三人娘と怪物
むかし、むかし、ある山奥に三人の小さな姉妹が住んでいました。
ある日、三人は、崖の上から谷に向かって石を投げて遊んでいると、谷で眠っていた怪物に石が当たって、怪物は目が覚めました。
怪物はこのことに腹を立てて、姉妹を捕まえて食べてしまおうとしましたが、姉妹は急いで家に逃げました。
姉妹のお父さんは、魔法の杖を使う魔術師でした。
「お父さん、お父さん、助けて。大きな怪物が襲ってきます。」
ことの大きさに気づいたお父さんは、
「奴は恐ろしい怪物で、私の魔術でやつに勝てない。私の魔術でお前たちを岩に変えてやろう。岩なら奴も食べられはしないだろう。怪物が行ってしまったら元に戻してあげるからな。」
そう言うと、娘たちを、魔術の杖で、一瞬にして三つの大きな岩に変えました。
まもなく、怪物が家にやってきました。
「俺に石を投げて起こした三人はどこだ。食ってやる。」
「私は、娘の父です。娘たちがあなたの邪魔をして申し訳ありませんでした。」
「いや、許さん。どこにいる。」
「あそこにいます。」父親は、岩を指差しました。
「よし、食ってやる」と怪物は言うと、一口一番上のお姉さんに噛み付きました。、
「わあ、痛い、痛い」
怪物の歯が四本抜けました。
怪物はさらに二番の子に噛み付きました。
「わあ、痛い、痛い」
怪物の歯がさらに四本抜けました。
怪物はさらに一番小さい子に噛み付きました。
「わあ、痛い、痛い」
怪物の歯が全て抜けました。
怪物は痛くて、魔力が弱くなりました。
この隙間にお父さんは魔術の杖で怪物を岩にしました。
そして、三人の娘を人間に戻しました。
三人の娘はいつも怪物の岩に石を投げるゲームを遊びました。
でもいつか、怪物また出てくるかもしれませんね。