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ダンジョンの国の王様  作者: てるいち
チュートリアル
10/79

セーフティーゾーン

 兎にも角にも俺はレベルアップしたんだ。さすがにもうおにぎりセット1つからは脱却しただろう。


「おにぎりセット3つ分ですね」

「わっかりやすい能力上昇だな」

「本人によく似ていますね」

「俺の単純性そんなに顕著だった?!」


 おにぎりセットの単価が高すぎてわかりづらいが、240MPだとしてゴブリンの購入は可能になったわけだが…。


「ところでゴブリンってどれくらい使える?」

「強いとは聞かないのですね」

「ああ、どうせ弱いだろ?」

「確かに弱いですが使い道は結構あると思いますよ」

「あるのか?」

「経験値稼ぎとか」

「経験値ねえ…。そもそもダンジョンマスターの経験値入手方法って何があるんだ?」

「ダンジョン内での戦闘ですね。ただ、ダンジョン内の生き物の死は経験値としてはしょっぱいものですが、ゴブリンのような繁殖力旺盛な生き物であれば、数で押して経験値が手に入ります。ちなみに滞在しているだけで経験値なんて普通は入ってきませんよ」

「へー、じゃあなにか?ダンジョン外の生き物が死んだら経験値がっぽがっぽだと?」

「場合にもよりますね。ダンジョン外のスライムが入ってきて死んだとしてもスライムは所詮スライムですから」

「なるほどね」


 スライムといえばカッパースライムはどうなっただろうか?


「増えてますよ。ただ、餌不足で今は元気ないですね」

「銅買うのか」


 あいつ1匹で30MP分食ったんだぞ。


「銅山にでも連れて行けば勝手に増えますよ」

「どこにあるねん」

「さあ?」

「野に放てば勝手に増殖してくれるだろうか?」

「たぶん違う食性に変わって種族変わると思いますよ」

「スライムって食べるもので種族変わるんだな。それも何度も。カッパースライムになったから変化しないと思ったわ」

「普通のスライムでもいいですが、スライムだけを野に放てばスライムの暴食で生態系が変わったりもしますよ。スライムの天敵とかを用意しておかないと」


 そうだな。

 だがなあ、現状の俺は軽いサバイバル状態。それが嫌で人手を欲し、ダンジョン内に人間を誘致でもしようかと考えているわけだ。

 だが、お姫様の反応と外の世界を見る限り、この世界との決定的な違いは生態系にモンスターがいるかどうかの影響が顕著だろう。ぱっと一瞬だけしか見ていなかったが、外の世界に人間の生息範囲を広げるのを妨げているのがモンスターだろう。このダンジョンもモンスターで溢れ返してしまえば、この地に価値を見出せなくなって人が集まらないだろう。

 カッパースライムを野に放つのもなあ。


「うーん…」

「何を悩んでいるのですか?生態系を気にするのであれば野生化させなければいいでしょう」

「入ってくる人間が全て良いやつとは限らんだろう。対抗策としてのモンスターの戦力は持っておきたい」

「なるほどそういうことですか」

「ダンジョンの分割とかできないだろうか」

「そこらへんはダンジョン権限で可能かもしれませんが、そうですね。セーフティーゾーンの設置で分割してはどうでしょうか?」

「セーフティーゾーン?」

「ダンジョンにありがちな機能だと思いませんか?」

「ああ、なんとなくわかる。モンスターがポップしない場所とかってことだろ?」

「この世界にはモンスターがポップするという概念もセーフティーゾーンという概念もありません。このダンジョンの特別なものです」

「…俺の想像でそういう機能が追加されている?」

「そういうことです」


 なんか俺の想像力チートじゃね?


「チートというより、ダンジョンを経営するにあたって自分を省みることすらできていないだけでは?」

「辛辣!もう少しオブラートに包んで!」

「甘やかしたら悪化するので」


 よく俺をご存知で!

 そうとなればセーフティーゾーンを追加して行くか。


「外の世界の反対の状況を作ってはどうでしょうか?」


 反対とな?


「外の世界は城区に囲まれた世界で人間が暮らし、外はモンスターが跋扈(ばっこ)している状態です。この世界を人間が跋扈し、分割されたダンジョンにモンスターを住まわせるという形ですね」

「実態は全体すべてがダンジョンなわけか」

「セーフティーゾーンの設定を変更できるのは私たちだけですし」

「よし、それで行こう。いや、まずはダンジョンの入り口辺りだけで良いか」

「それでは、セーフティーゾーンを作りやすくしておくので勝手にやっておいてください」

「え゛?」

「私は紅茶を所望します」


 机をバンバンして抗議しない。

 可愛いだろ。

 それより、俺まだ飯食べていないんだがな。




 日が沈みかける頃にはセーフティーゾーンでダンジョンの入り口にあるダンジョン。意味不明だな。入り口のダンジョンを区切るようにセーフティーゾーンを設定を終え、さらにその周辺もセーフティーゾーンを広げ終えた。


「マジ疲れたンゴ」

「いきなり現れて何を言っているのでしょうか?」

「俺のやるべきことが終わったんだよ」


 実際の外の世界を見ておかないと、俺のダンジョンをよく作るための参考がないからな。だが、外は人間が生息域を拡大させることすらできない危険地帯、ならレベル300の人の力を借りるべきだろう。お姫様はこのダンジョンに興味があるようだしな。


「ちょっと相談があってな」

「子どもは3人ですよ」

「話が亜空間に吹き飛ばされたんだが」

「それでどうかしましたか?」

「俺の辞書には灯台下暗しって言葉があってな」

「遠回しな表現とかキモいです」

「なんで俺が変なこと言うたらあかんねん。率直にいうと俺は外の世界を見たい。そしてそのための護衛を必要としている」

「浮気ですか!?」

「話が跳躍してるからー!アリアさんの戦力をお借りしたいだけですよ」


 このお姫様は本当に良い性格してるなあ。


「私に浮気相手になれと?」

「冗談がミリも通じねえじゃねえか」


 説明をさせてくれ。

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