第4話 デートしたがるブラコンな妹がいる!
かなり話がそれる話でございます。
幽霊部員がテーマなのに、こんな話をしてもいいのだろうか?
これも、一応この作品ならではの話なんですが・・・とにかく、お話をどうぞ。
時は流れ、休日。学校が休みなので、学校には行かない。だから、オカルト研究部の活動も休みで、やる事がない。レイに、オカルト研究部で留守番しろという事を命じるが、いつもこう文句言ってくるのだ。
「『ぶぅぶぅ!一人だと、つまんないだもんっ!寂しいんだもん!』」
頬を膨らませ、ワガママを言いたい放題言ってきやがるのだ。しかし、これもいつものパターンで、オレが絶対勝つ事は明白なのだ。
「お願いだから、な?いい子にしてろ」
オレは真剣な表情でレイに頼む。すると、レイは、頬に朱を浮かばせ、身体をもじもじさせて、こう言うのだ。
「『な、直斗がそう言うから、私、留守番してあげるんだからね!感謝してよね!』」
ツンデレキャラのようなレイ。だが、オレは、そんなレイの頭に手を置き
「フッ。ありがとうな、レイ」
微笑みながらレイの頭を撫でる。レイのキャラが面白いから自然と笑ってしまうから笑顔になってしまうが、レイはそんな事を知らずに
「『はぅぅ』」
自分の世界へトリップしていくのである。
と、いう事だが、やはりヒマだ。宿題も済ませたし、友達と遊ぶ予定なんてしてないし、ヒマだと言っても遊ぶ気分じゃないし・・・一体、どうしたら良いのだろうかと思案していると・・・
「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんっ!」
我が妹である神谷唯が無邪気な笑顔を浮かべ、オレに急接近。いつもテンションが高い妹だな・・・
「お兄ちゃんは、そんなに沢山いません」
「でへへ~。お兄ちゃん、デートしよう?」
いつも通りの日常。唯にとってはデートだろうが、オレにとっては買い物に付き合ってもしくは一緒にどこかへと遊ぼうと解釈している。乗り気はゼロだが、断ったら後々めんどくさい事になりかねないので、賛成する事にした。
「・・・ハイハイ。1分待ってろ・・・着替えてくる」
「わぁいっ」
オレは自分の部屋へと向かい、服を適当に選び、着る。ジーンズに白いTシャツといったラフな格好だ。
着替え終わり、我が家の玄関へと向かい、唯の姿が見えないのでキョロキョロと見渡す。
「おーい、唯~」
大きな声ではなく、それなりの声で唯を呼ぶ。すると、ドタバタという音と共に、ブラック系ベージュドットのフィット&フレアーワンピ、それに黒いタイツを着た唯が登場。髪型はいつも通りツインテールなのはそっとしておこう。
「お兄ちゃ~んっ!」
唯はオレの腕を抱きしめ、オレの肩に頬ずりしている。猫みたいにじゃれるなよ・・・
「おいおい、靴履けねぇよ」
「じゃ、私が履かせてあげる~」
唯は下駄箱から俺のシューズを取り出し、本当にオレに靴を履かせていた。なされるがままなオレなのだが、唯のテンションと極度なブラコンには未だに慣れない。
「よし、これで・・・」
オレは我が家を出ようとすると、唯に腕をガシッと掴まれ、オレの歩行を妨げた。
「・・・今度は、なんだ?」
オレは振り返り、唯の表情を見た。唯は目にウルウルと涙を浮かばせ、オレに何かを訴えかけている。
「お兄ちゃん・・・私に靴を履かせて欲しいの。ダメ?」
唯は首をコテンと傾げ、可愛さを猛アピール。それと共に、履かせなかったらどうなるか分かっているよな?と目で脅迫しているようにも見えた。はぁ、仕方ねぇな・・・
「ヘイヘイ・・・」
「ヘイは一回だよっ!お兄ちゃん!」
「ヘイ」
「でへへ~」
どうにか靴を履かせてあげて、ようやく我が家を出る事に成功したオレ達なのであったが・・・やはり、唯はオレの腕を抱きしめて外に向かったのであったーー。
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唯の行き先は商店街らしく、そこへ向かう途中、我が家の隣に住んでいるおばさんに遭遇してしまった。オレ達が普通の家庭だったならば、おばさんに色んな誤解をされ、近所でも噂されるだろう。しかし・・・
「あら、唯ちゃん。お兄ちゃんとデートなの?羨ましいわね~」
昔から唯は極度なブラコンなので、あまり気にしていない。故に誤解もしないし、噂が流れても、仲が良い兄妹だとしか認識されないだろう。
「うんっ!お兄ちゃんとデートなの!でへへ~」
唯はだらしない表情で笑みを浮かべ、その微笑ましさからか、近所のおばさんもニッコリと笑っている。
「直斗くん。唯ちゃんの事、よろしくね?男の子だから、リードしなきゃよ」
このおばさん、オレ達の関係を誤解しているな。その証拠に、ニヤニヤ笑っている。この状況を見て面白がっているな?コノヤロウ。
「・・・ええ。善処します」
当たり障りのない言葉を言い放ち、腕にぎゅうぎゅう抱きしめてくる唯を引っ張りながら、先を急ぐのであった。
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オレは、唯になされるがままに流されていった・・・
「あ、お兄ちゃんっ!ゲーセン行こうよ!プリクラ撮りたい!」
「お兄ちゃん!カーレースしよー!」
「お兄ちゃん!音ゲーしよー!」
「お兄ちゃんお兄ちゃん!シューティングゲームもー!」
「お兄ちゃんお兄ちゃん!格ゲー!対戦しよー!」
「・・・お兄ちゃん・・・お手洗いどこ?あぅ、恥ずかしいっ」
「お兄ちゃん!UFOキャッチャーで、あの人形2つ取ってー!」
「お兄ちゃん、ご飯たべよー!」
「お兄ちゃん!アイス食べよー!あーんって私に食べさせてー!」
「お兄ちゃん、喉渇いたー。ジュース一緒に飲もう?」
唯はテンションが上がりっぱなしで、下がる事は絶対にないであろう。これらの出来事は、これから起こるある事が始まる序章にしかすぎん。そのある事とは・・・
「すぅ・・・すぅ・・・」
遊びすぎて眠ってしまった。今、オレの背中で寝息を立てているが・・・商店街から我が家まで辿り着くまで結構時間がかかるし、それに人の目の事もある。だからといって、外で眠ったままいると、唯が風邪を引いてしまうかもしれない。背に腹はかえられず、唯を背負い、人目のグサグサと刺さる視線を受けつつ、我が家へと向かっていくという過酷な試練。普通なら耐えられないだろうが、これもよくある事で、あまり気にしない。
「お・・兄ちゃん・・」
我が家へと向かう途中、唯に呼ばれた。起きたのだろうか?
「なんだ?唯」
「・・・すぅ・・・すぅ・・・」
寝言だ。しかし、寝言がお兄ちゃんとは、全国の妹持ちの兄は最高にいい気分だろう。オレもその内の一人だ。なんだかんだ言って、オレは唯の事が大好きなのだから。
「お・・兄ちゃん・・・大・・好き・・・」
「・・・ああ、オレも大好きだよ。唯」
オレは自分の気持ちに正直になれた。この事に嬉しさを感じ、フッと笑みをこぼしてしまう。
「お・・兄ちゃん・・・」
また寝言だ。さて、次は何と言うのだろうか?これだけ好きと言ったから、また好きと言うのだろうか?いくら妹だとはいえ、女子に好きと言われたら照れてしまう。
「お・・兄ちゃん・・ずっと一緒だよ・・・」
「・・・ああ、ずっと一緒だ」
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帰宅。
まだ眠っている唯を唯の部屋に寝かせて、オレはリビングへ直行。すると、母親がニヤニヤしてオレを見ているので何事かと尋ねると
「直斗、唯とまたデートしたんですってね。いい?唯をちゃんと幸せにしてあげるのよ」
唯の事を幸せにして欲しいと頼むのだが、何故オレなのだろうか?いや、唯が一番懐いているオレだからこそか?しかし、女にとっての幸せとは、結婚とか、出産とかではないだろうか?家族同士、そんな関係になったら近所の人達やオレの友達関係の信頼が無くなってしまうのではないだろうか?
でも、これだけは言える。オレも唯の事が好きなのだから。恋愛対象としては見ないが、家族としてたくさんの愛を注ごうではないか。
「・・・唯にとっての幸せは知らんが、オレがその幸せを実現可能な範囲まで叶えてやるさ」
「うふふ。そうなの」
今日、唯と遊んだ事にとって、改めて唯の事を大切にしないといけないという事を学んだオレは、次回の学校の準備を済ませるのであった・・・




