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謁見

2話目です。よろしくお願いします。

 神殿を出るとそこには広い森が広がっていた。そして、目の前には馬車が置いてある。


「勇者様、こちらの馬車にお乗りください」


 と第一王女であるクリスティーナに案内され、そこ乗り込む。そして彼女自身も乗り込む。扉が閉まり馬の嘶く声がした後、ガタガタと揺れながら走り出した。

 15分ほど経っただろうか。馬車が止まり奈留の乗っている馬車の扉が開かれ、馬車から降りてくる。

 その目の前には大きな城が広がっていた。


「おぉ、ほんとに異世界っぽい……。それにしても馬車って結構揺れてしんどかった……」


 そういいながら大きく伸びをする。


「それでは奈留様、父である王のもとへ行きましょう」


 そうクリスティーナに言われ、城の中へと入っていく。そして王の居る所へ案内され通される。


「おぉ! そなたが勇者殿か。我がこの国の王であるクライド・ハフナーである。疲れてる中、申し訳ないがなぜ呼ばれたかを説明させてもらおう」


 王は勇者奈留を見るなり、すぐさま話を始めた。


 ――長い話が終わった。まとめるとこうだ。

 この王国は長きにわたって帝国と戦争を続けている。そして帝国が勇者を召喚し、決着をつけにくるという情報が入った。そのため王国も勇者を召喚し、それに正面から受けて立つという考えにいたり、奈留を召喚した。これから修行をしてもらって、その戦争に赴いて戦ってほしい。勇者にはこの国の人にはない能力が備わっているからまず負けることはないが、相手にも勇者がいるから油断はならない。

 これを聞いた奈留の表情は曇った。それもそのはず、全く関係のない、敵国に勝つための駒でしかないのだから。


「あの、元の世界に戻りたいんですけど。だって僕には戦争に関係がないですよね? それなのに勝手に呼ばれたと思ったら戦えって……。王女さんが国王なら知ってるかもと言ったから来ただけで、早く帰りたいんです」

「むろん、そのことは申し訳なく思っている。だが我が国はそうするしかない状況に追い込まれているのだ。それに戻る方法は私も知らぬ。無理にとは言わんが戦ってはくれまいか?」

「そんな……戻る方法がないなんて……。じゃあ、戦わずほかのことをするという選択肢はないのでしょうか?」


 奈留はそう尋ねたが、王は一瞬表情を変えた後、すぐに戻しこう答えた。


「だが向こうにもし、勇者がいるとなればこの国は亡びるしかないだろう。そうなると勇者殿が行く場所はないぞ。今ある国はこの王国と帝国だけだ。あとは荒れ果てた砂漠が南にはあるが生き抜くことは不可能だ」


 ――奈留は少し思案するような顔をし、帝国と戦うために鍛えてくれと頼んだ。その答えに王は満足したような顔をし、奈留に下がって休むように言った。

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