表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/50

震える身体

気がついた時には、ソファーに押し倒されていた。

身の危険を感じても、すでに遅い。

予想外の出来事に、必死でもがくがこれまた体格差のせいかびくともしない。

そうこうしているうちに、するりと体に腕が回され抱きしめられる。


「ちょっ!?は、離して!!」


状況の悪化に叫ぶが腕の力は緩まず、うなじに息がかかった。


首筋に鼻先をこすりつけるように押し付けられ、大きく息を吸う音がした。


「ぃいにおい・・・」


ひぃいいいいいいっ


ぞわわわと震えが体に走り、声にならない悲鳴がのどの奥でひゅっと鳴った。

体が硬直する。

ジワリと目に涙が浮かんでくる。


「ど、退いてよ!」

一生懸命相手の腕から体を離そうともがくが、上にのしかかるように覆いかぶさっている相手をどうすることも出来ない。

一刻も早くこの腕の中から出たい想いでもがく。

「変態!離して!!」

声が普段の自分からは想像できないほど震えて悲鳴に近い。

泣きだしそうなのを理性で必死に抑え、もがいていたら違和感に気づく。

「嫌だって、ば・・・ん?」


すぅすぅと首筋にかかる一定のリズムを刻む息。

抱きしめてから、一切動かなくなった腕。

私にのしかかった力を抜いた体。



寝てる?

というより、熟睡してる?

そのことに気付いた時だった。

すごい勢いで扉が開いた。


驚いて出入り口を見るとはぁはぁと息を切らした黒沢先輩が立っていた。

目が合った瞬間、先輩の目が見開かれる。


ま、またこのパターンですか!?





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ