推しへの想いは十人十色
今日はスターチャームのライブ。
この1週間いろいろなことがあったな。
残業も頑張った。
中野君も今頃、デートの最中だろう。
優しくて他人の立場に立って物事を考えられる彼が上手くいかないはずがない!
昨日はお手製の柚宮君LOVEうちわを作ったり、いつも身につけているブレスレットを完コピしたり
あるさんと明日のことを語り合っていたら
夜中の1時をすぎていて、慌てて眠った。
当初、オフ会は私とあるさんだけだったが
あるさんの知り合いの子と3人でオフ会をすることになった。
柚宮君と出会ってからライブにイベントにグッズ、ゲーム課金
とお金を使うことに忙しい。
もちろん、マイナスにはなってないし、自動引き落としの積立貯金は毎月している。
逆に、家計簿をつけるようになってお金に対して真剣に考えるようになった。
柚宮君効果すごい。
朝起きて、メイクをバッチリ決めて、この前のデートで着た服を着て、いざ出発。
電車に揺られること約1時間
乗っている人みんなスターチャームのライブに向かっているように思える不思議。
ライブ会場に到着。
まずは、物販の列にならんでお買い物。
「限定イラスト&ボイスアルバム買えた~」
嬉しさをかみしめる。
限定発売だから買えるか不安だったがよかった。
早く来たかいがあった。
会場の中に入り席につく。
ドキドキしながら開演を待つ。
この一時はいつになっても慣れない。
そして、ライブが始まり、舞台は熱狂の渦に包まれる。
ライブ中はただただ感激と感動。
ペンライトとお手製のうちわを思い切り振り、一緒に歌い、踊る。
そしてフィナーレは必ず感涙してしまう。
終わった後は少しの間
夢の国にいるかのようなふわふわした余韻にひたる。
ライブが終わりあるさんと落ち合う。
はじめてのオフ会だから少しドキドキだ。
「えぬさん、お疲れでーす」
「あるさん。お疲れさまです」
「この娘がオフ会に参加するレイちゃん」
「はじめまして。レイといいます。今日はよろしくお願いします」
高校生から大学生ぐらいの小柄で清楚な雰囲気の可愛らしい
女の子。
「こちらこそはじめまして。えぬと言います。よろしくお願いしますね」
私たちはオフ会会場のカラオケに入り
お菓子とドリンクを頼んで、今日のライブの感想や
スターチャームの曲を歌って楽しんだ。
レイさんは透磨君推しなようで愛を熱く語っていた。
透磨君はサブリーダーで優しくて苦労人で個性豊かなスターチャームのまとめ役だ。
ちなみに柚宮君はクールだがアイドルへの愛は人一倍のアイドルオタクな性格。
可愛い。
レイさんも成人済みということで、お酒を頼み、更に盛り上がった。
「えぬさんも柚くんの限定イラスト&ボイスアルバム買えたんですか。よかったよかったぁ」
「結構ギリギリだったけど買えました。家に帰ったらゲームしながらエンドレスで聴くよ」
「大丈夫なんですか? まだ、夜は長いですよ。明日仕事ですよね」
「最悪休めばいい。有休はたっぷり残ってますから。
あるさんも仕事じゃないんですか。」
「明日は非番ー。実は今日、夜勤明けなんですよ」
「それは、すごいバイタリティーですね」
私はびっくりする。
「レイさんは明日、大丈夫?」
「明日は講義が午後からなので」
「そうなの。よかった。でもレイちゃん楽しい? 私もえぬさんも柚くんの
話しばっかりしてるけど」
「楽しいですよ。あ……私、透磨君のこと本気で好きで同担ダメなんです」
酔いが回っていたのか、レイさんは端を切ったように
「どうかしてますよね。2次元のキャラクターに恋しちゃうなんて、でも一番つらい時、透磨が
いたから立ち直れたんです」
と泣き出してしまった。
「いいんじゃない。自分の気持ちに正直であれば。どうかしてるなんて全然思わない」
あるさんがレイさんの肩を抱く。
「私は柚宮君に出会う前は、“私の人生って何なんだろう”って思ってました。
でも今は、グッズを買ってはしゃいだり、ライブに行くためにオシャレしたり
こうして、あるさんやレイさんと話せて楽しいです。
どうかしてるなんて思いません。私でよかったら、なんでも吐き出してください」
私も自分の正直な気持ちをレイさん伝えた。
「そうだよ! この際だからとことん飲んで好きな人や推しの尊さを語ろう」
「透磨くん大好き。たった一人の最愛!」
「柚くんカッコイイ!かわいい!最推し!」
「柚宮君は私の太陽!」
こうして私たちは終電間際まで語り続けた。
「あるさん、えぬさん、いろいろ話してすっきりしました。とっても楽しかったです。
ありがとうございました。」
レイさんがお辞儀をする。
「いいって、いいって。それより全然語り足りないから、またオフ会しよ」
あるさんが、私とレイさんを見て笑う。
「そうですね!!」
私も次回に向けてノリノリだ。
2人と別れほろ酔い気分で家に帰る。
結局、月曜日は出勤したが二日酔いで辛かったが昨日のライブとオフ会で心は幸福感で満ちていた
それから月日が流れて。
綾塚君と私プロデュースのデートにも行った。
喜んでもらえてとっても嬉しかった。
一緒にいると楽しいしもっと綾塚君のことが知りたいと思う。
好きなのかな……。