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マッド  作者: 春嵐
5/12

ボス&マッド2

「乾杯」

 グラスが触れ合う、小気味よい音。一気に、飲み干す。

「おいしい」

 マッド2は、上品にちびちび飲んでいる。

「やっぱり、気になる?」

「ええ」

 マッド3スパイが気分で潜入していた薬剤関連企業で、薬剤の横領があった。暇を持て余していたマッド3がその行き先を追っていったら、ドラッグの高純度精製工場があった。ドラッグとして指定されていない原料の状態で輸入し、自社工場でドラッグに切り替えて売りさばく。そういう手口だった。

 ボスは、その工場を即座に潰す提案をした。そして、全員が乗った。

 マッド1は、工場の制圧。マッド3との初顔合わせなので、相性のテストも兼ねていた。

 マッド2は、いつも通り。オペレーションと全体の情報共有。通信系統と、バックアップ。

 マッド3は、ドラッグ工場や企業の詳細な情報収集。命令しなくても勝手に情報は集まっていく。集めた情報はマッド2を通じて、適度に全体へ共有される。

 マッド4は、いつも通り本部の警備。どうやら、さっき5&6に株の売り時期について聞かれたとSMSが届いていた。マッド2に伝えなかったのは、食事に水を差さぬようにという配慮だろう。残念だが、ボスのところに届くSMSは、マッド2にも即時転送されている。

 5&6は、いつも何やってるか分からないんだが、今回はその薬剤関連企業の株式を大量に購入していた。ここぞでマッド3と連携して、一儲けするらしい。

「海老」

「カニ」

 食べる。

 おいしい。マッド2のカニをひとつ奪って食べる。おいしい。こちらも海老を差し出したら、そのままかぶりついてきた。おいしそうだ。やめろ。指を舐めるな指を。くすぐったい。

 ボスの提案はマッドの手によって作戦となり、そのまま決行された。

 マッド1は、工場を制圧。誰一人殺していないから、事件性は皆無といっていい。

 マッド2は、情報共有を終了した時点でお役御免。作戦立案も、マッド2の仕事だった。遺漏のない作戦で、損耗も皆無。

 マッド3は、もう少し潜ってみると言っていたが、そろそろ水底に辿り着いた頃だろう。今頃、5&6の売りを待ちながら、アルナ辺りとゲームでもしてるのかもしれない。

 マッド4は、本部大好き人間だから本部。食事に誘ったけど来なかった。防衛大好き人間か。たぶん寝てる。5&6に起こされても、彼女の本分は睡眠だ。

 5&6は、株を売るか売らないかの勝負の途中。

 アルナは、いつも通り。彼女は色んな組織に属しているから、作戦参加も本部勤務も気分が乗った時だけ。

「さて、次は何を行こうかね」

「肉」

 ボスとマッド2は、とにかく食べる。よく分からないが、たくさん食べてもどんなに飲んでも体調が壊れたことは無い。マッド3が張り合おうとして、彼の体調と財産を崩壊させたことが何度かある。

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