ!!

「なるほど、こりゃ誰も依頼を受けたがらないわけだ。」


ヘルビナク湿地帯に入り、少し散策を行った。

受けた印象は、生物が非常に多く、独自の形成されている場所。と言ったところだろうか。

ぞの分生存競争も激しく、危険度の高い生物も多いようだ。


「【軍隊白虎(アーミータイガー)】は単体Cランクだが、10以上の群れだとAランクだったな。」


俺は足元に転がる白色の虎の亡骸を見下ろしながらつぶやく。

素の亡骸の数は20以上ある。


今回の依頼のターゲットはCランクばかりなので依頼達成金額もCランク相当だ。

だが、この湿地帯は少し歩けばBランクやAランクの戦闘が求められるわけだ。


「フェリスめ…。」


勿論このことはギルド職員であるフェリスなら知っているはずだ。

それを碌に注意もせず俺達を放り出しやがったな。


「ジークはあの猫人に甘いんじゃないの?」


シファは若干不満そうな顔をしている。

湿地帯に行くと言った時嫌がったからな。

暑くてムシムシするし、足場も悪くて汚れるのが嫌だと。


「にしても本当に暑いわねここ。ちょっと脱いじゃおうかしら。」


そう言ってローブを脱ごうとするシファ。

慌てて俺がそれを止める。


「止めとけ。こういったところで恐いのは虫なんだ。噛まれないように肌はできるだけ出すな。」


「大丈夫よ。【聖域結界(サンクチュアリ)】を個人サイズに凝縮して使ってるから。害意あるものは入ってこれないわ。」


そう言ってローブを脱ぐシファ。

その下は下着だった。


何故それで脱いだ!?

ていうか【聖域結界(サンクチュアリ)】は不快な熱さ・寒さも遮断するんじゃなかったか!?

もう見せつけたいだけだろそれ!?


「ふふふ、どうやら私の色気に声も出ないようね。」


「違う。シファの頭の弱さ加減に頭痛がしてきたところだ。」


「あら、失礼ね。ジークが相手してくれないからこうやって強硬策に出てるんじゃないの。」


「それは…。まぁ分かるが。ともかく他のハンターが居ないとも限らないからローブは着てくれ。」


「…嫉妬はしてくれるのかしら?」


「この感情は…。まぁそうなんだろうな。一回シファとの事も話しようとは思ってるんだ。また時間のある時にな。」


「え?」


俺の回答が意外だったのか、驚きを隠せないシファ。


「シファとの事も真面目に考えるよ。だから今はローブを着てくれ。」


俺の発言をくみ取って顔を赤くしたシファは2度頷いてローブを着だした。

とりあえずは下着の女性と湿地帯を歩くという訳の分らん状況は回避できたな。


「よし、それじゃあこんな依頼さっさと終わらせよう。」


俺達はターゲットを求めて湿地帯の奥へと踏み込んでいった。





◇◇◇◇◇




「…見つからないな。」


大分湿地帯を歩き回ったが、【毒性蛇(ポイズン・スネーク)】が見つからない。

他の3種については湿地帯に入ってすぐに採取出来ている。

特に【毒性蛙(ポイズン・トード)】については少し歩けば出現するくらいの頻度で出てくるため非常にうっとおしい。


今も草むらの影から毒液を飛ばして攻撃してきた【毒性蛙(ポイズン・トード)】を【影突(シャドウランス)】で串刺しにしたところだ。


シファの【探索(サーチ)】にも引っ掛からないとなると、何か根本的な見落としがあるのではないだろうか。

俺はそんな風に考え始めていた。


「ちょっと待って。一回調べてみるわ。」


そう言ってシファが異空間収納から一冊の本を取り出す。

『ハンターギルド発行 魔物図鑑完全版』と書かれた本だった。


何その本?

怪しすぎるぞ?


訝し気な俺の視線に気づいたのか、シファが補足してくれる。


「これ、ハンターギルドで購入できるのよ。一冊30万ギラもするんだけど。」


まさかの本当にギルド発行!?

しかも30万ってぼったくりすぎだろ??

ハンターの身の安全を優先するならもっと安価に発行してくれよ!!


ん?シファってお金の使い方分からないとかで所持金は全て俺が管理してたはずだが…?


「ああ、私は買ってないわよ?ギルド内でジークを待っているときに親切なハンターさんがくれたの。その後豹変して私を何とかギルドの外に連れ出そうとしてくるから眠ってもらったんだけど。」


どうやらナンパ目的のハンターから奪ったものらしい…。

後で問題にならないだろうなそれ。


「くれるって言うんだから貰っていいでしょ?」


当の本人は当然と言わんばかりの表情だ。

それと引き換えにデートみたいな流れだったのだろうが…眠らされたハンターさんもご愁傷さま。

まぁ他チームの女性を引き抜こうとした罰だな。


「あ、【毒性蛇(ポイズン・スネーク)】あったわ。…狩りを行っていないときは岩の割れ目等の隙間や地中に潜ってじっとしている。だそうよ。」


「…なるほど。今は不活性だったという訳か。シファ、探せるか?」


「地中は空間が無ければ土と魔物との区別がつかないから難しいかも。岩の隙間とかなら空間もあるしちょっと注意して【探索(サーチ)】すればわかると思うわ。」


「よし、やってみてくれ。」


「【探索(サーチ)】。…………ん。見つけたわ。」


そう言って少し離れた場所にある大岩を指さす。

大岩に近づいて見てみると、確かに大小さまざまな割れ目が見える。


「この割れ目の奥に1匹居るわ。」


そう言って指示されたのは非常に小さな割れ目だった。とてもじゃないが手が入るような隙間ではない。

煙でいぶしたり、微弱な魔法なんかで刺激を与えて飛び出してくるのを待つのが定石なんだろうが、面倒だな。


「【竜人化(ドラゴンフォーゼ)】」


「え?」


シファは突然の事に驚いていたがあ、俺はそれを無視して腕を岩の割れ目に叩き込む。

ガガガと大きな音を立てて俺の腕が大岩にめり込んだかと思うと、それを引き抜いた時にはその手は【毒性蛇(ポイズン・スネーク)】をしっかりと握っていた。

毒性蛇(ポイズン・スネーク)】は突然の襲撃者に応戦しようとしているのか、その大きな牙を腕に突き立てようとしているが、【竜人化(ドラゴンフォーゼ)】で硬質化し、鉄壁まで併用している俺の腕にそれが突き刺さるはずもない。


俺はそのまま手に力を込めて【毒性蛇(ポイズン・スネーク)】の体を握りつぶした。

あとはぐっったりしながらもまだ息のある【毒性蛇(ポイズン・スネーク)】の頭部を切り落とせば任務完了だ。


「これでやっと湿地帯(ここ)から帰れるわ。ジーク、さっきの話だけど、帰ったらちゃんと聞かせてよ?」


シファの目がいつにもましてギラギラしているのに若干の恐怖を覚える俺だった。

虫が媒介する病原菌は本当に怖いので、いい子は緑の多い所へ出かけるときはしっかり肌を隠すようにしましょう!!

もう少し読んでみてもいいと思っていただけましたら評価、ブックマークよろしくお願いします!!

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