真珠がほしいのは誰?
''導入''
依頼人はエルフで、養殖真珠の先駆者・ミキモト。
いい条件の海辺で養殖をしているが、
ギルマンを中心に真珠を傷つけに来て危険なため、マーマンと手を組んでそれらを追い払っている。
出来る真珠を見返りに彼らに渡しており、
マーマンたちも「人魚の涙」と称される美しいソレを得られて満足してる。
しかし、最近真珠が貝ごとなくなったり、真珠が貝からなかったり、
貝や真珠に傷が大きくついたりしたものがあまりに多い。
マーマンが裏切ってるのでは?やはり蛮族は蛮族か?と、人族の従業員たちは彼らを疑う状態。
ミキモトは仮にも同盟者たちを信じたいため、何か原因がないか調査してほしいとのこと。
''本題''
○従業員やマーマンに話を聞いてみよう
・従業員たちは、さっきミキモトが話したように、マーマンたちを信用しきれなくなっている。
なおマーマンたちを信じたいというミキモトにも疑いの目を向ける者もいる。
・マーマン側のリーダーであるマーマンアークビショップに話を聞くと、自分達は絶対裏切ってないと断固否定。
「俺がいない日にばかりその真珠の荒らしが起きているようだが…俺の仲間たちに限って、絶対ありえない」
「ギルマン達を追い払う協力を得られて、金にも装飾にもなる真珠ももらえる。
人間たちも、俺たちだから見れる水中での異変の監視に感謝してくれてる、敵も互いに減らせる。
win-winだ、なんでそれを崩さなきゃならない!」
「俺たちは暗視が効くから、確かに主に人族たちとは昼夜交代だ。夜は基本、俺たちに任されてる。
けど、だからってその時間に好き放題やったりなんてするものか!」
・実際彼らを見張っても、そんなことはしていない。真偽判定しても本気。
○証拠のモノを見てみよう
・真珠の傷は自然でできてしまう物も多いのでわからないが、
貝にこんなに大きな傷がつくことはなかなかないし、無理やりこじあけでもしたようだという。
貝についた傷を見識すると、鉤爪のような痕跡がある。
これは確かにマーマンたちのモノではないが…人族の者でもない。
マーマン側がやってきた蛮族を見逃していないか?と疑ったりしても、やはり断固否定。
「絶対に違う!そんなことをしても不利になるだけだ、いいように真珠を荒らされて、俺たちだって悲しいのに」
やっぱりこれも本気の言葉。一体何があるのだろう?
「無理矢理開けて貝を殺してまで、真珠を乱暴に奪うなんて…『あの』スキュラならやるだろうが」
↓
○あのスキュラとは?
なんでも、ここから一番近い河口を遡ったところにある沼地には、
「着飾り好きの」という二つ名があるスキュラがいるという。
宝飾品が好きで、沼地を通りかかった者の人蛮・生死を問わず飾り物を奪うという。
容姿も種族の特性として美しいが、その上半身と触手の下半身は、ともに多量の装飾に飾られているのだとか。
「けど、こんなとこまで来ないだろうし。
そもそもあんなでかいのが来たら、俺たちだけじゃなく人族だって気づく」
「あんなのに俺たちだって自分から関わりにいかない!
人族の物語でも、俺たちマーマンは可愛らしい健気な乙女で、スキュラは悪い魔女みたいに描写されたやつあるだろ?そういうことさ」
〇養殖現場を見てみよう
探索判定…普通
海面の反射に紛れてわかりにくかったが、なんだかよくわからない薄い布が浮いている。
見識判定15で、セイレーンの羽衣とわかる。セイレーンはこの羽衣の魔力で飛んでいるともいわれているのだが…?
(もう一度探索判定で「とても難しい」値を出せば、衣がなくて他の仲間と一緒に帰れず泣き暮れているセイレーンが一人見つかる。
その場合、セイレーン「その衣を返してくれたら、スキュラ様の沼まで案内してあげるから…」という流れになる。)
(*セイレーンの呪歌の固定値は17、マーマンアークビショップの精神抵抗固定値は19なので、このリーダーがいない日を狙って訪れていたという設定)
・夜に聞き耳判定すると、どこからか呪歌が聞こえてくる。【ノスタルジィ】なので、聞き耳に成功し、言葉がわかれば精神抵抗判定(酷
→ふらふらと帰ろうとするPCを他のPCは引き止めてOK。
しかしこの流れで、他のマーマンたちがふらふらと寝床へ帰って行ってしまうのを目撃するだろう。
そして、誰もいなくなった養殖場に、輝く衣の薄明かりを頼りにセイレーンたちがふわりと下りてきて、貝を引っ張り上げたりこじあけたりしている様子も。
どうやら今までの事案は、このセイレーンたちの呪歌により、見張りのマーマンたちが、
呪歌による誘導だとは無自覚のままに、一定時間帰って行ってしまったことが原因のようだ…。
温厚な性格なのもあり、のんきまで行ってしまったのか、ミキモトが夜番のために音楽用意してくれたのかな程度にふんわり解釈していたらしい…
リ―ダー「な、なさけない…!歌が聞こえてきた、とくらい報告できただろうに…!」
リーダーが自分の部下の無能になげいてはいるが、その間もセイレーンたちはがりがりと作業をしている。
PC達が寄っていくと、セイレーンたちは脱兎して飛び去って行く…!
隠密判定をして近づいていれば、何匹か捕まえられたということで、そのまま尋問、
沼地のスキュラからの命令で取りに来ていたことを白状し、沼までしぶしぶ案内してくれる。
隠密していなければ尾行判定。そして沼地までたどりつくことができる。
どんなルートで来ても、沼地付近まで来たところで危険感知判定。
12本の触手で、最も装飾が多いPC(事前キャラシ確認必須)に数本の触手で絡みつきを仕掛けてくる。
成功すれば回避だが、失敗した場合足を持っていかれる。他PCの成功数次第で回避可能(全体人数次第)
姿を現したスキュラは、なるほど、確かに装飾を多く身に着けており、ついでにミキモトが作ったであろう真珠のネックレスもしている。
スキュラ「さっき戻ってきたセイレーンたちから様子は聞いたわ、あなた達、あの真珠作りのとこに雇われた傭兵のようね」
「あの男は優秀ね、私に真珠を貢ぎに来ない点を除けば。蛮族にまで《パールキング》の異名で呼ばれるだけのことはある」
「そんな上質な真珠、私が身につけず誰が身に着けるべきだというのかしら?愚問にもほどがあってよ」
「私が美しくなる手段を邪魔するのなら…貴方たちの血肉も、私の美肌のもとにしてあげるわ!」
戦闘開始
我が儘なスキュラとその取り巻きたちを討伐せよ。
スキュラ(ルルブⅡレベル8/蛮族)はレベル1-2アップ処理、次いで欠片でHPアップ。
正直雑魚はセイレーンじゃないほうがいい気がする。(弱い)
ギルマンガーディ(IB)出すくらいがよさそう。
戦闘終了、ギルマンガーディがギルマンディーヴァに貢ごうとしていた真珠や、
スキュラが着飾っていた大玉の真珠、セイレーンたちが羽衣に飾り楽しんでいたベビーパール、
ともかくあらゆるパールを回収し、ミキモトとリーダーのもとへ戻れるだろう。
リ―ダーは相変わらず部下たちにお説教をしているが、
ミキモトはともかく彼らが裏切りを行っていたわけではないことに安堵している。
ミキモト「私は、世の女性のすべての首元を真珠で飾ることが夢なんだ。今はまだなかなか難しいし高価だが…
彼らと協力しながら、私は努力を続けるよ。私たちをつなぎとめてくれてありがとう」
こうして、今回の任務は幕を閉じたのだ。
おしまい。