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ダンジョンの国の王様  作者: てるいち
チュートリアル
9/79

ダンジョン変化

「ぐあああ…」


 …眠い。

 ああ、朝か。


「ううぅーーー」


 体ばっきばきだな。昨日久しぶりに運動したから体にダメージが蓄積されてる。いててて。


「ふぅ、そういえば昨日は散々な目にあったな。人工芝と案山子でMP持ってかれたし、一日分の備蓄した食料を無駄にした気分だ」

「おはようございます」

「今日は早いんだな」

「もう午後ですよ」

「ソンナバカーナ」

「午後1時です。昨日の夜悶絶しながら全然寝付けなかった人がいたようですね」


 言わないでーーー!

 昨日は彼女いない歴=年齢の俺には刺激的すぎたんだぞ。そら寝付けられんわ。


「それで、あの2人は何しているんだ?」

「何とは?」

「何か色々と企んでいたみたいだしな」

「ああ、そのことですか」


 利権がなんとか言っていたな。


「冒険者ギルドならびに貴族からダンジョン探索の権利を独占する気らしいですね」

「でも、行方不明での応援を要請したら冒険者ギルドが何を言うかわからないのでは?」

「その辺は知りませんよ。ただ、彼女はそれで勝算があるみたいですね」

「まあ、そうなんだろうけど」

「それよりご飯はありませんよ」

「紅茶飲みながらなんて一言つぶやきやがる」

「もらいました」


 いつの間に…。

 あの王女は本当に抜け目がないな。ワイズちゃんを懐柔するのに手抜きを一切していないとは…。


「どこかの誰かさんは一杯もくれませんがね」


 クソ雑魚ナメクジでごめんて。


「そういえば、能力が上昇していませんか?」

「能力上昇?」

「ええ、冒険者を撃退してはいませんが、強い冒険者がダンジョンに滞在したり、戦闘を行ったり、ダンジョンに刺激を与えたりすればダンジョンマスターの能力は上昇します」

「え?そんなに簡単に能力って上昇するんだ…」

「ハルト様のレベルは1なのでその程度でも上昇します」


 なるほど、RPGシステムか。最初は少ない経験値でレベルアップしていくあれか。そのうちアホみたいな桁の経験値要求されていくんだろうな。


「その認識で間違いないかと」

「ほー、………で、どうやって確認するんだ?」

「そういえばステータスの見方を教えていませんでしたね」

「基本すら教えてくれないナビゲーターがいるとは」

「何か?」


 真顔怖い。


「ダンジョンコア持ってきてください」

「管制室に置いてあるわ」

「取りに行きましょう」


 それより朝飯を食べたい。めっちゃ腹減った。


「まずは彼女たちの動向の確認をしてからでもいいでしょう」

「はらへりーた」

「我慢してください」

「ワイズちゃんが見ておけばいいのに」

「私はダンジョン経営なんてしたくないですし、それに一見しておかないとまずいことも起きています」

「聞きたくないんだけど」

「聞かなくても見るだけでいいですよ」


 それ同義だからね。

 ラスボス部屋改め、管制室でお姫様たちの動向を探る。あの2人って野宿していたのかな。


「何これ?」

「ダンジョンです」

「ええ?」


 見たらかなり姿形が変わった星になっていた。なんだろうこれは…。


「ダンジョンとは、自然発生したマナのなかで一定以上の密度を持つと爆発する現象、通称マナバーストによる空間干渉作用によってできる亜空間のことです」

「なんか久しぶりに聞いたな、それ」

「そのダンジョンができると同時にダンジョンマスターが現れます。それはダンジョンが形成される直前に落とされます」

「へー、そこら辺は聞いてなかったな」

「それを理解できなかった人がいたので」


 なんとなくの意味はわかってたし、本当だし。


「嘘乙」

「酷くない!?」

「酷くないですね。嘘を言う人は嫌いです」

「嘘つきましたすみません」

「馬鹿はもっと嫌いです」

「うおおおおお!!」


 …。

 ……。

 ………。

 それで、どういうことなのだろうか。


「ダンジョンは未だ若く、その成長はダンジョンマスターに左右されます。ダンジョン形成時ではマスターの思考の深淵が反映されますが、意識がはっきりしている今、ハルト様の考えるダンジョンが反映されていきます」

「マジかよ…、ってことはこれからもダンジョンの形は変わっていくってことか」

「そういうことになりますね」


 あくまでも地球型ダンジョンだったが、冒険者の王子やお姫様一行が加わって俺のレベルが上昇したから、ダンジョンの入り口がダンジョン型に成長してしまった。


「あいつら大丈夫か?」

「大丈夫みたいですよ」

「すげえな」


 画面には入り口のダンジョンを抜けるところで一休みしているお姫様一行を見つける。


「普通に野宿してますね」

「ダンジョンがいい感じに屋根になっているんだな」

「あそこは雨ですか」

「ダンジョンとは?」

「ハルト様の想像の産物ですよ」

「そうでしたね」


 本当に俺の妄想の産物なのか怪しいところあるけどな。


「それにしても最初とはいえこんなに変化するんだな」


 他のところも見ているけど色々と変化している。なんか洞窟っぽいところにダンジョンができていたり、つまりダンジョンの中にダンジョンができていたり、俺たちのいる本拠地のダミーみたいになっているのか、なんかRPGの世界に点在しているダンジョンとかを想像しているのかもしれないな。

 自分のことなのにさっぱりわかんね。


「…おそらくですが、あの姫の従者のアリア様のせいでしょう」

「ん?あの従者?」

「はい。おそらくは人類最強クラスの実力を持っているでしょう」


 ダウト。


「試して見ますか?」

「………マジ?」


 え?あれでか?


「マスターぐらいのクソ雑魚ナメクジなら武器なしで目を瞑っても瞬殺でしょうね」

「マジでか!?」

「おそらく経験値の収入からして彼女の強さはレベル300を優に越しているかと」

「………」

「ちなみにハルト様は3ですよ」

「言わなくてよくね!?」

「レベル300の人がいれば、それだけで1から3くらいにはなりますよ」

「…俺がダンジョンを駆使してアリアさんを撃退できるとしたらあとどれくらいかかる?」

「100年後じゃないですか?」


 それアリアさん死んでるから。

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