初まりの始まり
女子高生の高校野球参加が認められて早10年
女性の野球人口の増加の中で
俺こと有馬悠は
ここ野球の名門と知られる凌誠高校へ、
毎年9枠の特待枠のうちの、
《野球特待捕手枠》で入学した
女性の野球人口の増加って言っても、
この凌誠高校は10年間で野球部に女子選手が
一人しかいないのでも有名なんですけどね
しかもその一人は野球界に革命を起こした人、
今、プロで活躍している、
浪瀬煉さんなんだよなぁ…
まっ、そんな事考えたって仕方ないか
「よ~し…入学式も終わったし、部活でも見に行くか~」
まっ、野球部しか見ないけどな
そんな事を思いながら学校の廊下にでた
「あのー…すいません…」
「はい?」
声をかけられ振り向くと、
そこには可愛らしい顔立ちをした美少女が立っていた。と言うか、天使ですか?
「野球部の方ですか?」
こんな可愛い娘が野球部に用?素敵な予感…
「私、野球部に用があるんですが」
「ん、あ、ああ。野球部ね」
「はい。」
「君、新入生だよね?」
「はい、水無瀬燐って言います。
1年G組ですから、同じクラスです」
「水無瀬燐ね、了解、
俺の名前は有馬悠、君と同じく新入生だ」
「あ、あなたも新入生ですか!」
「おー。あなたは嫌だから、俺のことは悠でいいぞ。(と言うか名前でよんでくれ)後、無理に敬語も使わなくていい。慣れないことして、顔ひきつってるし。」
「ほ、本当ですか…?よくわかりましたね…」
「まあ、職業柄、観察が日課見たいになってるからな。」
「そう言うことですか。(ってか観察が日課って…)ボソッ」
「あ?なんか言ったか?」
「い、いや何でもない!何でもないです!」
「そうか?(まあ、聞こえてたけどな)後、敬語使わなくて良いって。なんか俺が気ぃ使うから。」
「そ、そう?じゃあ…よろしく。悠 」
「おう、よろしくな。そういえば、野球部に用があるんだよな?」
「うえぇ?…あ!!そうだった!」
「ははっ。俺もちょうど行く所だから一緒に行くか?」
「い、いいの?」
「おー。ところで野球部に何しに行くんだ?」
「え?ああ、ちょっと見学に、ね。」
「見学?マネージャー希望か何かか?」
こんな可愛い娘がマネージャーに…ムフフ
「いや、違うよ。」
違うんかい…ちっ 、残念無念の五稜郭
「悠は何で野球部に?」
「あー。俺は《野球特待捕手枠》なんだ」
素晴らしき肩書き。惚れ惚れするね、我ながら
「え!ホントに!!」
「おー。ホントだホント。スゲェだろ?」
「うん!!凄いよ!!…ってことは、これから私たちチームメイトなんだね!!」
「え?それってどういう…」
ちょっと待て、それってまさか…
「実は、私………」
「《野球特待投手枠》なんだっ!」