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ダンジョンの国の王様  作者: てるいち
チュートリアル
5/79

モンスター購入

 うーん…。

 うん?

 気づいたらぐっすり寝ていたな。やっぱり異世界に転生したんだったな。転生だったっけ?まあいい。こんなふかふかのベットも備え付いているなんて最高だな。真のサバイバルなら確実に2日目にはのたれ死んでいたに違いない。飯も果物中心とはいえあることにはあるからしばらくはいきていけるだろう。


「やっべ、侵入者のこと忘れてた」


 侵入者のことを忘れるくらいに爆睡した俺も俺だが、といっても侵入者っぽくないんだよなあ。ここ地球規模の大きさがあるからもはや近場という距離じゃないし。


「あれ?そういえばワイズちゃんどこいった?」

「おはようございます」


 俺の部屋の隣の部屋にいたのか。ドア開けて出て来たと思いきや、目がしょぼしょぼしているんだが。


「うるさいですよ、朝っぱらから」

「心の声ダダ漏れでごめんね」




 朝の準備を終えてモニタールーム(ラスボス部屋)で侵入者の4人を観察する。


「いねえじゃん」

「調査だったのでしょう」

「とすると、そのうちまた来るのか。ダンジョンの外の情報はあったりするのか?」

「ダンジョンの外の情報は曖昧な部分も多いですよ」

「全然構わんぞ、申してみよ」

「うざ」

「えぇ…」


 ちょっとくらいのおふざけもダメですか。悲しみ。


「ダンジョンの外から徒歩で1日くらいの距離に小さな町があるという情報があります」

「へー」

「50年ほど前の記録です」

「アップデートしてくれる!?むしろどこから得た情報だよ!」


 これじゃあ外の情報を取得するために外に向かうのは危険かもしれないな。捕まって拘束されたりしたら今世もジ・エンドである。だが、外の情報は是非とも欲しい。

 うーん…。





「あだっ!」


 何かに蹴躓いた。


「昨日の30MP分の素材か」

「放置してましたね。これどうするのですか?」

「もったいないから購入したけど、これどう使うんだろう?」

「アホですか」


 銅30kgの塊である。


「遠隔操作が必要といえば銅だろう。電線に使われてんだぞ」

「それで電線をどう作るのですか?」

「知らん」

「アホですね」


 やっぱりカタログ読んだり、ダンジョンを眺めたりしても始まらねえ。外の情報がとにかく欲しい。


「偵察できるモンスターとかおらんかな?」

「偵察ですか?」

「うん」

「すね痛いのですか?摩ってますけど…。治療できるモンスターの方がいいのでは?」

「ツバつけとけば治る」

「アホやん」


 ついに関西弁になりよったな。

 偵察モンスターのカタログをワイズちゃんに見せてもらう。

 ふむふむ。

 だいたい鳥獣系のモンスターか。


「五感が強いモンスターですね」

「視覚のいいモンスターがいいな」

「ガルーダとか、ハーピーとかがいいですね」


 ガルーダ、MP750。ハーピー、MP500。


「買わせる気ないだろ!?」

「ハルト様、少しくらい成長してくださいよ。紅茶飲みたいです」


 無理難題を突きつけよって、くっそー。なんかいいモンスターいないのか?


「スライムが無難ですね」

「どうやって偵察するのさ」

「スライムの気持ちになりきるのですよ」


 それができれば苦労はしない。でも他のモンスターも高いしな召喚してみるか。ゴブリン100MPとかマジ許さん。なんで買えないねん。


「これがスライムか」

「さすが10MPですね。主人にどことなく似ています」


 うるせえやい。


「スライムってなんでも食うイメージあったけど、この銅とか食べるかな?」

「どうでしょうね」

「…」

「…」

「ワイズちゃん、それはないわ」

「ボケたつもりもないのですけど」


 照れよって可愛いな。プニプニしたろ。

 殴られたわ。


「お、食べ始めましたね」

「…超痛い」

「消化には少し時間かかるみたいです」

「掃除に便利だな」

「ハルト様よりも使えますね」

「紅茶も出せなくてすみません」


 50MPを紅茶1杯に使う余裕はないぞ。

 ちょっとずつスライムの色が変化していってる。銅色というのだろうか。


「これ強くなったりしてるのか?」

「聞いてみれば?」

「聞くってスライムに?」

「それ以外に何があるの?」


 いや、コミュニケーション取れるのか?

 物は試しか。

 強くなったのか?


「…」


 何か特殊な力でも使えるようになったか?


「…」


 実は何も変化してない?


「…」


 聞いてる?


「…」

「これダメじゃねえか?」

「滑稽でしたよ」

「ワイズちゃんドSすぎるだろ…」


 結局強くなったとかわからないけど、使えるものは使っていこう。討伐されたらそれまでだ。ちょっと愛着湧いたけどモンスターだからな。割り切って戦力として使おう。


「分裂してますね」

「なんだと!?」

「分裂する生き物ですし」

「そうかよ。うわ、倒されたらどうしようとか考えてたわ」

「いちいちモンスター買ってたら大変ですよ。増やせばいいのです」

「スライムはアメーバみたいなものか。単体で増えてくっていう」

「そうですよ。それに増えすぎたならたくさん送り込んで情報収拾です」

「なるほどな物量攻めとかできるのか」

「偵察という名の襲撃ですね。わかります」


 わかりません。

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