俺、バイト探してました
「はぁ..今月も家賃振り込めなかった...
いい加減追い出されるかもしれないぞ...」
つい最近大学生になったばかりの中村秀人は、いわゆる貧乏大学生である。
とは言え、彼をそんじょそこらの貧乏大学生と同じにしてはいけない。
彼のアパートは築35年1DK風呂なし、加えて駅から徒歩30分という物件である。
そのため、家賃も月15000円という超低価格である。
しかし、彼はこのアパートの家賃を3ヶ月滞納しているのだ。
ちなみに、1日の食事は基本的に2食、卵ご飯とふりかけご飯だそうだ。
ならばバイトをすればいいじゃないかとお思いになる読者の方もいるだろう。
しかし、それは無理な相談である。
なぜならば、もう彼はすでに4つのバイトを掛け持ちしている。
彼の一週間の予定はほとんどバイトと講義で埋まっているそうだ。
「なんか割のいい仕事ねーかなー」
大家が耐えかねて「これでも読んで新しいバイト探しな‼︎」と、置いていった「バイト紹介とらのあな」という雑誌を読みながら秀人は少しため息交じりにつぶやいた。
「まあ、流石にそんな簡単に見つかるわけないよなぁ。」
少しでも期待していた自分がバカだったと自己嫌悪に陥る。
まあ、一回くらいなら何も感じないかもしれないが、さすがに4回も5回も同じことを繰り返していては自己嫌悪にも陥るというものだ。
秀人は、少しふてくされたように、布団に潜った。
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