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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
関東旧車會

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22/27

ココロちゃん 爆発!

 「ココロちゃん、これって大丈夫なの?」

 「危ないの!」

 「ゲェッ!」


 この子信用して良いんだろうかぁ!

 暢気にハンバーガーなんて喰おうとしてたけどぉー!


 前方で大きな爆発音がした。


 「なんだ!」

 「道路を破壊されたの」

 「なんだってぇ!」


 どうしてココロちゃんに先の様子が分かるのかは知らんが、ハンバーガー屋に寄っていなければ丁度爆発に巻き込まれたかもしれない。

 見ると1キロ先に黒煙が見える。

 少しすると、対向車線の車両が途絶えた。

 こちらの車線も車が停止し、更に前方から引き返そうとする車で大混乱だ。

 常に込み合う場所なので、後ろもすぐに渋滞した。

 こんな時にクラクションを鳴らすアホウも多い。


 「ちょっとピンチなの」

 「どうした!」

 「あいつらマローダーなんか持ってやがるの」

 「まろ?」


 車が詰まって、俺たちも停まらざるを得なかった。

 もう前から引き返そうとする車でごった返して、バイクといえども動けない。

 慌てているせいだろうが、歩道にまで乗り上げている。

 そして、巨大な車体が他の車を踏み潰しながらやって来た。

 なんだあれぇ!

 鳴っていたクラクションが止む。

 悪夢のような信じられない光景だ。

 まさか渋滞をこうやって回避する奴がいるだなんて……

 迫って来る車はダンプカーほどのサイズがある。

 大きなタイヤでリフトアップしており、それが他の車両をタイヤで潰しながら進んで来る。

 大重量のせいか、自家用車はみんなペチャンコになって行く。

 車に乗っていた人々が慌てて車外に跳び出して行く。

 最初に潰された人たちは間に合わなかっただろう……


 「おい、なんだアレ!」

 「だからマローダーなの。南アフリカのパラマウント社製の装甲車両。ライフル弾や対物ライフルまで跳ね返すしRPGでも破壊出来ない世界最強の車両の一つ。そして……」


 ココロちゃんが説明を始める。


 「そういうことじゃなくってぇー!」

 「降りるの!」


 ココロちゃんがバイクを捨てて逃げると言った。

 もう中野坂上の高層ビルの近くまで来ており、反対車線に走って渡った。

 巨大なマローダーという装甲車は他の車両を乗り越え潰しながら、2トントラックに突っ込んで激しく吹っ飛ばして同じく車線を乗り越えようと向かっている。


 「宗ちゃん、あなたは殺されないの」

 「え、なんで!」

 「人質になるの。冴姫ちゃんをおびき出すためなの」

 「そうなのか!」

 「だから一旦離れるの!」

 「え、おい!」


 ココロちゃんが俺から離れてまた元の車線に戻ってマローダーに向かう。

 瞬間、俺の身体に物凄い衝撃があり、路面に突き飛ばされ何度もバウンドしながら転がった。

 ショックで呼吸が出来ない。

 ココロちゃんが戻って来て軽々と俺は抱えられた。

 身体は小さいが、やはり尋常な人間ではないと悟った。


 「ちょっとだけ違ったの。あいつら宗ちゃんも殺すつもりみたいなの」

 「……」


 ちょっとじゃねぇが、俺はココロちゃんの腕の中で呼吸が出来るまで喋れなかった。


 「さっき着せた上着は高性能の防弾性能があるの」

 「……」

 「ライフルで撃たれても貫通しない。今のは対物ライフルだったけど、大丈夫だったの」

 「!」


 撃たれた腹の辺りが物凄く痛んで来た。

 全然大丈夫じゃないよ!

 貫通はしなかったが、エネルギーはある程度俺の身体に影響している。

 だから呼吸が出来ないのか。

 銃で撃たれた経験など無いのでよく分からないが。

 マローダーがまた迫って来る。

 ココロちゃんは小柄なのに物凄く力持ちだった。

 俺を抱えたまま物凄い速さで走っている。

 痛みが増して苦痛に顔を歪ませていると、ココロちゃんが走りながら俺に注射器を挿した。

 すぐに痛みが退いて呼吸が出来るようになった。

 喋れる。


 「今のは痛み止め?」

 「「ジェットコースター」、シャブとヘロインの混合物なの」

 「……」


 おい、それって大丈夫なやつなのか?

 でもあれほどの痛みが綺麗さっぱり消えた。

 覚せい剤のせいなのか、頭も明晰になった気がする。

 スーパーの脇の細い路地に入った。

 マローダーがまた車線を乗り越えて迫って来るのが見えた。

 先ほどまでは車を乗り越えていたので遅かったが、路面に着けば幾らココロちゃんが速くともすぐに追いつかれるのは明らかだった。

 

 「おい」

 「なんなの!」

 「俺を置いて逃げろ」

 「!」


 ココロちゃんが走りながら俺を驚いて見る。


 「俺が狙われているんだろう。ならココロちゃんは俺を置いて逃げろ」

 「何を言っているか分からないの!」

 「君まで死ぬことはない」

 「あなたを守ることは絶対なの! みんなそのために頑張って来たの!」

 「でも! もう逃げ切れない!」


 「おい」


 ココロちゃんの声が変わった。

 さっきまでののんびりとした口調でもない。

 ドスの効いた低い声音だった。

 

 「お前、俺を舐めてんじゃねぇ」

 「え、あの……」


 ココロちゃんが俺を脇のビルに押し込んでマローダーに向かって行った。

 背中から小さな楯のようなものを取り出して前に掲げて突っ込んで行く。

 さっきバイクの背で感じていた硬いものだろうか。

 マローダーのサイドウインドウからライフルの銃口が飛び出してココロちゃんを狙って撃って来る。

 連射だ。

 楯で銃弾は跳ね返しているようだけど、上のハッチから長いライフルがココロちゃんを撃った。

 多分さっき俺が撃たれた対物ライフルというもので、体重の軽いココロちゃんも吹っ飛ぶ。

 路面に転がって動かなくなった。

 楯も脇に転がっている。


 「ココロちゃん!」


 ココロちゃんの身体に何発も銃弾が撃ち込まれ、血を噴いて行く。

 俺は助け出そうとビルを飛び出した。


 「ダメなの! 来ないで!」


 ココロちゃんの叫ぶ声が聞こえた。

 まだ生きている!

 俺はココロちゃんを助けようと駆け出した。


 でもその時マローダーがココロちゃんの上に伸し掛かって俺に迫って来た。

 巨大なタイヤのために車体の下に入ったココロちゃんの身体は潰されない。

 瞬間、巨大な爆発が起きて俺は爆風を受けてまた路面を転がった。

 視界の隅でマローダーが千切れ飛ぶ光景が見えた気がした。




 意識を喪った。

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