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Material World Online  作者: カヨイキラ
2.Sword & Sword
35/39

Dari'hates 4

 静かな、冷たい町。活気のない、人影すら見えないこの町を簡潔に表現するなら、そう表現するしかなかった。

 ダリヘイツの街並。戦争中だからか、NPC達も家に引きこもっているのだろう。外を出歩いているのは、イコールで敵兵か、味方か、ということになる。僕も、ダリヘイツの人達から見れば国を壊す悪い騎士、なんだろうか。


 「アクア、そういえばさっきの帝国騎士団の外套、どうしたの?」 

「ああ、あれ? 帝国に入るために、ルディオに向かってた帝国騎士団を不意打ちしたんだよ。それで、追いはぎ?」 

 弓って便利だねー、と軽やかに笑ってみせるアクア。不意打ちでも間違ってはいないが、正確には狙撃をしたのだろう。なんにせよ、こっち側としては助かる話だった。


 「私も気になることが。アクアさんはどうして帝国城に潜入したんですか? いくら城が空いているといっても危険だと思いますが」

 「だから空き巣だって。欲しい物があったんだ」

 「欲しい物、ですか?」

 「うん。『継承の剣』──ダリヘイツ王であることを証明する装飾剣だね。実戦向きじゃない礼剣だから、まさか戦争中には持っていかないでしょーって思って」

 ぴたり、と僕は足を止める。

 「ダリヘイツ王であることを証明する、剣? 待って、アクア、それを、もしかして?」

 「うん? 持ってきちゃったけど」

 背中のバックパックから、一本の見事な剣を引き抜くアクア。

 リースが唖然としたようにそれを見つめている。内心僕も唖然としていた。

 「それ、どこにあったの?」

 「星屑王の私室からしかいけない秘密部屋の隠し宝物庫の中?」

 ますます本物にしか見えなくなってきた。まず、装飾の優美さから名剣であることが窺えるのだ。それに、凄まじく高価そうな宝石でダリヘイツの紋章が鞘に刻まれている。

 「なんでアクアはそれが欲しかったの?」 

 「これがあれば戦争終わらせられるかなって。なんか質問多いよっ、ユウ? もしかして、ルディオは帝国を叩き潰そうとしてた? 私手組まないほうがいいのかなっ?」

 「あ、いやいやいや! そんなことなくて! ただ、なんていうか僕達の目的とぴったりはまってたからさ」

 そう、それほどのある意味最強の武器があれば、戦争の終結など簡単だ。正式な場で、実質現ダリヘイツ国王の権利を握っているアクアとルディオの代表である僕が和平でも不可侵でも条約を結んでしまえばいい。あと、星屑王を追放さえしてしまえば──

 「さすが盗賊……やり口が賢いですね」

 「盗賊じゃないってば! レンジャーなの!」

 「やってることは盗賊だよね。まぁ、アクアはその剣、絶対なくさないように」

 「さすがに私でも落としたり投げたりしないって。それより早く、ルディオに戻らないと。星屑王は力量こそ特殊騎士団長には劣るけど、彼自身変な剣技使うっていうからね」

 「変な剣技、ユウさんの親戚かなにかでしょうか」

 「リース、僕の剣技、変って言ってるよねそれ……」

 流星の剣技は、あれから色々とあってその出自が判明している。僕は猫屋敷の家族を守るために騎士を志願する以前は、学士(この世界では魔術を研究する役職名)を目指していた。これはキャラクターメイキング時の質問の、学力云々が影響したようで、その結果が、未知の魔術属性を持つ剣技、流星の剣技というわけだ。

 

 長い街道を駆ける。光一の道案内とは変わって、アクアの道案内は結構適当だ。民家の屋根を飛びまわったり、裏路地をくねくねと疾走したり、隠密行動に向いた立ち回りになっている。

 「そろそろ南門だけど、どうしよう。戦闘音が聞こえるっ」

 「戦闘ってことは、どっちかは僕達の味方だから、加勢したほうが──」

 「いえ、ここは一度別れて行動しましょう。アクアさんは継承の剣を持っていますし、武器も遠距離向けですから、私とユウさんが加勢に向かいますので、遠くに陣取って遠距離から射撃を」

 「おっけー! それじゃ、健闘を祈るよっ」

 アクアは身を翻すと、民家の屋根を伝って目にも留まらない速度で疾走していく。

 

 僕はリースを降ろし、援護魔法をかけてもらうと、前後衛も考えて全速で走る。こうすれば、戦闘合流時にはちょうどいいくらいに僕とリースの距離が離れている。

 鞘からルァエティを抜く。リースの援護魔法を受け、霧でできた刀身が神々しい光を帯びる。

 外套を翻し、大通りへと出る。ここから一直線に行けば、南門だが……

 「戦闘音、よくあそこで聞こえたなぁ、アクア」

 門の下あたりで、二人の剣士が剣を交えていた。一人は漆黒の外套に黒い甲冑の赤い髪の男性、もう一人は深緑色の外套に和装の黒髪和風美人。間違いない、帝国特殊騎士団団長と、特務騎士団団長である、なずなだ。

 帝国騎士団長のかたわらには、一人の魔術師風の少女が倒れていた。死亡こそしていないように見えるが、戦闘不能だろうか。

 僕はそれを見てさらに速度を上げて走るが、途中で、二つの疑念が頭を過ぎる。


 一つ、僕が助太刀できるレベルなのか、と。


 「ルディオ特務騎士団五位、"流星"のユウ!」


 二つ、あの赤い髪の男性に、見覚えはないか、と。


 「ユウ!? ちっ、《風華》ッ!」

 ごう、と彼女の二本の刀が自在に振るわれ、旋風を巻き起こす。それは戦闘のブレイクポイントとなり、ダメージこそ与えていないが騎士となずなが距離を取り、新たな闖入者も含め膠着状態を作り出した。

 「……こんな形で会うことになるとは、な」

 「何?」

 なずなが眉をひそめる。あの赤い髪の騎士がどういう意図でその台詞を言っているのか、分からなかったのだろう。

 「久しぶりだね(、、、、、、)、ユウ。随分立派になったものだ。俺の顔は、覚えているかな?」

 忘れるはずが、なかった。

 僕が始めて見たオーヴィエルでのキャラクターこそ、彼なのだから。傍に倒れている魔術師風の少女、緑の髪の彼女も、思えばミトンにも、僕は見覚えがあったのだ。

 

 あの日。僕が叔父の家で見たMWOのプレイ風景。

 赤い髪の剣士と、赤、緑の髪の魔術師。竜と対峙している彼、彼女らの姿を、僕は一日たりとも、忘れたことはなかった。


 「叔父さん……?」

 「……は?」

 なずなは目が点になっている。それもそうだろう、見ず知らずの二人が、血縁関係を持つRPをするなんて普通ではありえないことだ。

 僕のフレンドリストに、『カディシュ 関係:叔父』という文字が光る。叔父が関係を承認した証だ。

 叔父──いや、カディシュが僕達には見えないシステムメッセージを目で追っている。僕のキャラクターのRP情報を見ているのだろう。

 「兄さん、いや、君の父さんがルディオに君を捨てたときから、こうして会うことは決まっていたのかもしれないね」

 彼の表情は、どこか現実の叔父を彷彿とさせる優しさがあった。しかし、勿論その顔は全く違う。ユウの叔父であることから、年はどんなに若くても20代後半なのだろうが、それでも若い。煌く赤い宝石のような瞳、獰猛そうな口元、そして何より特徴的なのが、左目に走る古傷。

 「叔父さんは、どうして帝国の騎士をっ!」

 「この子のため、かな」

 カディシュは街道の煉瓦に倒れ伏す少女に目をやる。

 緑の髪の、魔族種。黒い外套の下には、薄緑色のワンピース。

 「この子のためにも、俺はルディオに勝たなくちゃいけない」

 カディシュは巨大な両手剣を構え、僕達に再び深紅の闘志を向ける。なずなも両の手の刀を構える。

 「理由が、理由があるんですよね。話してくれませんか」

 「人質、さ。この子の両親は今捕らえられ、呪術で拘束されている。星屑王が一言呪文を唱えるだけで、その命が刈り取られる」

 苦々しく呟くその姿に、僕はどこか共感を覚えた。確かに叔父は絶大な力を持っているだろう、でも、それを国家の戦争などに振るうような人ではない。絶対に。

 

 「──では私達がその方を助けます。あなたは手を出さないでください」


 と、後ろから走ってきたリースが言った。

 「呪術ならなずなさんが解除すればそれで済みます」

 「ま、確かにそうだけど……アンタはそれでいいのか? 帝国騎士団長さんよ」

 「……頼めるか」

 「よし、じゃあ貸し一つな。強いヤツは俺も大好きだから、いいぜ」 

 にやり、と笑うなずなは、どこかカディシュに対してフレンドリーだった。本当にただの戦闘狂なフシがある。

 「それと、俺にも騎士としての誇りがある。むざむざ敵を逃がしたとあっては、沽券に関わる」

 再び、両手剣を構える。

 なずなはやれやれ、と溜息つくと、刀を納め、リースを抱えて跳躍。民家の屋根へと飛び移った。

 「ほら、どうせこうするつもりだろ?」

 「ありがとう。……君の力が見たかったからね」

 カディシュが剣を向ける先には、僕。

 なるほど、なずなが引いたのはそのためか。と納得して、ルァエティを構える。

 「なずな、僕にかかってる援護魔法全部解いて」

 「オーケー。《テスタメント》」

 ぱちん、と指を鳴らすと、僕にかかっていた援護魔法のエフェクト全てが弾き飛んだ。神族種の種族スキルで、継続している魔術効果を打ち消す効果を持つ。

 「アクア! ありがとう、もういいよ」

 「んっ」

 たんっ、と遥か遠くの民家の屋根を蹴り、なずな達がいる屋根へと飛び移る。相変わらず、常人離れした跳躍力だ。

 

 「それじゃあ、始めようか」

 「はい!」


 両者剣を構え、5m程の位置で向き合う。

 風が流れる。まるで、外部の音全てを遮断するかのように。

 

 「《リベレイション》!」

 「《アクティベーション》!」


 クイックスキルのエフェクトが二人を包み、互いの剣が交差する。

 ──重い。両手剣の重量だけでなく、とてつもない技量だ。

 それに、相手のクイックスキルの効果が未だに未知数だ。赤いオーラを発していることから、攻撃系であるのは分かるのだが……。

 「ふっ」

 呼気と共に背面斬り。sen値で相手の攻撃軌道を読み、左手の盾で受け流しながらの攻撃。しかし、これは回避された。即座に体を反転させ、相手と向き合う姿勢を取る。

 たんっ、と半歩のバックステップ。

 そこからの、突進。

 「はあッ!」

 ルナブレイドを発動させたその一撃は半月状のスラッシュエフェクトとなって、両手剣の腹に命中した。純粋なガードには意味を持たず、HPを削るには至らない。 

 両手剣相手に距離を取るのは、あまりいいとは言えない。僕はさらにインファイトに持ち込むため、ステップを踏んで牽制の蹴りを突き出す。

 「予想以上に、やるね」

 ぶぅん、と横大振りの一撃。咄嗟に身を屈めで回避する。

 「十二の手、《巨人の槌(グレートモール)》!」

 しゃがんで回避したのが失敗だったか、凄まじい勢いで盾からの追撃が入る。

 「っ!?」

 カイトシールドで受ける。が、それでもHPを持っていかれてしまった。

 慌てて前転、相手の懐に潜り込む。

 両手剣での追撃が来るが、それを腕へのシールドバッシュで軌道を変え、強引に回避する。ルァエティが唸り、白い霧光となって強烈な刺突攻撃をカウンターとして入れる。が、

 「《ファイティングオーラ》!」

 「そんなっ!?」

 カディシュが爆光と共にオーラを解き放ち、僕を大きく吹き飛ばした。

 「三の手、《鳥竜種の舞踏会(パーペチュアル)》!」

 突如、風の流れが変わり、カディシュの両手剣を中心として僕にいっせいに流れ込んだ。両手剣系突進スキルだ。

 「《剣界》!」

 「何っ!?」

 がいん! と無数のスラッシュエフェクトに弾かれ、突進スキルが中断される。

 その隙を逃すのは、有り得ない。剣界は切り札の一つで、1ラウンドに1度の制限があるのだ。

 「うああああああっ!」

 跳躍で一気に距離を詰め、バッシュを込めた一撃を袈裟斬りに放つ。カディシュはそれを予測していたかのように両手剣を構え、防御の姿勢を取る。

 しかし、これはフェイント。

 僕はバッシュを解除し、そのまま地面に着地する。

 「《イクシード・フォーム》」

 加速する。着地と同時に、二回のステップで背後を取る。そのまま、大きく流星の一撃を放つ。

 「くあっ!? 流星……なるほど、それが流星の剣技!」

 ギャリンギャリン! とまるで運河の唸りのような斬撃の音が連続して響き渡る。そのほとんどは両手剣に弾かれてしまっているが、それでもカディシュのHPは目に見えて減少していく。

 「速い、が。単調なんじゃないかな。八十三の手、《黄昏の息吹(トワイライト)》」

 流星の一撃がカディシュの肩口を切り裂く。  

しかし、彼の頭上には一行のシステムメッセージが。

 『スーパーアーマー』と。

 彼のHPは確実に減っていたが、しかし、全く仰け反っていない。攻撃の被弾による硬直時間を無視しているのだ。

 その間も、彼のスキルモーションは止まらない。超大振りの両手剣による攻撃が、横薙ぎに僕の体を捉えた。 

 「っ、うぁっ!?」

 咄嗟に盾で防御したものの、イクシード・フォーム中の防御は0で固定される。ヒットレートを落とすことしかできず、僕のHPは数ドットを残すのみとなっていた。

 ラウンドが次のラウンドへと移行し、僕を包んでいたイクシード・フォームの爆光が解ける。

 「剣技の上で胡坐をかいているようじゃ、剣士としてはまだまだ、かな」

 剣技の性能を過信するな……それはいつだったか、なずなにも言われた言葉だ。それがどういった意味か、今まで分かりかねていた。しかし、今なら分かる。その言葉の意味が。

 僕は、流星の剣技を使いこなせていない。

 思考の留め金が外れ、一気に僕の思考が加速(、、)する。

 なぜ使いこなせないのか。速すぎる行動に、自分自身の思考がおいつかないから。ならばその速さを全て攻撃につぎ込む意味などない。ただ闇雲に振るう剣など、これからは通用しない。それなら、どうする──


 「まだ、僕は負けてませんよ」

 「その傷で、まだ続けると?」

 「はい。流星の剣技、見せてあげます」


 叔父は僕の目を見て感じ取ったのか、再びクイックスキルを発動した。

 僕は最初から飛ばすために、どうせイクシード・フォームで上書きされてしまうリベレイションは使わない。

 「《イクシード・フォーム》!」

 星々の瞬きを収束したかのような煌きがエフェクトとして発生する。僕の体が再び加速し、それに追いつけるよう僕自身も全力で思考を制御する。

 「四の手、《スコープの向こう(レティクルサイド)》!」

 正確無比な突き攻撃を加速された体で難なく避けると、僕は超高速でカディシュに接近し、そして、防御を予想されている剣を握っている右手をだらりとぶらさげ、左手で拳を握り、筋力補正とスピードにまかせたアッパーを、ぶち込んだ。

 「せやあああっ!」

 そのまま五倍の速度での蹴り上げを連続して放つ。カディシュの体は大きく空中に持ち上がり、

 「《バッシュ》!」

 「くっ!」

 真上へと攻撃を放つ。それは両手剣のガードに阻まれてしまうが、それでいい。カディシュの体はさらに上空へと弾き飛ばされる。

 その場からの跳躍。迎撃を防ぐために剣界を展開し、相手のガードを壊した上で攻撃。そのまま追撃はせずに、着地する。

 そして、また跳躍。超高速のヒット&アウェイ。さらに空中でカディシュを蹴り飛ばし、反対側の家屋の壁を蹴って跳躍で追い、空中での交差する瞬間に一度斬りつけ、反対側の家屋の壁を蹴って跳躍。

 イクシード・フォームの加速のほとんどを移動につぎ込み、攻撃数ではなくテクニックで攻めていく。

 僕の跳躍の軌跡が流星の流れのように煌く。超高速移動、跳躍による連続空中攻撃に、カディシュの体が地面に着くことはない。まるで、宇宙に放り出された無力な人間のように。

 そして、一際大きな流星が走る。

 カディシュは空中で器用にその流星を叩き落した。が、

 「剣?」 

 超速度で投擲されたナズメタルロングソード。それを打ち落とした後の、決定的な隙。

 「僕の、勝ちです!」

 バッシュ、ルナブレイドの二つのスキルを組み合わせた一撃は、カディシュの持つ振り終わった両手剣に腹に命中した。

 両手剣は大きく弾き飛ばされ、カディシュの手から離れた。


 がらんっ


 街道に転がる両手剣。

 カディシュもそれと同時に着地し、それでも、笑っていた。

 「負けてしまったなぁ。ルディオの優秀な騎士、"流星"にあえなく敗北。特務騎士団員計三名を逃すこととなった──。"神剣"!」

 「ああ?」

 「この子の両親は、城の地下牢獄だ。すまないが、任せたよ」

 「おう、任せとけ。──ったく、何手加減してんだか」

 「バレてたかい」

 くっくっ、と二人して笑うと、なずなは城へと走っていった。

 「アクア、なずな……あの人についてってあげて。城に入るのと、鍵開けたりとかしないといけないと思うから」

 「オッケー。あ、ユウ、それならこれ、渡しとくよ」

 アクアがバックパックから継承の剣を抜き、僕に渡す。

 「ん。それじゃあ、また後で」

 「当然。リースちゃんと仲良くルディオに帰るんだよー」

 「遠足じゃないんだから──」

 言いたいことだけいい終えると、アクアはなずなの元に走る。僕の友達だと説明すれば、彼女も悪い顔はしないだろう。優秀な盗賊、もといレンジャーなのだから。

 「それじゃあ、行こっか。リース?」

 「──《アウェイクン》」

 リースは煉瓦路に膝を下ろし、カディシュの傍らに倒れていた少女に、魔術をかける。

 慈愛神の中位神聖魔術である覚醒魔術だ。戦闘不能の一定時間行動不能ペナルティを解除し、HPをある程度回復させる効果を持つ。

 「……! ルディオの、騎士……!」

 「ルク、この人達は敵じゃない。君の両親を助けてくれる人達だよ」

 そっと、優しく少女の頭をなでるカディシュ。よく分からないがどこか犯罪的に思えてしまった。

 「それじゃあ、叔父さん。僕達はルディオに戻ります」

 「ああ。また会おう。今度は、本気で試合おう」

 「是非」

 僕は剣を納め、リースを抱える。少しだけ抵抗するリースだが、もう慣れたのかすっぽりと僕の腕の中に納まった。

 「その……ありがとう」

 緑の髪の少女が言う。

 「うん、どういたしまして」

 「なっ、なんでユウさんが! アウェイクンかけたの私ですよ!」

 「あ、なんとなく」

 それをどこか微笑ましく見守るように、カディシュは手を振る。

 ルディオを守る騎士に、敬意を表すように。







・Skill information

 

《風華》 Activeskill/戦闘

 コスト:12Soul

 対象:複数体(動作型) 射程:(SL)m

 射程内の任意のユニット全員を対象とする。対象に風属性の魔術攻撃扱いの二刀流、刀二本による攻撃を行う。

 1ラウンド(SL)回。  



《アクティベーション》 Quickskill/戦闘

 コスト:(SL×3)HP

 対象:自身(付与型) 

 ラウンド中、あなたの近接戦闘動作の速度全てを+(SL×8)%する。

 《アクティベーション》はエンチャントスキルであり、1ラウンドに1回しか使用することができない。


  

《アクティベーションⅡ》

 コスト:(SL×30)HP

 対象:自身(付与型)

 ラウンド中、あなたの近接戦闘動作の速度全てを+(80+SL×5)%する。

 《アクティベーション》はエンチャントスキルであり、1ラウンドに1回しか使用することができない。

取得にはアクティベーション10レベル以上が必要。アクティベーションⅡを取得した場合、アクティベーションは使用することができなくなる。



《グレートモール》 Activeskill/戦闘

 コスト:62MP

 対象:単体(動作型) 射程:武器

 対象に両手剣による振り下ろし攻撃を行う。

 この時、対象の全ての防御スキルを無視してダメージを算出し、さらにダメージロールの達成値に+60。

 取得にはウェポンマスタリ:剣が9レベル以上必要。また、このスキルの取得に必要な経験値は9レベル相当のスキルと同等とする。



《パーペチュアル》 Activeskill/戦闘

 コスト:16MP

 対象:単体(動作型) 射程:6m

 対象に両手剣による突進攻撃を行う。攻撃速度に+70%。

 この時、あなたの防御力に+25。

 取得にはウェポンマスタリ:剣が3レベル以上必要。また、このスキルの取得に必要な経験値は3レベル相当のスキルと同等とする。



《ファイティングオーラ》 Quickskill/戦闘

 コスト:100Soul

 対象:複数体 射程:1m

 あなたを中心としてオーラの爆風を放つ。ダメージロールは存在しない。

 このスキルを使用した場合、あなたが効果を受けているクイックスキルが全て解除される。1ラウンド1回。

 取得にはCL:20以上が必要。



《トワイライト》 Activeskill/戦闘

 コスト:320MP,70Soul 準備時間:3sec.

 対象:単体(動作型) 射程:武器

 対象に両手剣による全力の振りかぶり攻撃を行う。このスキルの準備時間中、あなたは[スーパーアーマー]を得る。

 ダメージロールの達成値に+300。

 取得にはウェポンマスタリ:剣が30レベル以上必要。また、このスキルの取得に必要な経験値は30レベル相当のスキルと同等とする。



《レティクルサイド》 Activeskill/戦闘

 コスト:9MP

 対象:単体 射程:武器+1m

 対象に両手剣による突き攻撃を行う。 

 ダメージロールの達成値に+12。

 取得にはウェポンマスタリ:剣が3レベル以上必要。また、このスキルの取得に必要な経験値は3レベル相当のスキルと同等とする。



《アウェイクン》 Horymagic/神聖魔術[慈愛神]

 コスト:250MP 詠唱:13sec.

対象:単体 射程:至近

 対象の受けている[戦闘不能]あるいは[気絶]を解除する。

 その後、対象のHPを(50+Min÷10)の回復値で回復する。

 取得、使用には慈愛神ノイへの信仰が必要。

 取得にはマジックマスタリ:神聖魔術10レベル以上と、Min:250以上が必要。

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