記憶の図書館にて、管理者と僕は交差する
「あの……どなたでしょうか?
それと、ここが何処なのか教えて貰えないでしょうか?」
僕は今この現状を唯一説明出来そうな女性へと声を掛けた
「そうですね……。
一先ずは簡単な所から行きましょう。」
と言って彼女は説明を始めた
「一つ、貴方は黒崎 優と言う名前の男性である。」
何故かその言葉にうるっときた
特に“男性”という言葉に。
「二つ、貴方は勇者として異世界へと転移した。」
少しだけ脳が疼いた気がした
どうやら僕の脳が必死に記憶を掘り返しているらしい
「三つ、貴方の記憶は永久に失われない。」
僕も何か考えないといけない気がしたのでテキトーに考えていたけれど面倒になったので止める
いやしかし、面倒と言う言葉は物凄く使いやすい、有り体に言うと楽だ
「四つ、貴方は勇者だが、責務などは無く、自由に生きて良い。」
「五つ、此処は貴方の、勇者としてのスキルである、《記憶図書館》の中である。」
「六つ、私は貴方のスキルから産み出された存在、つまり此処《記憶図書館》の管理者である。」
ふむふむ、なるへそ
彼女が話したことはあくまでの点と点だが、それが結び付いて僕の記憶の鍵となる
あくまで大体だけれども、思い出した。
「ありがとう。
大体は把握出来た。」
いやはや、彼女が『私だって意味わかんないんですけど。』と言ったらどうしようかと本気で思った
だが、杞憂にすんで本当に良かった
「礼などは必要ありません。
いわば、私は貴方の一部であり、自分の手足に感謝する人間などほとんど居ないでしょう。
五体満足のマイマスターなら特に。」
相変わらずフードの影で顔の見えない彼女は、当然のように話した
成る程わからん……。
少し整理してみようじゃあないか。
え~と……此処は僕のスキルの中で彼女はその管理人。
そしてスキルとゆうのは手足のようなモノらしい。
おーけー、やはり simple is bestだな。
整理整頓は好きだ、掃除は嫌いだ、面倒なんだ。
上げて、落として、奈落の底へ、この三点バーストを喰らいやがれ!!
軽く逃避を交えつつ考えていると、
「私は、まだ仕事が残っているので戻りますが、そこら辺に転がっている本を読んで下さい。
この本は貴方の記憶、読み進めていけば分からなかったことも分かるようになるでしょう。
何かあればお呼びください、貴方の所に私も居るのですから。」
そう言って彼女は延々と並ぶ本棚に消えた