表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンの国の王様  作者: てるいち
街づくり
30/79

あっけない幕切れ

「はああああ!」

「おらあああああ!」


 なんか大丈夫か?いきなりバトル漫画始まってるんだけど、オーラっぽいもの吹き出とるし。県の斬り合いの衝撃が耳に響くんだが、これどうすればいいん?


「隠れていてください」

「そうはいってもな。あのレベルから隠れられるような場所あるん?」

「ハルト様も少しはパワーアップしてくださいよ」


 無茶言わんでください。種族柄レベルアップしてもMP以外成長しないんだから。それにしても一瞬の出来事で腰が抜けてしまっていたが、クレア王女が優勢なので一瞬で回復したな。


「敵の魔族はレベル100程度でしょう。結構強いですが、アリアはもちろんクレアにも、それにモブ王子にも敵いませんね」


 モブ呼ばわりされるカイト王子かわいそう。レベル3桁の次期国王の有望株やぞ。ちょっと顔にインパクトないだけやろ。

 やっぱりというかクレア王女って強いんだな。


「英才教育の賜物でしょうね。幼少期からレベル上げに勤しんでいなければあそこまで強くはなりませんから」

「わかってはいたけど、改めて聞かされれば姫様に対する見方も変わるなあ」


 昔から勤勉家だったのだろうか。今もダンジョンの経営とか真面目に取り組んでいるし。


「あの手のタイプは影でこそこそと訓練するタイプではないでしょう。人を使ってレベル上げに無理やり協力、という建前でレベル上げをしたに違いありません」

「断定するのかよ」

「想像できるでしょう?」

「まあ、できなくはないけど…」


 クレア王女は常識はわきまえているが、根っこの部分は相当なワガママだしな。


「お、決着か?」


 余裕の表情で魔族の魔法と思しきスキルやらをいなし続け、剣で一撃入れる。


「魔族の血って赤いんだな…」

「冷静に敵の血の分析とはサイコパスですか?」

「いや、なんか青いイメージあったわ。肌も緑色じゃねえし赤だろうとは思っていたが」


 高みの見物というか安全地帯でのうのうと見物していたら、魔族が傷に手を当ててこっちを睨みつける。


「ハルトに手を出そうと?」

「あいつは護衛じゃねえのか…、なら!」


 王女から距離をとり、一気にこっちに向かってくる。


「ちょっ、こっちきた!?」

「大丈夫ですよ」

「いや、ワイズちゃん俺と同じレベルでしょう!?あいつはまずいって!」

「いえ、私ではなく」


 一瞬大地を揺らすような衝撃が走り、魔族は目の前から消えた。


「…な、なんだ…?」

「さすがはアリアです」

「へ?」


 魔族に回り込まれていたからスタンピードの方を見ていなかった。背後を振り返れば魔物の大量の死骸の上にアリアが剣をこちらに向かって振り下ろしていた格好でいた。そしてアリアの足元からこちらに地面をえぐる跡だけが残っている。

 見るからに300mくらい離れているんですけど?


「魔族は?」

「さあ、斬られながら吹き飛んだのは見えましたが、まあスプラッてるんじゃないですか?」

「それだと別の意味にも聞こえるんですけど?まあグロ注意確定か」

「でしょう」

「って、あれだけいた魔物が一瞬で消えたのか」

「アリアだけではありませんからね。さすがは街道をつなぐ砦です。保有している戦力が尋常ではありませんね。アリア以外にも3桁のレベルの人がちらほらいます」


 魔族的には勝てる見込みがあってスタンピードを使ったんじゃないだろうか?


「あれは人間で言うところのチンピラといったところでしょう」

「ひでえ評価だな」

「レベルが上がった自分に酔いしれて視界が狭くなったのでしょう。それとスタンピードは自然現象です。多少はスタンピードに細工はできますが、魔族が1個体でスタンピードを誘発させて操ることなんてできません。大方スタンピードを見つけてそれを利用して手柄を立てようとした、そんなところでしょう」

「手柄って?」

「魔王に、でしょうね」

「魔王ねえ」


 勇者とかその辺の話はあまり聞いてこなかったが、やはり重要なのだろうか?


「魔王は魔族ならびに魔物の王ですね。人型の時もあれば、獣型の時もありました」

「型ってことは何体もいたのか」

「何度も倒されていますが、当代の魔王はかなり強く、その影響力が原因で数百年前から人類はかなり押し込まれているそうです。一度は傷つけて休眠状態にしましたが、今後復活の兆しがあるとかないとか」


 さすがワイズちゃん、なんでも知っている。

 復活が理由で勇者が呼ばれたのか。勇者は地球人らしいが、日本人だろうか?


「興味がおありで?」

「ないといえば嘘になるな。だって俺どちらかといえば魔王側だろう?」

「人間界ではその枠組みですが、実際は自然発生ですからどちら側というわけでもないですよ」


 そうなん?

 でも魔物も生態とかあるし魔王が自然派閥だったりするのだろうか?


「魔王は…、まあこれはいいでしょう」


 なんだし、超気になる。


「この場では言わない方が良さそうなので、あまり世界の真理の話は聞かない方がいいでしょう」


 魔王にも何かあるんだな。

 それはそうとクレア王女に手招きされる。


「なんですか?」

「砦ほ補修や人員の回復を見込まなくてはならなくなりましたので2、3日ほど滞在します」

「了解で」

「それでですが、もしよろしければスタンピードの原因となったダンジョンに入ってみませんか?」


 スタンピードの原因?


「そういえばそこは話していませんでした」

「あら、そうですか。では説明させていただきますね」


 スタンピードとは魔物の発生がダンジョンの飽和限界を超えてしまい、ダンジョンの性質上、外へと放り出してしまい。ダンジョン外にいる魔物にも影響し、群れをなす現象のことらしい。


「魔物が飽和していたらやばいんじゃ」

「いえ、ダンジョンが魔物を外へと放り出すときはこぞって全ての魔物がダンジョン外へと排出されます」

「そうなのか、ということはそのダンジョンはもぬけの殻?」

「ええ、ですので見学がてらみてみませんか?」

「暇つぶしか」


 ぎくりと震える姫様を見て見ぬ振りをしておきました。まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ