マッド3&5&6
「どうだ?」
通信先。
『うん、大丈夫そう』
潜入に成功したが、絵の場所を特定するのに時間が掛かった。
「そろそろ離脱しようと思う」
『はやいね』
『場所送って』
5&6に、絵の場所を送る。都市の中心部に位置するビルのレストランに一枚。そして、その周りに七枚。レストランにはすでに売られた絵が飾られていて、残り七つはまだ売られていない。警備も厳重になっている。
ボスからの依頼。絵が欲しいというだけだった。その絵は5&6も目を付けていたらしく、下調べは終わっていいる。潜入して、いま保管されている場所を特定するだけだった。
絵は、どうやら贋作らしい。本物は、どこかの国の民家に点在している。場所ははっきりしていない。その贋作を高値で売り払おうとしているグループが、絵を所持している。
「まあ、詐欺師の集まりってところだろう。専門の鑑定士も抱き込んでいる」
『それはたいへん』
『ひとりのこらず退治しなきゃ』
「他人事だな」
『そういわないの』
通信を拡張する。
「マッド2オペレーション、聞こえるか」
『マッド3。こちらも今連絡しようと思ったところです。まず、都市の中心部に位置するビルへ向かってください』
「了解。その間に、こちらの報告もする」
『お願いします』
「ボス御執心の絵なんだが、どうやら贋作らしい。オリジナルは場所不明。一応確認してほしいんだが、ボスが欲しいのはオリジナルと贋作どっちだ?」
『贋作のほう。本物はどうでもいいの。この作者の絵が欲しい』
ボス。
「了解した。贋作なんだが、どうやら詐欺グループが絵を独占している。すでに売られたものが一枚、まだ売られていないものが七枚。その売られた一枚ってのが、今向かってる都市中心部のビル七階にある」
『そう、それ。そのレストランの絵が、どうやら燃えたらしい』
「なに?」
『事実確認に向かって。私の予想だけど、たぶん事故じゃなくて人為的に燃やされたんだと思う』
「了解した。マッド2、概要を」
長くなりそうだ。