表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

はなれゆくともしび

作者: やまやま
掲載日:2025/09/30

男性も女性も、経験したことあるのでは、を詰め込んでみました!愛は素晴らしいです、ぜひとも、過去を思い出しながら、読んでみてください。

 最後の夜は、静けさの中に重い空気を纏っていた。透はソファで、美咲が淹れた珈琲を啜っていたが、その手は落ち着きなく、スマホの画面を何度もオン・オフしていた。隣にいる美咲の存在が、彼にとって唯一の安息だった。


 「ねぇ、美咲。今度の週末、本当に友達と旅行に行くの?」


 透が訊く。声のトーンは努めて穏やかだったが、その裏に隠された不安を美咲は知っていた。


 「ええ、少し前から決めてたでしょ。たまにはリフレッシュしたいのよ」


 美咲が答えると、透はすぐに身を乗り出した。


 「でもさ、俺、今月大きな企画が終わったばっかりで、来週まで何もなくて。週末、美咲がいないと、俺、何して過ごせばいいか分からないよ。ね、キャンセルできない?二人で家でゆっくりしようよ」


 美咲は、その言葉に、胸の奥で鋭い痛みを覚えた。昔は可愛かった甘えが、いつの間にか彼女の自由を奪う鎖に変わっていた。


 透は優秀なグラフィックデザイナーだったが、その精神的な脆さは、美咲との関係が深まるにつれて増していった。最初、「疲れたから抱きしめて」と甘える頻度は週に一度だった。それが、今は毎日になり、美咲が少しでも視界から消えると、「どこ?」「すぐ帰ってきて」というメッセージが立て続けに届く。


 彼女がデザインの勉強で夜遅くまで残った日。彼女が友人と会うために外出した日。透は決まって不機嫌になり、美咲が帰宅すると、何も言わずに無言の甘えと責めをぶつけてきた。


 美咲は透の隣で、この3年間を頭の中で巻き戻す。

 彼はいつも言った。「美咲がそばにいてくれるから、俺は頑張れる」。その安心感が、彼の精神的な過激な依存を育ててしまった。彼の生活、感情、そして行動のすべてが、美咲の存在を軸に回るようになっていた。


 「透」美咲は静かに言った。「ねぇ、あなたは、私がいない間、本当に何をしているの?」


 「何って…仕事したり、映画見たり。でも、集中できないんだ。美咲がいないと、俺、なんだか自分じゃないみたいで…」


 それが、美咲を最も苦しめる言葉だった。彼のアイデンティティまでが、美咲に依存している。


 美咲が週末に家を空けることを告げると、透は決まってこういった。


 「俺一人じゃ、ご飯もろくに作れないよ」

 「部屋が汚くなっても、掃除する気になれない」

 「連絡が取れないと、美咲に何かあったんじゃないかって、仕事中も気が気じゃない」


 美咲の心は叫んでいた。透は、もうすぐ30歳になる大人の男性だ。一人で食事を作り、家を管理し、自分の人生を生きることができるはずなのに。


 「透。」美咲は言葉を選びながら、しかし、強い意志をもって続けた。


 「私はデザイナーとしてもっと挑戦したい。でも、あなたが私の時間とエネルギーの全てを求めて、私は前に進めない。このまま行けば、私は私自身を見失ってしまうの。あなたも、このまま私に甘え続けたら、自分の足で立てない人になる」


 愛するがゆえの決断


 透の顔色が変わった。

 「やってしまった」

 透はすぐに否定にまわる。

 否定しなければ大切な人が離れてしまうから。


 「違うよ、美咲。俺はただ、君が好きだから…」

 「私も好きよ。でも、この愛は、もう健全じゃない」美咲は透の手を握り、真剣な眼差しを向けた。「あなたは、私がそばにいることに依存している。そして、私は、あなたが依存する安心感を与えることに依存しているの」


 彼女は、静かに自分の荷物をまとめた小さなスーツケースを見た。


 「私は離れるわ。そうしないと、あなたは、一生自分の強さを見つけられない。そして私も、あなたがいない孤独な時間の中で、もう一度私の人生を取り戻さなきゃいけない。あなたが、私なしで生きるという、試練に立ち向かえるように。私がいない間、何をしてるのかと心配するなんて、もう嫌なの」


 透は、その夜、初めて自分の依存心という名の醜い怪物の正体を見た。美咲は、彼の成長のために、そして自分自身の解放のために、最も辛い別れを選んだのだ。


 夜明け前、美咲は透の頬に優しくキスをした。その瞬間、透の目から涙が溢れた。


 「…美咲。ごめん。そして、ありがとう」


 愛する女性を失うという、この計り知れない痛みだけが、彼を孤独な荒野に放り出し、彼自身の足で立たせる、唯一の方法だった。扉が閉まる音は、彼の甘えの終わりと、自立への静かなスタートを告げる、哀しい合図だった。

どうでしたか?僕はねぇ、依存体質なのもあって、こんな感じですね、うん、、なんか、自分を見てるみたいです。


そんなこんなですが、主人公はね、その日の最後まで、駄々をこねたんですよ、君がいなくなったら、僕はどうすれば良いのさ、生きていけない、死んでしまうと、まあ、最後の最後、主人公は受け入れるんですけどね、だからこその、最後のKISSですよ


ちなみに、若い頃に、黒歴史としてこんなことしてたわぁ、、って人多いんじゃないですか?

いない?いるよね??手をあげろぉぉぉ!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ