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Chapter11 治癒術 (2)

「今回のステップでは、今話題に出た治癒術について教える」


「おお!

 ついに私も使える日が来たのかー」


「とは言っても簡単なやつ。

 三点収束習得のときに私がエレナに使ったような、すぐに傷が治るようなものじゃない」


「あー、でも簡単な魔法(やつ)でもうれしいかも」


「治癒術、別名は回復魔法。

 これは魔導術と封魔術の合成術なの」


「魔導術と封魔術?

 あれっ?

 でも魔導術と封魔術って反発するんじゃなかったっけ?

 そんなことありえるの」


 私たちの体を包む封魔術の防壁が、魔導術に対して反発力を発生させる。

 防衛術のときは、そのように言っていた気がする。


「普通に考えるとありえない。

 けど、実際にこの方法で実現されている。

 それ故に、奇跡の施術と呼ばれることもある」


「ぬーん」


 『ふーん』と『うーん』という感嘆詞が合わさると『ぬーん』になるらしい。

 私も今、初めて知った。


「治癒術は魔導属性と封魔属性の二点収束。

 2つのコアを左右に作り、三点収束の場合と同様に合成していく」


「でも、2つのコアが反発するんでしょ」


「基本的にはその考えで正しい。

 でも、2つの属性のコアは、ある一定の間隔より近づくと、逆に引き合うの」


「いやいや、ありえないでしょ!」


「そう思うのは仕方ない。

 でもこれは、この世界の物理法則であり、真実だから。

 まだ仮設だけどね。

 でも、一番有力な説」


 ノム先生がそう言うのならば、そうなのだろう。

 引き合い、かつ反発するという矛盾。

 その矛盾の解決を行おうとすることは、今のところ意味がない。

 その思考で観点が切り替わる。


「その間隔って、どのくらいなの?」


「厳密な数値は、私にもわからない。

 けど、とても近い。

 エレナの髪の毛よりも、もっと小さいんじゃないかな」


「反発するコアをそんな近距離まで合わせるって、大変そうだね」


「その通り。大変。

 習得には時間がかかる。

 でも、ちょうどエレナは休養中でたくさん時間もあるし。

 しかも怪我もしてる。

 治癒術習得にはベストのシチュエーション」


 『ナイス』という言葉を表現したような、かわいい顔をする先生。


「反発しあうコアを合わせるんだよね。

 危険なんじゃないの。

 危険だよね。

 シチュエーション、ベストなの?

 危険でしょ」


「いきなり多くの魔力を収束しようとすると、失敗したときに大きな反発が起こって危険。

 だから最初に習得するときは、2つのコアに収束する魔力は少な目にするのがいい。

 それなら失敗しても、ちょっと血が出るくらいだから」


「『ちょっと』とか修飾子つけても、『血』っていう単語ごまかせないからね」






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