属性
あけましておめでとうございます。遅くなりましたが、更新しました。よろしくお願いします。
戻ってきたルードの手には水晶玉があった。そして奈留の目の前に置くとこういった。
「奈留君が全く知らないと言ったから一から説明していこう。まず人というのは生命エネルギーと精神エネルギーの2つによって成り立っている。この二つのうちどちらか一つでも失われるといわゆる――死というものを迎える。そして魔法に必要となるのは主に精神エネルギーだ。これを使うことにより魔法を発動できる。ここまではいいかな?」
「はい。でもその水晶は何に使うんでしょう?」
「いい質問だね。これは魔水晶といって、魔法属性に反応するんだ。魔法属性とは火、水、風の三種類があり、そして人にはそれぞれ得意な属性がある。適正属性は他の属性以上に使えるから、大抵は適正属性以外は殆ど訓練しないという場合が多い。何といっても苦手克服に近いからね。それ相応の努力が必要になるし、それでいて得られる能力は、適正属性の十分の一程度というのがほとんどだからね」
奈留はその話を興味深そうに耳を傾けていた。そして話が終わり……。
「じゃあ、そろそろ――奈留君の属性を調べようか」
そういうと魔水晶を奈留の目の前に置いた。
「手をかざしてごらん」
奈留は手をかざす。占い師がやるような両手で念じるように。
「手をかざしたら少し力をいれて、手から何か――出るような感覚で。こればかりは説明が難しいので感覚をつかんでいただくほかありませんね」
しばらく――1分ほど経っただろうか。何も変化が起きない。しびれを切らした奈留が口を開いて何かを言おうとした時、魔水晶の色が変わってきた。もやもやとした白っぽい色になったと思ったら元の透明に戻ってしまった。奈留は顔をほころばせルードのほうを見た。しかし、ルードの顔色は奈留と正反対に、幽霊にでもなったかと思うほど白くなっていた。
「どの属性になるのでしょう?」
「こ、これは……。奈留君、心して聞いてください」
そう言い、こう続けた。
「君には適正魔法属性がないようだ」
思った通りに進まないですね……。あと数話で話が一気に進んでいくかと思いますので、もうしばらくお付き合い頂けますと幸いです。