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ダンジョンの国の王様  作者: てるいち
国づくり
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街の現状とシンボル造り

 ロイドが帰ってくる2日前。


「街づくり。いや国づくりを急げと言われてもだな。そう簡単に巨大建造物が建ったりはしないいんだよ」

「欲しいのは公共設備だって」

「話聞いているか?建たねえって」


 ドワーフのおっさんに国づくりの話をしているが、本人らは簡単に建造物が建ったりはしないと、時間がかかると言って俺の要望を承諾してくれない。


「だから、建てるのは俺がやるって言ってるだろ」

「素人の建物に誰が住み着くってんだ?あんたがいくらすぐに建築できるか知らんが、その建物の安全性はどうなる」

「だから壁は重厚に作るって」

「信用ならんな」


 なんか立場が逆転してしまっている。私ダンジョンマスター兼この街の長なんですけど?


「だがな、街の広場にいきなり全公共施設を内蔵した建築物を建てたいのはわかった。だがな…」


 これ話が長くなるなあ。


「しょうがない、俺が勝手にやる」

「しょうがねえ町長さんだなあ…、勝手にしやがれ」


 頭堅物のおっさんめ。


「さすがにドワーフといえど、200階の巨大建造物はそう簡単に建てられませんし、危険性からも建てるのには反対でしょうね」

「なんでやノースランド城は80階くらいだったから余裕だろ」

「規模が違いますよ。というか200階のどこに公共施設を入れるのですか?そんなに必要ないでしょうに」

「まあ、そうなんだけど…」

「…」

「でもインパクトって重要じゃね?せっかく足を運んできてくれた人たちに所詮片田舎な街だなとか思われたくないし」

「そんな一つの建造物で変わりますかね?というか電車走っている時点で片田舎には見えないかと」

「それもそうか。でもなあ、高い建物のインパクトは欲しいんだよ。ランドマークにもなるし」

「反対してもやるんですよね」

「ああ、ダンジョンとして作れば耐久面は頑丈になるだろ?」

「ええ、物理法則を無視するダンジョンなら自重にも簡単に耐えうる構造も簡単に成せます。ただ、そんなものを建ててしまうとドワーフの機嫌を損ねるのでは?自分たちの領分をいともたやすく侵害されたような感覚になるかと」

「ああ、そうか。確かにやりすぎはよくないな。なら今回だけだ。あとは自由に作らせる」

「一生のお願いレベルの誓いっぷりですね」


 ペラペラですみませんね。




「で、一晩経ってこれですか」

「マジ寝不足。ただひたすらに壁を積んでいくゲームと化していた」

「一応ランドマークになるのは良いのですが、豆腐建築はやめましょうね。見窄らしいですよ」

「後で装飾しとくから、窓はめ込んでいくから」


 後ろに控えてるドワーフのおっさんに鼻で笑われる。ちくしょう。

 ちょっと待ってろ!かっこいい構造にしてやる!

 うおおおおお!

 3時間後…。


「どっかで見たタワーの丸パクリですね」

「それはないな。なぜならジッダ・タワーはまだ作られてすらいない建設途中の建物だったかったからなあ!」

「完璧に黒ですね…。それにしても高い」

「これで設備の場所に困ることもあるまい。このラビリンスアースの世界にドラゴンでも飛んでたら建てたりしなかったんだがな。アハハ…」

「…」

「…抜け出していないよな?」

「まだ大丈夫ですね」

「まだとか言わないで」


 それにしてもあれだけ潤沢にあったMPが底をついてしまった。一応完成したから良いだろう。エレベーターは例によって無重力装置を活用している。

 お?ドワーフ達が恨めし気にこっちを見ているではないか。ククク、これが魔王の実力というものだよ。


「いつから魔王になったんですかね?」

「悪役にされてるなら乗っかろうかと思ってな」

「ちょっと嫌われたくらいですよ」

「仕方ないんだって、次にやらなきゃいけないこともあるし」

「次ですか?」

「ああ、どうせ勇者が攻めて来るなら最低な戦法を使ってこそだ」

「見下げた根性ですね」

「勇者対策はもう万全だからいいか、次は入り口のダンジョンという名の曲がりくねった迷路を改装しなきゃならん」

「何かするのですか?」

「税関に作り変える」

「おお、徐々に非道になっていきますね」

「いや、普通だから。国として税関は重要な施設だから」


 税関に作り変えるのはいいが、今日のMPはもう使うことはできないからなあ。他の場所を見て回るか。俺も現状街のことを全て知っているわけでもないし。


「そういえば今色々と動いているんだろう?」

「動いているといいますか、衣食住の徹底はかなり進みました。移住民の人たちがそれぞれの職の経営が順調に進んでいます。ロイド達商人の援助もありますね」

「で、その職場はドワーフ達が作ってくれていると」

「そうですね。今ある施設は市場、散髪屋、呉服屋、鍛冶屋、診療所、。郊外には農場、漁場、石切場、伐採場などありますが、それらのほとんどにドワーフが携わっています」

「街の施設づくりにはプライドがあるわけだ。それで交易商人がいるから内部の経済は回っているんだな。」

「冒険者たちが鉱夫と狩猟をある意味で兼任していますね。あとハルト様が醸造所を兼ねています」

「病院というか診療所に医者が移住してくれたのは本当に助かるな。あとは学校と政府関連施設か。警察もいるなあ」

「ゴミの問題もありますね。下水が近くの海に垂れ流しですし」

「あー、結構やることあるなあ。彼らが自主的にやってくれんかね」

「期待はできそうにありません。問題が浮び上がらなければ人間は対策はしませんよ。それと宗教関連の施設も必要になるかもしれませんね」

「うーん…、教会はダンジョンと相性悪いからなあ。勇者が来たらなんとなく教会の支部もここに立てるんじゃないか?」

「人頼みですね」


 俺たちは大通りを賑やかしている市場を通りながら街を散策する。たくさんの食材が並ぶ八百屋があったり、散髪屋があったり、そういえば俺髪の毛伸びないな。狭い路地には薬剤屋もある。すでに不気味な気配が漂っているけど、大丈夫か?


「市場もまだ輸入頼りか」

「自給率を1年立たずに100%達成できるとでも」

「それは無理だな」

「あ、それからクレアがカンカンに怒っていますよ」

「なんで?」

「相談なしにあれ建てたから」

「…えぇ、別にいいやんけ」

「ドワーフからの苦情もクレアに行っているとか」

「直接言えや」

「誰かさんが人の話に耳を貸さないからでしょうね」

「勇者対策だから仕方ないねん」

「ふーん、私にもわかりませんが期待しておきますね」

「おう、チートキャラが攻めて来るなら盤外戦術ではめ殺しにするのが一番いいからな」

「なんですかそれ…」


 絶対ではないが自信はあるぞ。

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