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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
関東旧車會

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23/27

ココロちゃんは無事だった!

 誰かに手を握られていることに最初に気付いた。

 意識が曖昧で自分の態勢がよく分からず、ようやく横に寝かされていることが分った。

 目を開けると白い天井が見え、声を掛けられた。


 「宗ちゃん、良かった!」

 「冴姫……」


 冴姫が俺の手を握りながら泣いていた。

 いろんな冴姫の表情を見て来たが、泣いているのは初めてだ。

 状況が分からずに戸惑っていたのは一瞬で、俺はすぐに何が起きたのかを思い出した。


 「おい、ココロちゃんが!」

 「大丈夫、無事だよ」

 「でも! 何発も銃で撃たれて爆発したんだぞ!」


 ココロちゃんの身体から血が噴き出していたのだ。

 そして目の前で……

 生きているはずは無かった。


 「平気。あの子は「忍び」だから」

 「何言ってんだよ! 俺の目の前で……」


 激しい怒りと興奮で頭が真っ赤になった。

 ココロちゃんは俺を守るために死んだのだ。


 口を塞がれた。

 冴姫の唇で。

 少し顔を離してから俺の耳元で冴姫が優しく言った。


 「本当に大丈夫。後で来るわ」


 信じられない話だったが、冴姫の口づけが俺を一気に冷静にさせていた。


 「本当かよ!」

 「うん。だから安心して」

 「わ、分かった」


 あの爆発はココロちゃんの身体で起きた。

 その前に何発も銃で撃たれていたのを俺は見ている。

 無事であるわけがないのだが。

 しかし冴姫を疑うことは無い自分に驚いている。

 冴姫がまた俺を抱き締めた。


 「宗ちゃん、ごめんね。私が守れなかった」

 「いや、それは……」

 「もう絶対に失敗しない。約束するから」

 「いいよ。ココロちゃんが無事ならばそれでいい」

 「うん……」


 冴姫が身体を離して内線で誰かと話した。

 すぐに医師と看護師が部屋に入って来て俺を診た。

 俺は点滴を入れられ、手足に大きな絆創膏を貼られていた。


 「宗ちゃん、腸に内出血が多少あるけど大丈夫だから。手足は擦りむいた傷。結構酷いけどね」

 「そっか」


 巨大な対物ライフルというもので撃たれたのだ。

 ココロちゃんが着せてくれた防弾の上着が相当に優秀だったのだ。

 一通りの簡単な検査の後で、医師たちは部屋を出て行った。

 その後で本当にココロちゃんが入って来た。


 「宗ちゃん!」

 「ココロちゃん! 本当に!」


 驚くことにココロちゃんには傷一つ無かった。

 銃弾で撃たれ、自爆したと思ったのに。


 「ココロちゃん、なんともないの!」

 「うん、平気なの」

 「だって銃で撃たれて、爆発も……」

 「私「忍び」だから。忍者は不死身なの」

 「おい、そんなこと……」


 でも本当にココロちゃんは何ともない感じだ。

 何発も銃弾を身体に受けたのに。

 どういうことなのか分からない。

 絶対にあり得ないことだが、でも確かにココロちゃんが目の前にいて微笑んでいる。

 冴姫はココロちゃんも俺も見ずに壁の方を向いていた。

 視線を逸らしているようで不思議だった。

 そういえばこの部屋には窓が無かったことに気付いた。

 四方を壁に囲まれている。


 「だって、信じられないよ。傷跡とかないの?」

 「見たいのなの? 宗ちゃんはやっぱりエッチなの」

 「そうじゃねぇよ!」


 やっと冴姫が俺を向いて言った。

 もういつもの冴姫だった。


 「ね、宗三、ココロちゃんは無事でしょ?」

 「あ、ああ。そうだな。良かったよ。俺はてっきり……」

 「宗ちゃんは私を助けようとしてくれたの」

 「いや、あれは……」

 「もう、メッなの! 二度とやっちゃダメなの!」

 「うん、ごめんなさい」


 ココロちゃんが俺に顔を近づけ、頬にキスをした。


 「宗ちゃん、でもありがとうなの」

 「いや、俺は何にも出来なかった」

 「あんな絶望の中で出て来るものは、本当のものなの。やっぱり宗ちゃんは優しくて勇敢なの」

 「そんなことはないよ。ただ必死だっただけだ。だってココロちゃんが……」

 「ありがとうなの。でももうしないで欲しいの」

 

 ココロちゃんが俺を見ていた。


 「危ないことはしたくないよ。俺は臆病だからね。あの時も本当に怖かった」

 「うん、そうに決まっているの」

 「でも目の前で俺のために誰かが死ぬのは嫌だ。俺はそう思ってるよ」

 「宗ちゃん……」


 「ウフフフフフ」


 冴姫が笑っていた。


 「ね、ココロちゃん、宗ちゃんはこんな人だから」

 「うん、そうだね。冴姫ちゃんの言う通りだったの」

 「「資料」には書いてないよね。でも私には分かってた」

 「宗ちゃんはこれまで本当に危険な目には遭って来なかったから「資料」には記述がないの。でもこれで分かったなの」

 「大変だよ、宗ちゃんを守るのは」

 

 ココロちゃんがまた俺の頬にキスをした。


 「私、やるのなの。絶対にやるの」

 「うん、これからも宜しくね」

 「うんなの」

 「それとね」

 「なんなの?」

 「ちょっと宗ちゃんにキスし過ぎ!」

 「アハハハハハハハ!」


 ココロちゃんはもう一度俺にキスをして、冴姫が本気でココロちゃんを俺から離した。

 ココロちゃんも笑っていた。


 「さてと、じゃあ仇討ちに行きますかぁ!」

 「手伝うなの」

 「うん! じゃあ、宗ちゃん、行ってきます」

 「え?」

 「「関東旧車會」は全滅させっから」

 「はい?」

 「一応嫌だけど来栖をここに呼ぶよ。嫌な奴だけど我慢してね?」

 「えーと……」

 「あいつはあたしほどじゃないけど結構強いから大丈夫」

 「いや、あの、冴姫たちは?」

 「あたしたちに任せて」

 「冴姫、あいつら武器を持ってるぞ!」

 「うん、分かってる。大丈夫だから」

 「おい!」





 冴姫とココロちゃんは出て行った。

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