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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
Boy Meets Gal : 双方ともとんでもないというお話

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地下駐車場 0.1秒バトル

 朝食の後、俺は冴姫の買い物に誘われた。


 「なんだ、服でも買うのか?」


 女性の買い物なんて、そんなことしか思い浮かばない。

 まあ、異性経験の少ない俺は買い物に付き合ったこともないが。

 単なるアニメの知識だ。


 「ううん、服は結構持ってるの」

 「じゃあ下着?」

 「それはおめぇに付き合わせねぇよ!」


 冴姫に性欲を抑えろと喚かれた。

 思いついたことを口にするのは控えようと思った。


 「今日は食器とか見たいの!」

 「食器?」

 「だって、ここはあんまし揃ってないじゃん。折角宗ちゃんのお料理って美味しいんだから、もっといい食器で食べたいな」

 「ああ、そういうこと」


 確かにうちの食器は安いものばかりだ。

 

 「伊勢丹、行こ?」

 「ああ、分かったよ」


 冴姫と出掛けるのは楽しそうだ。

 一緒に駐車場まで行く。

 車高が高いゴツイ車が停まってた。


 「おい!」

 「なによー!」

 「昨日と車が違うぞ!」

 「だって、結構荷物になるだろうからさ」

 「アストンマーチンはどうした!」

 「仕舞ったよ?」

 「!」

 「これはジープのラングラー。アンリミテッドモデルね」

 「……」


 もうどうでもいい。

 昨日聞いた「超次元格納」の能力か。

 車まで入ってんのかよ!

 まあ、ずっと後でもっとモンノスゴイことを知るのだが。


 冴姫はカッコいいサングラスを掛ける。

 俺は持っていないので何も無い。

 冴姫が呆けて見惚れている俺に気付いて言った。

 

 「宗ちゃんのグラサンも買おう!」

 「え、いいよ」

 「私の奢りだよ?」

 「いいって」

 「だーめ!」


 冴姫が笑って車を発進させた。


 伊勢丹の地下駐車場にジープのラングラーを入れ、エレベーターで上に上がった。

 真っ先にブルガリに行き、サングラスを探した。

 冴姫が幾つか見繕い、俺はその中からフォックス型のものを選んだ。


 「うん、宗ちゃんは顔がカッコイイから、こういうシンプルなのがいいね!」

 「いや、でも高いよ」

 「大丈夫だって! 私に任せて!」

 「悪いな」

 「いいって!」


 17歳の女の子にこんな高いものを買わせるのは気が退けたが、まあ、お金は沢山持っているのだろう。

 いつかお返ししたいとは思うが。

 その後で食器売り場へ行き、冴姫がまた次々と選んだ。

 俺はてっきり自分の気に入った茶碗とか皿を買う程度だとばかり思っていた。

 呆気に取られている間に、ガンガン増えた。

 店員が総出で対応に走り回る。

 ウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲン、ノリタケなどの他に、ミントン、ロイヤル・ウースターなどの超高級食器、クリストフルやラギオール・アン・オブラックなどのカトラリーなどをガンガン選んで店員に頼んで行った。

 支払いはクレジットカードだったが、多分限度額がとんでもない。

 全部は見ていないが、数十万円のものが値段も確認せずに買われていた。

 凄まじい買い物の仕方に、俺はただ茫然と眺めていた。

 店員が超真剣な顔で対応していた。

 包装されたものを、二人でどんどん地下に運ぶ。

 まあ、冴姫がカードのサインなどをしているので、主に俺の役目だったが。

 食器はとんでもなく重かった。

 一度に持ちきれないので何度も往復し積み込んでいった。


 俺が何度目かにジープに積み込んでいると、後ろから声を掛けられた。


 「随分な買い物だな?」

 「はい?」


 振り返ると見るからにイカつい男たち三人だった。

 一人が俺に近付いて来る。

 首にトライバルのタトゥーが見える。

 腕の太さが半端じゃない。

 他の二人も逞しい体つきだった。


 「財布出せ」

 「え!」


 その瞬間、男たちが吹っ飛んだ。

 俺が何かを言う間も無かった。

 突風が吹いたようで、俺は一瞬目を閉じた。

 ゴキゴキと何かがぶつかる音がした。

 瞬きの間もなく、ほんの一瞬だった。

 目を開くとあの三人組がおらず、周囲を探した。

 あ、駐車場の壁にぶち当たり、手足がヘンな方向に曲がってる。

 三人とも……

 一体何が起きたのか全然分からない。

 一人は俺の目の前に来て、他の二人はちょっと離れていたはずだ。

 それが三人一遍に壁の前に倒れている。


 いつのまにか冴姫が俺の前に立っていた。


 「やだやだ、ゴキブリってどこでもいるよねー」

 「はい?」

 「こういうさ、金持を探して見張ってる連中ってどこにでもいっから」

 「そうなの?」

 「ほら、早く売り場に戻って。まだまだ荷物があるよ」

 「う、うん。でも、この人たちは?」

 「ゴ・キ・ブ・リ! 気にしなくていいよ」

 「う、うん……」


 怖かった。

 ゴキブリたちの口から赤いものが流れて来ている。

 全然動かないけど、生きているんだろうか?

 そしてすぐにスーツを着た人たちが来て冴姫に話し掛けている。


 「宗三、早く行って」

 「うん!」


 俺がまた売り場から買い物を運んで戻ると、もうゴキブリは無くなっていた。

 深く考えないようにしよう……


 「あ、もうお昼だ!」

 「そうだな」

 「折角だからさ、鰻食べてこ!」

 「鰻?」

 

 「ゴー!」


 冴姫が俺の腕を組んで、7階のレストラン街に上がった。

 迷わずに鰻の店に行く。

 メニューを見ることなく、冴姫が特上と白焼きを頼んだ。

 俺も鰻なんて久しぶりだ。

 

 「あ!」

 「なーに、宗ちゃん?」

 「冴姫は17歳って言ったよな!」

 「うん、そーだよ」

 「車の免許ってどうなってんだ!」

 「あー、大丈夫だから」

 「無免許なのか!」

 「違うよ! 内閣調査室の特別な身分証があるの。それで大型も転がせるんだよ」

 「え?」

 「日本にある車両は全部。それにF16とかの戦闘機もチョッパーも戦車も操縦出来るんだから」

 「すっげぇな!」

 「ね!」


 言うしかねぇ。

 あまりにも特別な子なのだ。

 俺の常識は通用しないのだろう。

 チョッパーってナニ?


 「宗ちゃんも普通免許あるよね?」

 「うん」

 「ミッションだよね?」

 「よく知ってるな。でもペーパーだよ」

 「ふーん、じゃあ練習しないとね」

 「いいよ」

 「ダメだよ。万一の場合、自分で運転して逃げてもらうから」

 「万一……」

 「ね!」

 「お、おう」


 鰻は美味かった。





 その晩、ニュースを注意して探したが、ゴキブリの関連は無かった。

 なんかコワイ……

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