第2話 オレの身近に悪霊がいる!
私の最新作のタイトルって、何だかライトノベルみたいだ。
しかし、ライトノベルはたくさんアニメ化になっているし、人気があるしで、かなり羨ましい。
ぶっちゃけ、私はこの作品を書籍化はもちろん、アニメ化を目指してします。何だか、面白そうな話ではないか?この話。
翌日の早朝。
昨日の夜には唯の猫化は解けて、オレと唯は自分の部屋に向かい、眠りについた筈だったが・・・
「・・・すぅ・・・すぅ」
いつの間にかオレの布団に潜り込んでいた唯は寝息を立てて眠っている。この状況、いつもの事なので、別に驚きはしないが・・・
眠り眼を擦りつつ、洗面所へと向かい、朝食を食べ終わり、黒色のブレザーとズボン、赤いネクタイという学校で定まれた制服へと着替え、学生鞄を持ち、そそくさと退散。
ちなみに、男女共ネクタイの色は学年ごとに違い、一年生は赤、二年生は青、三年生は黄色という具合でなっている。女子のネクタイ姿は珍しいが、この学校の決まりだが、別に気にしていない。
朝から唯とじゃれるのは体力的、精神的にキツいので朝早いのだ。
学校へと辿りつくも、まだ生徒は一人も居ないし、いつもヒマなので、オカルト研究部の部室へと向かう。これは、いつもの日課なので、慣れた生活だ。
「ふぁぁ~・・眠っ」
しかし、常に寝不足という欠点がある。が、そんな欠点をオカルト研究部の部室にて仮眠したらいいだけの話なので、パイプイスに座り、長机に身体を預け、腕を枕代わりにして、眠りにつく。
「・・・すぅ」
「『直斗ぉ~っ!あれ?寝てるの~?つまんなーい!起きてよぉ!』」
だが、眠りのジャマが入るのもいつものパターン。レイがオレの肩を掴み、ゆさゆさと揺さぶっていたのだ。幽霊に触れられたせいで、ゾッと寒気がして眠気なんて一瞬で消え去るのでなんだかんだで助かっている。
「『おはよ!直斗!』」
「・・・おう、レイ」
無邪気に笑うレイ。今日も元気だな、死人だけど・・・ま、いいか。
「まだ時間があるから、喋ろうぜ」
「『わぁい!』」
レイは両手を広げ大はしゃぎ。ったく、唯といい、レイといい・・・何故、オレの身の回りに精神が幼児くらいの女が多いのだろう?ヤツらの反応はいちいち面白いから別にいいが・・・
「そういえば、あの世とこの世の世界を繋げる能力はいつ目覚めたのか?」
「『えっ?え~と、直斗がこの部に来た日から、何故か出来るという感覚が芽生えて・・・で、やってみたら出来たの』」
レイの能力についての話題になったのだが、オレと出会ったキッカケでそんな面白い能力を身につけるなんて・・・しかし、レイにとっては、自分が逝くべき場所を目の前にしているがどうやってでも通れない悲しみがあるのだろう。
「初めて見た時はビックリしたが・・・しかし、悪霊とかは来ないのか?ほら、この世の通路が開くし・・・」
「『あ~、その心配はいらないよ。閻魔大王だか何だかっていう人が悪霊といい幽霊の魂と分けてくれているらしいから、何があろうと悪霊は通らないよ』」
え、閻魔大王だと!?実在するのか?ってか、何故それを知っているのだろうか?
「『でへへ~、何故か分かんないけど、閻魔大王みたいな人が居て、悪霊を取り締めているという事が分かるんだよね~。なんとなく感じるけど、これだけは確かなの。心配しないでね』」
レイ・・・お前、よく分からねぇヤツだな。しかし、レイよ・・・お前、面白っ。
「あと、お前がオレに憑依した時に、変な能力がついたのキッカケも、オレとの出会いでか?」
「『うん、そうなの。でも、他の人や動物に憑依した事あるけど、冷気は操れないんだ。何でだろ?』」
「さすがにオレも分からねぇよ・・」
オレの霊感もしくは血に何か関係があるかもしれない。が、そんな事は、ハッキリ言ってどうでもいいと思っている。オレの先祖が昔有名な霊能力者だったとしても、関係無い。この人生がとても楽しすぎるという理由で、オレは自由に生きている。
ふと時計を見ると、そろそろ生徒が教室に集まりだす頃合いになったので、オレは立ちあがり、オカルト研究部の部室を後にしたのであった。もちろん、レイはしばらく留守番だがな・・・
ーーーーーーーーーー
教室。
オレは、自分のクラスの教室へと入り、教室にはポツリポツリと生徒が居るので、軽く挨拶を交え、席へと座る。
「あら、おはよう神谷くん。今日も早いわね」
オレの隣の席に座っていたこのクラスの学級委員である篠崎楓が挨拶を交わした。
この人は、かなりの美人で学年・・・いや、学校一の美少女と称されているらしく、告白してきた男子の数は星の数程らしい。
肩甲骨を大きく覆う程のボリュームのあるツヤツヤしていてキレイな黒髪に、その髪型に似合う顔の作りで、スタイルはバツグンで、胸もバンと強調するぐらいある。まるで皆のアイドル的存在だ。オレは篠崎楓に惚れていないが、男が見れば必ず振り向くであろう美貌と妖艶さを持ち合わせているのだ。この篠崎楓とは、中学時代から知り合いの関係で、たまに勉強面や部活の話を話すぐらい。ただのクラスメイトだ。
「まぁな。健康的な面でもいいし、気分も乗るからな」
「ふふふ、そうよね。あ、そうだ、友達に聞いたんだけど、昨日、神谷くんが旧校舎付近にある花壇に水をあげたって・・・本当なの?」
情報が早いな篠崎楓よ・・・しかし、何故女子は噂話とか、情報が回るのが早いのだろう?長年の謎だが、別に解けなくてもいいけどな。
「ああ、本当だが・・・何かマズかったか?」
「へ?いやいやいやっ、気にしないでっ!」
篠崎楓は両手を慌てるようにブンブンと振り、頬に朱を浮かばせる。
「ただ・・何で水やりしていたのかな?なんて思ってて・・それで・・・」
「ただの気まぐれで花壇に水をあげたんだ」
オレは幽霊の頼みだからとは言わず、適当な理由を言い述べる。ここで幽霊の話なんぞしても、皆に電波野郎と言われるかもしれない。
クラス・・いや、学校にいる生徒及び教師には霊感があるという人はいないし、幽霊いない説を信じ切っているから、適当に話を合わせるしかない。
「それと、運動部にスケットとして自主的に参加する時も・・・ただの気まぐれ?」
「それもあるが、たまに身体を動かしたい気分があるし、気分転換で参加しているんだ」
運動部のスケットとして生徒に頼まれる事があるが、幽霊の依頼にて運動部のスケットとして参加する時もあるのだ。
その幽霊の依頼内容は主にオレの身体に憑依してもう一度だけあの部活をやりたいという依頼なのだ。しかし、オレは憑依されても精神を操られないから、幽霊の自由には動けない。
だが、楽しんでいるという気分は共有していて、なんだかんだで幽霊の機嫌は最高潮になり、依頼して良かったと安堵していたのだ。
「そうなんだ」
「おう」
会話終了。しかし、何故オレの事を聞きたがるのだろうか?別に嫌ではないが、特にこれといって問題が起こる筈もない。
「あ、あの、オカルト研究部はまだ一人だけなの?」
篠崎楓はオドオドとした態度でオレに更に質問。今度はオレの部活動か・・・一時間目の授業が始まるまでまだ時間があるからいいがな。
「ああ、そうだが?」
部活は一人でも活動出来る。ただ、部員がゼロだった場合は、廃部になるが、気にする事は何も無い筈。去年のオカルト研究部の部員は全員三年生で、その三年生は今年に卒業して、部員人数は一旦ゼロになったらしいが、オレが入部した事によって、廃部は免れたという事になった。
「一人で楽しい?寂しくない?」
コイツ・・オレが孤独を楽しく感じると勘違いしているらしいな。オレは一人じゃないし、レイがいるし・・・しかし、幽霊がいるなんて事は口が裂けても言えない気がする。
「そうだな・・・でも、オカルト研究部はすげぇ面白いからな。ハッキリ言って、あの面白さを一人占めにしたいと思っている」
オレは目をランランと輝かせ、満面の笑みを浮かべてしまった。純粋な子供のように。
「!!そ、そうなんだっ!楽しいと感じるなら、仕方ないよね!」
オレの笑みを見た篠崎楓も満面の笑みを浮かべ、相づちを打ってくれるのだが・・何故かフォローされている気がする。
「あっ、そろそろ一時間目の授業が始まっちゃうわ!準備しないと!」
篠崎楓は慌てるように鞄を漁り、勉強道具一式を取り出し、授業の準備を済ませていたのであった。
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放課後。
旧校舎にあるオカルト研究部の部室へと向かい、レイと雑談を交わしつつ、今日は依頼してくる幽霊がいないらしく、少し落ち込むオレ。
何も活動しない日も、たまにあるのだが、やはりどこかに心残りがあるのだ。
ずっと学校に居る訳にもいかないので、帰宅する事にしたオレ。そして勝手についてくるレイ。
「『元気出しなよ~。困っている人が居ない事って、素敵でしょ?直斗ぉ~』」
オレを慰めるようにオレを抱きしめるレイ。コノヤロウ、ゾッと背筋が凍るじゃねぇか。離れろと言いたい所だが、オレは多く人が集まる商店街にいるので声を出す訳にもいかない。独り言を言う男なんて、怖いし、気持ち悪いと思われるだろう。
「・・・ちょっと離れろ・・・」
レイには聞こえるように小声で話かける。
「『ぶぅ~っ!つまんなーい!』」
レイはふくれっ面で反論を交わす。いつものレイのワガママなのだが、オレの妹のワガママに比べてみれば、かなりマシなワガママだ。
そんなワガママを聞き流し、帰宅する為、商店街に向かっていると・・
「・・・む?邪悪な幽霊の気配がする・・・昨日の裏路地の所か?」
幽霊の気配がした。レイは幽霊の気配を感じ取れないのか、首を傾げていた。お前、幽霊なのに、霊感がないのか?いや、幽霊でも霊感がない幽霊がいるのだろうか?どうでもいい話だが、早速裏路地へ向かってみよう。
「・・・」
やはりガランとしているただの駐車場。車は数台しか停まっていなくて、辺りを見渡すと店の裏側が見えるだけという場所。当然、人なんてオレ以外いない。
だが、幽霊は確実にここにいる。昨日、倒したばかりなのに、どういう事だろうか?いや、それよりもだ。
「・・・出てこいよ、悪霊」
オレは面白い体験をしたい。普通の高校生なのだが、裏では悪霊退治する人なんて、なかなかいないだろう。だから、悪霊を呼んだ。
すると、昨日の真っ黒いゴブリンのような悪霊が二匹現れた。コイツらも小物で身長約二十センチぐらいしかない。
「ち、雑魚しかいねぇが・・まぁ、いいか」
舌打ちを打ちつつ、レイはオレの身体に憑依して、戦闘準備万端な状態になった。
しかし、また邪悪な幽霊の気配を感じた。
二匹の悪霊の足下に、黒い影が大きく出来て、そこからズズズ・・・と顔から出てくるもう一匹の悪霊が出てきたが、またもゴブリンのような悪霊だ。
「お?三匹か・・・多いな」
オレは棒立ちで、相手の出方を見るのだが・・・驚く事に、後から出てきたゴブリンに異変が。
身長が三メートル以上はあるではないのか?と疑いたくなる程の大きさで、筋肉隆々のゴブリン。恐らく、ボス的な存在だろうか?
「『グガァァァ!』」
オレを威嚇する為なのか、闘志を剥き出しにして、咆哮する。その闘志にビリビリと全身が麻痺するかのような感覚を覚えてしまう。
「フッ・・・フフフッ」
だが、ヤバそうな敵なのに自然と笑みを浮かんでいた。本当にオレはどうなっているのだろう?ひょっとして、オレは戦闘好きな種族なのか?地球人なのに?だが、それはどうでもいい・・・今、この瞬間を楽しめばいいじゃないか。
「「『キシャーッ!』」」
二匹の小物がオレに向かって、突然飛びかかろうとする。だが、オレは前に戦った同じ戦法で、二匹の小物の顔面を掴みながら
「凍て尽くせ、絶対零度」
敵を凍らせ、そのまま勢いよく地面に叩きつけ、粉砕する。これで小物はやっつけたのだが、これからが本番だ。
「『グガァァァオ!』」
身長三メートル以上はある大物の悪霊との戦いがなーーー。




