お菓子の海で溺れたい
「声劇台本」兼「会話小説」です。
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私個人の規約は以上です。では、ごゆっくりお楽しみください。
上演目安時間
〜30分
設定
トワ:女性
いまいち掴みどころが無い。
明るめだが意外と小動物が嫌い。
ニコニコしている時はおおよそ怒っている。
年齢不明。働いているかも怪しい。
謎にお金をたくさん持ち歩いている。
サキ:女性
いつまでたっても敬語が抜けない。
興味本位で物事を始めるが長続きしない。
悪い人に騙されやすい。
大学生くらい。
キャスター/トワと兼任
配役表
トワ:
サキ:
トワ「こんにちは」
サキ「こ、こんにちはっ!!」
トワ「もしかして緊張してる?」
サキ「後ろからいきなり声かけられたら誰でも吃驚しますって」
トワ「あははー、ごめんね」
サキ「謝る気ないですよね?」
トワ「……それじゃ行こっか」
サキ「あからさまに話題変えましたね」
トワ「いいじゃんいいじゃん」
サキ「はあ……。今日はどこまで行くんですか?」
トワ「どこまでならついてきてくれる?」
サキ「……どこまででも」
トワ「いい笑顔しちゃって。本当は嫌なくせに」
サキ「嫌ってわけじゃ……」
トワ「じゃあ、そうしとくね」
サキ「なんか釈然としないんですけど…」
トワ「そんなことより、行こ?」
サキ「…はい」
トワ「今日はどこに行こうかなぁ」
サキ「また無計画だったんですね」
トワ「だって、サキと行きたいところいっぱいあるし」
サキ「今日はどこですか?遠出してもいいですよ」
トワ「え、珍しい。いつもなら嫌がるのに」
サキ「昨日給料日だったんで」
トワ「へぇ、そうなんだ。いいこと聞いちゃた」
サキ「どこへなりとどうぞ」
トワ「じゃあ、遊園地行こ?歩いてさ」
サキ「隣県にある遊園地の事ですか?」
トワ「そうだよ~。初めて会った日に行ったあの遊園地がいい」
サキ「二ヶ月前ぐらいでしたね。一緒に行ったの」
トワ「ちゃんと覚えててくれたんだ。ちょっと嬉しいかも」
サキ「あの日も歩いて行きましたね」
トワ「ねー。懐かしいなぁ」
サキ「隣県まで歩こうって言われたことより驚いたこともありましたけどね」
トワ「どんなこと?」
サキ「会うのが出会い系で声かけてきた女の人だってことですよ。しかも本当に女の人だったし」
トワ「初めから女だって言ってるのに信用しないサキが悪いんじゃん」
サキ「だって、出会い系アプリですよ?異性とマッチングするところですよ?同性は流石に予想外だったんですもん」
トワ「初めて会った時めちゃくちゃ驚いてたもんね」
サキ「だって、想像していたよりもずっと美人な方でしたからね」
トワ「えー、写真も送ったのに?」
サキ「どこかのサイトから拾ってきたものだとばかり」
トワ「拾ってこないよ」
サキ「でも、同性を装ってチャットしてくる人って案外多いんですよ。だからトワさんもその口の人だとばかり…」
トワ「そんな悪質なことしないってば」
サキ「実際いい人だって思いますよ」
トワ「そう?」
サキ「もし仮に悪い人だったら私はここに居ませんから」
トワ「赤ずきんに出てくる狼も最初は善人のフリして出てくるんだよ?」
サキ「赤ずきんの狼ってそんなやつなんですね」
トワ「もしかして読んだことないの?」
サキ「まぁ。読む機会もなかったですから」
トワ「面白いから今度読んでよ」
サキ「時間があれば…はい」
トワ「……なかなか遊園地つかないねー」
サキ「まぁ、県外に歩いていこうとしてますからね。着いても夜とかになりそうですけど」
トワ「日本地図だとすぐそこだって思えちゃうのに」
サキ「日本地図に印刷されている大きさならまず生活できないですよ」
トワ「それくらい分かるよ。サキは馬鹿だなぁ」
サキ「なんとでも言ってくださいよ。この状況より馬鹿なことはまだないですから」
トワ「怒っちゃやーよ?」
サキ「怒ってませんよ。呆れているだけですから」
トワ「あ、いい笑顔だ。腹立つ~」
サキ「それはどうも」
トワ「トワさんだっていい笑顔できるもんねーだ!」
サキ「トワさんがニコニコしてるときって大体機嫌悪いのに何言ってんですか」
トワ「普通に笑うときもあるもんね」
サキ「……。全然想像つかないです」
トワ「あー!!もう怒っちゃうからね!!」
サキ「いい歳した大人が言うことじゃないですよ」
トワ「サキちゃん今日も辛辣だぁ」
サキ「平常運転ですよ。安心してください」
トワ「安心した」
サキ「そこは安心するんですね」
トワ「だって、愛想笑いして誤魔化すよりずっといいでしょ?」
サキ「そりゃまあ。疲れますから」
トワ「サキちゃんは普段からあんまり笑ったりしなさそうだよね」
サキ「笑いますよ。それなりには」
トワ「えっ?」
サキ「なんですかその意外そうな顔は」
トワ「笑った顔がみたいなーって顔だよ」
サキ「じゃあ百万円くれたらいいですよ」
トワ「そういう意地悪なこと言っちゃうんだ」
サキ「だって、嫌ですから」
トワ「じゃあ、はい。これでいい?」
サキ「はい?」
トワ「百万円でしょ?」
サキ「……今どこから出しました?」
トワ「ここ。ハンドバッグから」
サキ「……まさか、いつも持ち歩いてたりしますか?」
トワ「こんなの、ただの自衛だよ」
サキ「そんなもの持ち歩いているほうが危ないですって。やめてください」
トワ「大丈夫。お金は鈍器」
サキ「鈍器じゃありません。お金はお金です」
トワ「ノンノンノン。サキちゃん違うよ」
サキ「はあ?」
トワ「百万円払ったら笑顔見せてくれるんでしょ?オーダーが違うよ」
サキ「いや、見せませんよ」
トワ「百万円払ったのに!?」
サキ「受け取ってませんから」
トワ「じゃあ受け取ってよ」
サキ「お断りします」
トワ「えー、ケチ」
サキ「というか、そんなにお金あるならタクシーとかで行きましょうよ」
トワ「やだ。歩くの」
サキ「たまにトワさんが何を考えているのかわからなくなります」
トワ「今はサキちゃんの笑顔が見たい」
サキ「私は何も聞いてません」
トワ「じゃあ別にいいよ」
サキ「何で突然冷めるんですか」
トワ「冷めてないよ?」
サキ「あ、いい笑顔。めっちゃ怒ってますね」
トワ「怒ってませーん。不貞腐れてるだけですー」
サキ「(キス音)……これで満足ですか?」
トワ「こんな往来でやって恥ずかしくないの?」
サキ「海外だと挨拶とにたようなものですから」
トワ「ここ日本」
サキ「細かいことはいいんですよ。早くいかないとまた一晩遊園地の前で待つことになりますよ」
トワ「そこはホテルに泊まろうよ」
サキ「そういえば百万円あるんでしたね」
トワ「ホテルは百万無くても泊まれるって。どんなイメージ持ってるのよ」
サキ「いや、お金を鈍器と言い張る人にどうこう言われたくないんですが…」
トワ「それはいいじゃん」
サキ「よくないです」
トワ「それよりさ、近道しない?」
サキ「堅実に今いる道を進んだほうがいいともいますよ」
トワ「近道の意味わかる?」
サキ「急がば回れってことわざ知ってます?」
トワ「質問に質問で返すのはマナー違反なんだよ」
サキ「そんなマナー初めて知りましたよ」
トワ「トワさんも初めて言った」
サキ「なんていい加減な…」
トワ「それより、近道はするの?しないの?」
サキ「一応聞きますけど、どこを通るつもりですか?」
トワ「そこの森の中」
サキ「まっすぐ行けば着くのになんで森に入るんですか」
トワ「この道はずっとまっすぐなんじゃなくて、大きなカーブなんだよね」
サキ「だからこの森に入れば早く着くと?」
トワ「うん」
サキ「嘘だね」
トワ「嘘じゃないよ」
サキ「トワさんは嘘をつくとき必ずウインクする癖があるんですよ。自分じゃ気づいてないでしょうけど」
トワ「うーん、それは気づかなかったなぁ」
サキ「本当は近道することじゃなくて、森に入ることが目的なんじゃないですか?」
トワ「んー、半分当たりで半分外れかな」
サキ「どの辺が半分なんですか?先に言っておきますけど、すぐ出るつもりだったから~はナシですからね」
トワ「そんなこと言わないよ」
サキ「じゃあ本当の理由をどうぞ」
トワ「……私と一緒に死なない?」
サキ「…………冗談のつもりですか?全然笑えませんよ」
トワ「冗談じゃないよ。私と一緒に死んでほしいの」
サキ「えっと、ちょっと待ってください。頭が混乱してきた…。なんで私なんですか?」
トワ「一緒に死んでくれる人は私にそこまで好意を持っていない人がいいの。だからサキちゃんがいい」
サキ「そりゃあ、異性に持つ好意よりは劣るかもですけど」
トワ「そういうことじゃないよ。トワの方もサキちゃんのことは普通だし」
サキ「じゃあ何でなおさら私なんですか」
トワ「サキちゃんなら一緒にいても疲れないから」
サキ「生憎とまだ死ぬつもりはないので遠慮しておきます」
トワ「そっか。なら仕方ないよね」
サキ「本気だったんですか?」
トワ「まさか」
サキ「そうですか」
トワ「本気だったら何も言わずにサキちゃん拉致してるよ」
サキ「そんなことしたら犯罪ですよ」
トワ「だから、してないでしょ?」
サキ「そうですね。トワさんにそんな度胸ないですから」
トワ「あるもんね」
サキ「どっちかというと黙っていなくなりそうなイメージありますよ。猫みたいに」
トワ「猫よりかわいい自信あるから」
サキ「私より年上の人が何言ってんだか」
トワ「女性に年齢の事いうのは失礼なんだよ」
サキ「女同士でそんなこと気にしませんよ」
トワ「気にしてよ」
サキ「気が向いたらそうしますね」
トワ「ならよし」
サキ「それでいいんですね。トワさんの扱いがそこそこわかってきた気がします」
トワ「そんな単純な人じゃないですー」
サキ「別に何も言ってませんよ」
トワ「嵌めたな!?」
サキ「勝手に自滅しただけですよ」
トワ「今日のサキちゃん冷たい!!トワさん泣いちゃう!!」
サキ「泣かないでくださいよ」
トワ「じゃあ優しくして?」
サキ「面倒なんでお断りします」
トワ「やっぱり私のこと嫌いなんだ」
サキ「なんですかその面倒くさい感じの彼女ムーブは」
トワ「面倒くさいって言った!」
サキ「そんなに嫌ならもっと言ってあげますね」
トワ「やめて!泣くよ!いい大人が本気でギャン泣きするよ!いいの?」
サキ「うっわ。今すぐ帰ってもいいですか?」
トワ「やだよ。一緒に遊園地で遊ぼうよー」
サキ「じゃあせめてタクシーで行きましょうよ。お金あるんですから」
トワ「あれは鈍器だよ」
サキ「まだ言ってるんですか」
トワ「でぃす いず あ どぅんきぃー!!」
サキ「ふわっふわですね。あと鈍器は日本語です」
トワ「マジレスはテンション下がるからやめてよ」
サキ「それしか取り柄がないので」
トワ「ほんとそういうとこだよ」
サキ「ちょっと何言ってるかわかりません」
トワ「土の下に埋めて上に石置いてやる」
サキ「やめてください」
トワ「結婚してやろうか」
サキ「別の墓場に入れようとしないでください」
トワ「ううっ…渾身のプロポーズだったのにぃ…」
サキ「そもそも成立してませんから」
トワ「キュンとしなかった?」
サキ「全く。一ミリたりとも」
トワ「こんな感じの人嫌いなの?」
サキ「……今までの人がそんな感じの人ばかりだったので。見慣れただけです」
トワ「え、何人過去にいたの?」
サキ「なんでそんなこと聞きたがるんですか」
トワ「一緒に死んでくれる人の過去って気にならない?」
サキ「死ぬ気がないので全く気になりません」
トワ「なんでさー」
サキ「聞いたところでなんにも面白くないからですよ」
トワ「人数くらい教えてくれてもいいじゃん」
サキ「……七人です。全員ろくでもない人たちでしたけどね」
トワ「多いね~」
サキ「どうなんでしょうね」
トワ「多いと思うよ?よくわかんないけど」
サキ「もういいですよね。この話は終わりです」
トワ「じゃあ、なんで出会い系続けてるの?」
サキ「・・・・・終わりって言ったじゃないですか」
トワ「人数の話は終わったじゃん」
サキ「今まで干渉してこなかったのに何で今更そんなに知りたがるんですか。やめてください」
トワ「だって、そんだけろくなのがいなかったら普通やめたくならない?」
サキ「別にいいじゃないですか。私が何しようが誰と会おうがトワさんには関係ないです」
トワ「……ごめん」
サキ「謝るなら最初から言わないでくださいよ」
トワ「……言いたくないこと言わせてごめんね」
サキ「あなたとは最初から会いたくなんてなかったのに…」
トワ「会いたく………」
サキ「……今日はもう帰りましょう」
トワ「遊園地……」
サキ「一人で行ってください。私は帰ります」
トワ「……私、このまま放っておくと死ぬから」
サキ「そういえば私の気が変わると思いますか?勝手にしてください」
トワ「……そっか」
サキ「……………………トワさん。着いてきても無駄ですからね。あれ?トワさん?」
(十秒空白)
サキ「トワさん?冗談…ですよね?道路の真ん中で寝転がるのは流石にどうかと思いますよ」
トワ「私は死にました。構わないでください」
サキ「しっかり生きてるじゃないですか」
トワ「寝転んだだけで死ねるほど弱くないよ」
サキ「心配して損しました」
トワ「心配、してくれたんだ」
サキ「してません」
トワ「今言ったじゃん」
サキ「言ってません。幻聴じゃないですか?」
トワ「じゃあそういうことにしとく」
サキ「……どうしてですか」
トワ「ん?」
サキ「どうしてトワさんは私と死にたいと思ってくれたんですか」
トワ「直観、かな」
サキ「聞かなきゃよかったです」
トワ「なに?一緒に死んでくれるの?」
サキ「死にません。私の命は高いですから」
トワ「いくら?」
サキ「……命に値段なんてつけられませんよ。つけてしまえば、それは生命への冒涜ですから」
トワ「いいじゃん。冒涜していこ?」
サキ「命は何よりも貴いものだと、大切にすべきものだと小さいころから刷り込まれませんでしたか?」
トワ「残念ながら」
サキ「じゃあ、私から改めて言いますね。命は貴いものです。簡単に投げ出していいものじゃないんです」
トワ「だから一緒には死んでくれないの?」
サキ「……そうですよ」
トワ「じゃあ仕方ないね。他の人探すよ」
サキ「そうしてください」
トワ「(キス音)。好きだったよ。バイバイ」
サキ「……私も好きでしたよ」
トワ「あっ、これあげる」
サキ「チョコレート?」
トワ「サキちゃんに声かけた理由ね、プロフィールが面白かったからだよ」
サキ「お菓子の海で溺れたい。ですか?」
トワ「そ。そこに加えておいてね。私がいたことも」
サキ「……わかりましたよ」
サキ「その後、トワさんとは連絡がつかなくなってしまった。アプリも退会したようで、やり取りをしていたメッセージ履歴ごと消えてしまった。SNSは元から知らなかったし、彼女が今どこで何をしているのかはわからない」
キャスター「お昼のニュースです。昨夜未明、エス県の県道沿いにある街路樹で首を吊っていると警察に通報がありました。通報を受けた警察官らが駆け付けましたが、すでに息はなく、死後十数時間が経過しているとのことです。また、警察はこの件について、現場の状況から自殺の線が高いとみて捜査を進めています。今回亡くなったのは――――――」
どうも、あけましておめでとうございます。枢さんです。
さて、世の中は大荒れですが、私はというと、最近別サイトで二次創作とか他のことに色々手を出したりと忙しくしていたようなそうでもないような感じの日々を送っています。
今回、取り合えず重い話を書きたかったんですけど、いつも通りぐちゃぐちゃですね。
深夜に書くのがダメなのか、私の本質なのかよくわかんないです。
とりあえず、諸々体調とかに気を付けて花粉と戦っていきましょうね。
花粉ごときに人類は負けない(フラグ)