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第21話 そしてこれから

オレ自らがジャックフロスト事件を起こし始め、オレ自らがその事件を解決させようという自作自演の調査が始まって、数週間が経った。

オレは、たまにレイと憑依してチビのレイを数千体放出し、そのチビのレイ達を日本全国に飛ばしていて、そのレイ達の活躍は見事だった。

誰からの発見も無く、悪霊を見つけて倒しているという情報もあり、人々の邪魔にならない場所を凍らせているというのだ。そして、テレビでも特番で報じる事が多くなって、世はまたジャックフロストブームの旋風を巻き起こしているのだ。

そんなこんなである日の休日。篠崎楓から呼び出され、オレは唯に見つからないようにそっと我が家から出て、篠崎楓が待っているという近所の公園へと足を運んだオレ。すでに、篠崎楓はベンチに座って俯いている。

オレは篠崎楓の隣に座り、微笑みを浮かべながら篠崎楓の表情を分析。なんだか元気が無いのだ。

「・・・直斗くん、何を考えているの?」

篠崎楓はオレがやっている行動に疑問を抱いているようだ。それはそうだ、自分で事件を起こし、その事件を自分で解決しようとしているのだ。

「フッ。文化祭を盛り上げる為に起こした事件だ。文化祭が終わった後は、ジャックフロスト事件を起こさいさ」

「・・・でも、何で回りくどい事をするの?面白そうだから?」

「ああ、すげぇ面白い」

「薫ちゃんには正体をバラしたくないの?何で?」

「・・・今のところ、バラしたくないと思っている。申し訳ないが、絶対に混乱すると思ってな・・・」

「・・・ふふっ。そうね、私も直斗くんがジャックフロストだと知った時は混乱したよ」

新妻薫に申し訳無いと思うが、秘密にしたい。仲間外れにはしたいとは思わない。だが、オレの秘密を知って傷ついたらどうしよう?と思うと・・・想像出来ない・・・

「・・・犯人役の悪霊を早く見つけないとな」

「・・・うん。あ、でも、その悪霊をどうするの?薫ちゃんの目の前で直斗くんが倒すとか?」

「それは無理だ。悪霊を倒す際、冷気を操らないと倒せない。だから、バレる」

「なら、どうやって?薫ちゃんの納得いく結末にどう運ぶの?」

オレは考える。ジャックフロストを悪霊と仮定して倒すという案はいいと思う。ただ、ソイツを新妻薫の目の前に出し、ソイツがジャックフロストだと新妻薫に分からせ、オレ以外のヤツが悪霊を倒せばいいのではないだろうか・・・それならばオレが冷気を操る事も無く、ジャックフロスト事件は解決したも当然なのだ。

「・・・よし、考えついた。耳を貸せ」

オレは篠崎楓に、ある作戦を耳打ちする。こんなに女子と接近した事は初めてなのだが、かなり照れてしまう。妹の唯とは年がら年中くっついているので照れたりはしないが・・・もしかして慣れたのだろうか?いや、そんな事はどうでもいい。

「・・・!そっか!なるほど!それなら、薫ちゃんにバレずに済むね!」

「ああ。だが、そんなに秘密にしたいとは思わないが・・・誰かの心が傷つくのが嫌だからな」

「ふふっ。直斗は、優しいね。だから・・・私、す、す、すすすす、好きだ・・よ?」

篠崎楓は顔を真っ赤にしてオレに愛の告白をしてくる。オレはそんな篠崎楓の告白が嬉しくて、可愛らしくて、思わず・・・抱きしめてしまった。

「・・・頼むな。楓」

「ぅ、うんっ」

抱きしめるのを止めたオレは篠崎楓の頭を撫で、オレは公園から出て行ったのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日が過ぎ、残暑が続くある日の放課後。

まだまだジャックフロストの事件が起こっている事に興奮気味になるオレ達オカルト研究部は、集団行動で情報収集をする為に、近所の商店街へ向かっていったのだ。

「珍しいですね。集団行動は初めてじゃないですか?一体、何故なんですか?直斗くん」

「ああ、たまには悪くないと思ってな。ただの気まぐれさ」

「クスッ。直斗くんらしいですね」

新妻薫は満面の笑みでオレと雑談している。オレと雑談しているのが楽しいのだろうか?いや、話題が面白いからだろう。オレは自分がモテると自惚れているな。しっかりしないとな・・

それはそうと、レイやドラゴンにも、ある作戦を伝えて、今からその作戦を実行しようとしているのだ。それは・・・おっと、そのある作戦が開始した。

「・・・ん?何か、邪悪な気配がするな」

オレは商店街の裏路地に身体を向け、何か気配すると皆に伝える。

「じゃ、邪悪な気配?う~ん、私には、あまり感じませんが・・・」

新妻薫は気配を感じないと首を傾げて、本当に感じるのかと言いたそうな表情を浮かべていた。よし、好都合だ。

「よし、向かってみよう。皆」

「うんっ」「はいっ」

篠崎楓は新妻薫の手を繋ぎ、先へと急ぐ。ドラゴンは篠崎楓の学生鞄にぬいぐるみとしてぶら下がっているので、ドラゴンもその近くにいた。

「・・・よし、レイ。頼む」

「『うんっ!憑依トランス!』」

レイはオレの身体に憑依した。そのオレも、二人の元へ急いで駆け付けるように近寄り、二人の表情が固まっているのを発見。

場所は第一回ジャックフロスト事件発生の現場である裏路地の駐車場だ。(※第3話参照)車も数台止まっており、周りには家らしき建物の裏側しか見えない場所で、見るところもないのだ。

そこに、この世のものとは思えない存在が佇んでいたのだ。

ソイツは全身真っ黒で鼻が尖っていて、口には無数のキバ。真っ赤な目で睨んでいるゴブリンのような存在・・・つまり、悪霊だ。

その悪霊は小物で、20センチぐらいの身長しか持っていない。

「『キシャーッ!』」

ゴブリンはオレ達の存在を見つけ、小さな口を広げ威嚇。そして、手を広げ、その手を地面に添えると・・・

ピキピキィという音と共に地面一面は凍った。その凍った地面に触れていた車はたちまち凍った・・・ようにオレが見せかけた。

「・・!凍った!アイツがジャックフロストか!」

オレは焦った声で正体を暴くように、悪霊がジャックフロストとハッキリ断定した。新妻薫はふるふると震え、悪霊にしか目にいっていないらしい。

「アグニ!お願い!」

「『ガウ!ご主人様の迷惑になるヤツは許さん!』」

ドラゴンはぬいぐるみから憑依を解き、真の姿を現す。そして、ドラゴンは火を噴き、悪霊を退治した。

退治したのを確認したドラゴンはぬいぐるみに憑依し、篠崎楓の腕に飛び込む。

「偉い偉い」

篠崎楓は腕にいるドラゴンの頭を愛でるように撫でた。

「『ガゥゥ、も、もっと頭を撫でてもいいぞ』」

ドラゴンはだらしない表情を浮かべ、ニヤニヤしていたのだ。

「『す、すごいよ!アグニ!悪霊を倒す事が出来たね!おめでとう!』」

レイはこっそり憑依を解き、ドラゴンを褒めて、なんとか新妻薫にはバレずに済んだのだが・・・

「・・・ははっ。信じられません・・・この目でハッキリ見ましたが・・・悪霊というものも実在するんですね・・・」

腰が抜けて、地面に女の子座りで座ってしまう新妻薫。やりすぎたが、これぐらいしないとジャックフロストが消滅したと思わせる事は不可能だろう。

「立てるか?薫」

オレは新妻薫の手を掴み、新妻薫を立たせ、どこにもケガがない事にほっとするオレ。悪霊はドラゴンに頼み適当な雑魚の悪霊を連れ出してくれと頼んだから悪霊を用意する事は容易い。

「これでジャックフロスト事件は解決したな・・・」

これで作戦は終了した。ジャックフロストを倒して、無事に平和になる・・・それがオレが立てた作戦だったのだが・・・

「・・・本当にそうでしょうか?」

疑問を浮かべる新妻薫。何故?何故そう思うのだろうか?

「あの悪霊が本当にジャックフロストだとしても、もっとたくさん居るかもしれません・・・その可能性は無くは無い筈です」

「・・・なるほど。ようするにジャックフロストは複数犯かもしれないと?」

「・・ええ、少なからずそう思います」

「今回から事件が発生しなかったら、ジャックフロストはあの悪霊に決定になる、だろうな」

「はい、私もそう思います」

「・・・とりあえず、帰るか」

「はいっ!」

オレ達は別れを告げ、それぞれ我が家へと向かうことにしたのであったーーー。

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