第5話 オカルト研究部に入部希望者がいる!
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いつものように学校の授業が終わり、放課後になったので、オレはいつものようにオカルト研究部へと足を運び、幽霊の依頼を引き受けて、それを達成するというのを何日も何日も続け、悪霊退治の仕事も若干だが増え続け、悪霊の強さも、日に日に少しずつだが強くなっている気がしたが、気のせいと思った。しかし、気のせいではない様子で、少しずつだが強くなっている気がする。全長三メートル以上の悪霊が2~3体同時に出てくる事は当たり前になってきた。
それに、現場付近にやはり氷が大量に残ってしまう。今は春なのに、おかしいと気づいたマスコミや警察。ニュースさえでも報道される始末。テレビでも特番が流れ、インターネットでも謎の氷に誰もが驚いて、宇宙人の仕業だと色んなデマがたくさん流れるぐらい。それで、彼らは誰かの仕業だろうと根拠はないが確信を持って、謎の氷を出す存在をこう呼んでいる。
『ジャックフロスト』と・・・
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平日の朝。オレは自分の教室へと向かい、クラスメイト達に挨拶を交わし、自分の席を探し、鞄を自分の席の横にある鉄で出来た・・・なんて言うんだコレ?にかける。もちろんと言ってもいいのか分からないが、オレの隣の席には着席した篠崎楓がいる。
「ねぇ、神谷くん。ジャックフロストって知ってる?」
「!?」
篠崎楓の質問に耳を疑うオレ。しかし、知らない訳ではない。オレがそのジャックフロストだから・・・とは言えないが、知らない振りをしておくのもウソをついているという罪悪感があるので・・・
「ジャックフロスト・・・名前の意味は霜男。モデルは、北欧のヨクルまたはフロスティと言われ、雪と氷で出来た妖精と言われているな。その姿は小人であったり、白髪の老人であったり、雪だるまであったりと様々な説がある・・・というジャックフロストか?」
本来の意味のジャックフロストの事を伝えた。
「よく知ってるね神谷くん。あ、そっか、オカルト研究部だから、こういうの知って当然だよね。って、そのジャックフロストじゃなくてさ、最近よくニュースで報道されているじゃない?」
篠崎楓にツッコミを入れられたオレ。オレはボケ役ではないが、知らない振りをしないと後々めんどくさい事になるから仕方ないのだ。
「ああ、そのニュースなら何度か耳にしたが、何が原因で氷が散らばっていたのか分からないな」
「神谷くんでも分からないんだ・・・ジャックフロストの模倣犯も増え続けていてさ、全国各地に自分がジャックフロストだって、言っている人が多いんだってさ」
「そうみたいだな」
篠崎楓はオレの戦いを見たというのに、オレの事をまるで疑っていない。篠崎楓は、胸の中で、あの戦いを夢だと信じきっているようだが・・・この篠崎楓が後々めんどくさい存在にならなければいい。
「それで、神谷くんはジャックフロストの事を調べているの?オカルトの分野かもしれないし」
「ああ、オレなりに調べているぞ。人の手による犯行だろうが、自然現象によるものだろうが、構いはしないからな」
オレは一応オカルト研究部だ。どんな事でも疑問を抱き、その疑問に興味を持たなければならない。
「で、良かったら・・・わ、私もオカルト研究部に入部してジャックフロストの事を一緒に調べたいな~、って思ってて・・・ダメかな?」
篠崎楓は首を傾げ、上目遣いでオレにオカルト研究部に入部希望の旨を伝えるが・・幽霊が見えないから、オレとレイが話している所を、オレがただ誰も居ないのに誰かと話しているように見え、篠崎楓がオレに良からぬ誤解を持つ可能性は大だ。
しかし、だからと言って、断わる事は出来ない。オレにとって・・いや、オカルト研究部にとっては願ってもない事だ。部員が増える事で賑やかになる筈なのだからだ。
「・・そうだな。まず入部届を出してくれ。話はそれからだな」
「・・!うん!放課後、楽しみにするよ!」
篠崎楓はパァァと弾ける笑顔を浮かべ、入部届を貰う為に、職員室へと向かった。これから一時間目の準備が始まるというのに、すごいはしゃぎようだな・・・それほどジャックフロストの事を知りたいのだろうか?
それはさておき、レイにはこの事をどう伝えるべきだろう?昼休みまでにどう伝えるかを考えつかないと、レイは怒るだろう・・・
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昼休み。
母親が作ってくれた弁当をオカルト研究部の部室にて食べているオレなのだが・・・
「『私が生きていたら、私が作ってあげたのに~・・・ぶぅ』」
何故か怒り気味のレイに篠崎楓の事を言いたくても言えない・・・が、言わないと始まらないので、腹をくくった。
「レイ。実は・・このオカルト研究部に入部するという生徒がいるんだが・・・」
「『え!!?ホント!?わぁい!』」
レイは両手を挙げて、バンザイをするという最上級の喜びを示すのだが、オレが言いたい事が分からないらしい。アホなのか?コイツ。
「で、ソイツは霊感がないから、オレと話す機会は非常に少なくなるから、オレとあんまり喋れなくなるぞ」
「『え?どうして?』」
レイは首を傾げて、本気で分からないという表情を浮かべる。マジなのか?コイツ。
「あのな、傍から見れば、オレは誰も居ないのに、誰かと話しているように見えて、色々と変な誤解を持たれるからだ」
オレはバカなレイにちゃんと分かりやすい説明をした。だが、レイはキョトンとしている。
「『じゃ、その人に霊感があれば私と喋れるよね?もちろん、幽霊と話せるぐらいの霊感がさ』」
レイの反論はごもっともであるが・・・
「あ、ああ。だが、急に霊感なんてつかないと思うぞ?それも、幽霊と話せるぐらいなんて、不可能だろ」
「『出来るよ。私には人に霊感を与えたり、霊感をゼロにさせたりする事が出来るんだからね』」
レイの言葉に耳を疑った。初耳だぞそんな事。
「『直斗が聞かなかったから言わなかっただけだもん』」
オレのせいかよ。だが、問題はそれだけではない。
「新入部員に霊感を与えるという事は、いいとして、レイの存在を受け止められるかだ」
「『あ・・・』」
この問題はオレでもどうしようもない。もし、レイの存在を受け止められなかったら、オレはまた一人・・いや、レイと二人っきりで部活をやらないといけないのだ。
「・・・一か八かの賭だな。新入部員がレイと仲良くなるか、否か。レイ、それでいいか?」
「『う、うん・・・私、考えがまとまらないし、それだけしか方法ないもんね・・・』」
レイはオレの案に歯切れのない返答なのだが賛同してくれた。後は、篠崎楓の出方次第なのだ・・・
「一応言っておくが、レイがオレに憑依した時、冷気を操る事が出来るという事は伏せてくれ。幽霊が見えるようになったという事で、絶対に混乱するし・・・それ以上驚かせたくないからな」
「『わ、分かった。秘密にするね』」
オレ達はこれから起きるであろう体験に不安と緊張感を抱き、放課後を待ち続けたのであった。
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放課後。
入部届に名前を書いてオレに提出した篠崎楓はニコニコと満面の笑みを浮かび、オカルト研究部の部室が分からないらしいのでオレが案内してあげ、オカルト研究部の部室の扉を開く。
その部室の中には、もちろんレイが居る。だが、まだ霊感がない篠崎楓には見えないので、篠崎楓にとっては部室の中に二人しか居ないという当たり前な事実がある。
「わぁ・・何だか普通だね。もっと、オカルト的な物がたくさんあると思っていたけど、そうでも無かったね」
篠崎楓は部室の辺り一面を見渡し、想像していたオカルト研究部の部室像とは真逆だったらしい。それもその筈、オレは幽霊以外のオカルト存在は信じておらず、唯一オカルトに関する事と言えば、本棚には幽霊関係の本しか無い事だ。
「『直斗・・・』」
レイの情けない声を聞き流し、ようやく本題に移す事にする。が、その前に・・・
「篠崎。茶を淹れるから、適当な場所に座ってろ」
篠崎楓をパイプイスに座らせ、茶を淹れる事にした。まずは落ち着かせて、その後、レイの存在を暴露する事にした。
「はい、茶」
「あ、ありがとう」
オレ達は茶を啜り、ほっと一息つく。心が穏やかになった事で、ようやく話せる時が来た。さて、鬼が出るか蛇が出るか、だな。
「篠崎・・・これから大切な話があるから、ちゃんと聞いてくれ・・・」
「ふぇっ?!ぁ、ぁ、ぁぅ、ち、ちょっと待って!心の準備をさせて!」
篠崎楓は顔を真っ赤にさせ、身体をもじもじさせ、上目遣いでオレの顔をチラチラ見ては、俯いたりを繰り返していた。う~む、これじゃ、まるでオレが篠崎楓に告白しているようではないか?ある意味告白なのだが・・・
「すぅ・・はぁー・・すぅ・・はぁー・・どうぞ、神谷くん」
篠崎楓は深呼吸して落ち着くが、まだ顔は真っ赤な事は指摘してあげない事にした。
「実はオレには、霊感があるんだ・・・」
「・・・へ?」
耳を疑ったご様子の篠崎楓。
「それでな・・・ここに、幽霊がいるんだ」
「ええーっ!!」
大きな声を出して驚いてしまう篠崎楓。それはそうだろう、中学時代からの知り合いが急に霊感があるという話をして、しかも近くに幽霊がいるという話もしたから、誰だって驚いてしまう。
その証拠に、篠崎楓は口を大きく開いて驚愕の表情を浮かべている。
「・・・信じれない話だから、証拠を見せるぞ。レイ、頼む」
「『・・・うん』」
「へ?へ?どういう事?レイって何?」
篠崎楓はオレの言葉に耳を疑い、キョロキョロと辺りを見渡す。もちろん、篠崎楓にはオレ以外の存在は見えない。
「『やぁーっ!』」
レイは両手を広げ、その両手を篠崎楓に向けて、何らかの力を与えているようだ。
「・・・!!あ、あなた・・誰?!」
篠崎楓に霊感がつき、レイの姿が見えるようになってしまった。
レイは俯き、何を喋ったらいいのか、分からなくなっていて、篠崎楓は恐怖で涙を浮かべていた・・・レイの存在を受け止められるように、オレはフォローしていくと決心し、口を開き、篠崎楓を落ち着かせようとしたのであったーーー。




