"Exceed"
「《トライ・デルタ》」
手の先から小さな光の球体が現われ、それはやがて拡散して部屋中を覆う。部屋、というのも妙だろうか。ここは洞窟の中、薄暗い空洞の一つ。
天上からは得体のしれない液体が絶えず降り注いでいる。恐らくは森からの水なのだろう。それにしても、とてつもない湿気で、吐き気がするほどだ。
球体が辺りを照らしながらトラップや隠された仕掛けを探し出す。公式コミュニティでは「最も使えない神(笑)」と言われている慈愛神ノイの神聖魔術だ。
「攻撃性能だけを外せば便利なんですけどね」
慈愛神の攻撃魔術は性能がとんでもなく低い。基本的に必要経験値が大量に必要なこのゲームでは、一つのカテゴリを極めるパターンが多いため、神聖魔術使いにしても攻撃魔術がなければ駄目、というのが一般論らしい。
確かに、他のオンラインゲームだと以外とアコライトの攻撃魔術は侮れなかったりするものだ。
光の球体が集まり、彼女を照らす。
竜のそれよりも白い純白の髪、天使しか着ることのできない服に、真っ黒な羽、深紅の瞳。
黒き羽、リース。
「何も見つかりませんか。逃がさない自信でもあるんでしょうか」
あらためて《サンライト》の魔術を唱え、辺りを照らす。夜中だと効果が著しく低下するこの照明魔術は、昼間だと凄まじい光量を発揮することができる。
ハイビームのような光が辺りを照らし、外が今昼間であることを確認する。強烈な光はリースを中心として洞窟の中を照らす。
「ああ──」
なるほど、と納得する。
下には広大な景色が、広がっていた。
リースの立っていたそこは、確かにほら穴のような場所だ。しかし、その出口は断崖絶壁。降りた先には広大な空間が広がっているが、リースのそこはお世辞にも広いとはいいがたい。崖から落ちたら間違いなく落下死する高度で、霧のせいか下は霞んで見えない。
「出られませんね、これは……。仮にユウさんが助けに来てくれたとしても、気づいてもらえない可能性が……」
《ディヴァイン・キャンセラ》の魔術を発動して、一度霧を晴らす。サンライトを展開したままに恐る恐る崖の下を見ると、そこはドームのような形をしていた。
湖の真ん中にある広く、丸い地面。島のようだ。
そこにいたるまでには橋や道などはなく、泳いでいくくらいしか行く方法はなさそうだ。
しかも、リースがもし崖から落ちた場合、落下するのは湖。
状況を確認していると、また霧が集まってきて視界を遮ってしまった。
『少しは静かにしていられないのか』
「っ!?」
目の前に霧が集まってきて、やがてそれは竜の形を取る。
知性ある存在、竜。それは当然のように人語を理解し、話すことができる。
『厄介な娘だ。風の精霊に、慈愛神。精霊を持たぬ我に、信仰心のない我。魔術を盗むことができぬ──』
「私をどうしようというのです?」
『お前はそこで朽ちるがいい。死ぬまで暇を持て余して、な』
「いいんですか? 私を助けに、仲間が来ますよ」
『食事の手間が省けていい』
それだけ言うと竜は再び霧と同化し、消えてしまった。
「後悔、させてあげます」
静かに、洞窟の中に響き渡った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「凄い湿度……。ここがアインの寝床?」
「ううん、棲み家ではあると思うけど、寝床じゃないはずだよ」
辺りを覆う霧のせいで、周りがよく見えない。洞窟を降りて進み、広大な空間に出たというのはわかるものの、いまいち景色がよく分からない。
「地底湖か。ほれ、ここから先が湖になってるらしいの」
「こんな所で戦闘すんのか? 足場、かなり狭いぜ」
「湖の真ん中まで移動できれば、島みたいになってるからそこで戦いたいね。泳ぐ?」
フェイルが平気な顔でそんなことを言ってのける。
「あー。オレやお前はそれでいいけど、ユウとオッサンは装備が重いだろ」
「待ってハル、汎用スキルタブの《水中行動》。これじゃダメかな?」
一斉にスキルウィンドウを開く一同。
ハルはなるほど、と頷く。
「お前らこれ──」
皆がスキルウィンドウをいじっていると、目前で白い霧が一つの塊になっていく。
『相談しているところ、悪いが。我は腹が減ってしまった──』
「純白竜、アイン!」
スキルウィンドウを開いたままに、剣を引き抜く。
「リースをどこにやった!?」
『リース? ああ、あの堕天使か……。殺してはいないから安心するといい』
おや? と首をかしげ、ユウに顔を近づけるアイン。
『お前は前に我が剣技を喰らった剣士だな? あの剣技は美味だった。今度はどんな技を食わしてくれるか、楽しみだ』
ゴォオオオオオン! と大きく吼えると、アインは辺りの霧を収束させて実体を取る。湖の風景が晴れ、フェイルのいっていた島が見える。
「まずい、湖に飛べ!」
ハルの掛け声で、一斉に湖に飛び込む。僕はスキルウィンドウから水中行動を取得し、一気にレベルを上げようとした。
(154150/154480!? 1レベル取得しか──っ)
その瞬間、僕の体は湖に吸い込まれるようにして飛沫を上げた。
アインが水流のブレスを吐いたようで、あたりに水しぶきとなった雨が降り注ぐ。直撃していたら大ダメージは免れなかっただろう。
慌てて剣をしまって、あやふやな泳法で島を目指す。
「はっ。うあっ、ハル!」
後ろを振り返る。
マッコイがフェイルを背中に乗せ、割と凄まじい速度で泳いでいた。なるほど、ハルバードを背中のフェイルに持たせたらしい。機転が利いている。
そしてハルは、
「てめぇの相手はこのオレだ」
『たった一人で我に挑む、と? いいだろう』
アインは両翼を大きく広げ、ハルへと打ち付けた。
「くっ! 重いな」
両腕を交差させてガードするハル。
それでも巨大な両翼から繰り出される一撃に、軽装のハルのHPゲージががくん、と減少する。
「だが、隙だらけだ!」
図体の大きな竜の一撃を受け止め、相手が体勢を立て直す前にインファイトへと持ち込む。
「《イグニッション》! 全力で行くぜっ」
アインの首元に飛び、そこから更にアインを足場にして背後を取るようにジャンプ。
「《龍風演舞》ッ!」
新緑のライトエフェクトがハルの回し蹴りと共に繰り出される。
が、
『無駄だ! 我にそのような攻撃、効くと思うか!』
ハルの蹴りはまるで霧に攻撃したかのように透過した。
「チッ。聞いてたけど厄介だな──。物理攻撃無効か」
アインの頭上には、純白竜アインというネーム表示、さらにハルが攻撃した瞬間、赤いメッセージで『物理攻撃無効』と表示されていた。
『お前の相手など、するまでもないな』
フフン、と大きく鼻で笑うと、アインはハルには完璧に背を向け、湖を泳いでいる僕達のほうを向いた。
「ハゲ! 早く泳いでよ! もう、──《ボルテック》!」
パチン、とフェイルが指を鳴らすと、轟音と共に雷の矢が空中を疾走し、アインに直撃した。
アインの頭上にダメージが表示される。確かに、魔術なら効くようだ。
『魔族種の今年の娘、か。折角だ。まずは娘から──』
「待てよ!」
イグニッションの効果でオーラのようなエフェクトをまとったハルが、アインを呼び止めた。
「てめぇの相手はオレだ、っつってんだろ!」
ハルはその両手からグローブを外す。
そしてそれを投げ捨てると、初めて見る拳を構えるファイティングポーズを取った。
その両拳には、見ると淡く光るタトゥーのようなものが刻まれていた。足技主体のハル、そういえば、今まで手を使った戦闘は見たことがなかった。
「わ、概念武器だ──ハル様! やっちゃって!」
フェイルが声援を飛ばし、雷の魔術をアインへと浴びせる。
「オレの『力』、見せてやるよ」
突如、その声に呼応したかのようにハルの両拳のタトゥーが強烈な光を帯びる。
『小ざかしい!』
アインは大きく後ろへはばたくと、テールアタックでハルを攻撃する。
「ハッ!」
ハルはなんなくそれを回避すると、アインの腹にもぐりこんでラッシュを決める。
ガガガガガ! っとイグニッションで攻撃速度が強化された軽快な打撃音が響き渡る。
本来なら赤で表示されるはずのダメージが、なぜかハルの攻撃では青色で表示されている。
『くぅっ! ──粉々にしてやろう、《アクエリアス・フィール》!』
アインが魔術を完成させ、ハルに向けて放つ。
湖から水で形成された幾千本もの槍が、ハルに殺到する!
「悪い、ユウ。オレはここまで──」
「《フルディフェンス》!」
僕がクイックスキルを発動させると、突如水の槍が方向を変えて全て僕に襲い掛かってきた。
僕は湖に大きく潜り、それをやり過ごす。
「っ! サンキュー! おら、お前の魔力、枯らしてやるよ!」
アインの元まで疾走し、全力で顔を殴りつける。アインの頭上にはやはり青いダメージ表示が発生している。恐らく、アインのMPにダメージを与えているのだろう。
『今度こそ死ね! 《アクエリアス・フィール》』
「させるか! 《ディプレッシャー》ァ!」
ひゅんひゅん、と風の収束する豪快なライトエフェクトと共に、ハルの右腕に風が集まり、そのままの勢いでアインの顎を捕らえた。
224!
アインの周りに集まってきていた水の槍が落下していく。
必殺の一撃を受け、アインのMPが足りなくなったのだ。
しかし、HP代償のスキルだったようで、ハルのHPは既に半分を切っていた。
『魔術だけだと思うな!』
アインがハルにその大きな顎で噛み付く。
慌てて回避を試みるも、その長い足に噛み付かれ、なす術もなくハルが投げられ、壁に激突する。
「ぐあっ!?」
「ハル様!? まだくるよ! 《ボルテージ》!」
ズバァン! と、魔術で造られた落雷がアインを貫く。ハルに追撃を試みた突進攻撃は失敗し、なんとかハルが体勢を立て直す。ハルのHPは既にレッド表示になっていて、あと一撃でも攻撃を受けたりしたら[戦闘不能]どころか、あのHP残量だと死亡しかねない。
『《アクエリアス・フィール》!』
「なんだとっ!? こいつ、MP回復速度が並じゃねえ!」
再び水の槍が発生する。再びハルが必殺の一撃を放つにも、HPが足りない。その上、フルディフェンスも1ラウンドに1度の制限があるスキルなので、防ぐ手段がない。
『死ねぇッ!』
水の槍がハルを襲う。
あのHPで、あの数の攻撃を受けたら──
バシャッ
水の弾ける音が、響く。
そこにはHPが全損したハルが……
否。
辺り一面を、黒い羽が覆っていた。
「魔術自体のレベルは低いようですね。《フェザードロップ》は、射程:視界なんですよ?」
聞き慣れた声。
黒き羽、リースが魔術を食い止めていた。
「ユウ! 行けッ!」
「うん!」
ハルが猛然とラッシュをかけ、アインのMPを絶え間なく削る。
僕はリースのいる崖を目指し、全力で泳ぐ。
『させるものか!』
アインは高水圧のブレスを吐く!
凄まじい速度で、しかも水中。避けられる道理はないが──
「ぐうっ!」
水中から飛び出したマッコイがそのブレスを背中で受け、大きく水に沈む。フェイルは既に島に到着したようで、島の上から魔術を放っている。
「マッコイさん!」
さすがにタフな獣人種、一撃で[戦闘不能]にはなっていないようでひとまず安心する。
「だいっ、丈夫じゃ! お主はさっさと行けい!」
猛然と高水圧のブレスが投げかけられるが、それをマッコイがかばい、フェイルが魔術で打ち落としていく。
「う、おおおおおおお!」
たどたどしいクロールで、全力で泳ぐ。
策なんてないけれど、それでも絶対に。
リースの場所まで、辿り着く!
僕は水中から大きく飛び出すと、崖に剣を突き立てる!
ガイン! と大きな手ごたえが伝わってきて、崖に突き刺さる。
そして、何が伏線になるか分からないものだ。
工房、カカーリオで借り受けたままの剣、それをベルトから引き抜き、もう片手で崖に突き刺す。
「ユウさん!」
「大丈夫、絶対にそこまで、辿り着く!」
『愚かな! 断崖絶壁が、人間に上れるハズもなかろう!』
マッコイがかばえない位置にいったことで、連続で吐き出されるブレスがユウを襲う。
「《ボルテック》! 《ボルテック》! ダメ、間に合わないって!」
フェイルの迎撃も追いつかず、高水圧のブレスに晒される。
直撃したブレスはユウのHPを七割も奪う。
しかしそれでも、両手の剣だけは離さずに。
ゆらゆらと不安定な体勢で揺れ、崖に足をかけ、さらに剣を突き立てて進む。
「《バシネス》! 《バシネス》! ユウさん、無茶を、しないでください!」
僕の体を慈愛の光が包み込み、傷が癒えていく。
「大丈夫、まだ、まだいける! っつ、うあ!」
「《バシネス》!」
もう、目の前まで来ている。
ガリッ!
愛剣のナズメタルロングソードがようやく、地面に突き刺さる。
僕は全身全霊をこめて、崖から這い上がる。
しかし、背後にはブレスが迫っていて──
「させません」
《プロテクション》の光で覆われた漆黒の翼が、それを阻んだ。
「ユウさん、奥へ!」
「う、うん。リース、この部屋で水晶みたいなの、見なかった!?」
剣を持ったままに、部屋の奥へと逃げ込む。ブレスを避けるために。
「水晶、ですか。それなら──《サンライト》」
神の後光と言い換えても問題のない光量で、部屋が明るく照らし出される。
部屋の最奥部に、地面から生えたクォーツのように、目当てのものがあった。
「あった! これだよ!」
「その水晶が、どうかしたんですか?」
「この水晶に、僕の記憶が入ってるんだ」
それはとても巨大で、考えるまでもなく持ち運べるものではなかったが、なぜだか分かった。
僕がその水晶に近づくと、それは白く濁り、鼓動するかのように蠢いた。
「それが、ユウさんの記憶……やっと取り戻せるんですね」
「うん。ようやく──」
僕は水晶に手を当てる。
突如、脳裏にフラッシュバックするかのように、情報が叩き込まれる。
ユウの記憶。
迷いの森探索班として派遣された仲間、"熱病癖"イザリオと"追求"の雅人。僕とその二人の合わせて三人で、この任務に臨んだこと。
そして迷いの森で遭難し、三日三晩の間歩き続けたこと。
やがて食料なども尽き、まさに命運尽きたその時。
純白竜、アインと遭遇した。
三人は必死で戦ったが、最初から結末は見えていた。
アインに対して敗れた三人、僕の剣技と雅人の魔術は盗まれ、そしてイザリオと雅人はその傷の深さで、死亡した。
ユウは剣技を盗み、驚いていたアインから隙を見て逃走した。
しかしやがて体力も底を尽き、記憶も徐々に消えていく。
迷いの森から出たあたりで、倒れ。
そして、今のユウが始った。
『-流星の剣-クエストを完了しました! Exp+100000』
システムメッセージに叩き起こされるように、意識が戻る。
次々とシステムメッセージが流れていく。
『《イクシード》スキルを取得しました。
《イクシード・フォーム》スキルを取得しました。
Characterを獲得しました。"流星"。
スタートクエスト・クライマックス。
自動的に経験点が使用され、レベルが上昇します。ステータスを割り振ってください。
レベルが8になりました!
レベルが9になりました!
更に、一時的に全てのステータスが増加します。
流星の剣技で、仲間を救ってください』
考えている時間もないので、Str,Dex,Agiの三つに割り振る。凄まじい勢いでステータスが上昇していくこのゲームのレベルアップは楽しみな時間だが、それでも、今は時間を割いている余裕はない。
「リース!」
「はっ、はい!」
「記憶が、戻ったよ。アインを倒しにいこう」
「はい、でも、どうやって降りれば──」
「大丈夫、手を貸して」
リースの手を握り、ナズメタルロングソードは鞘にしまう。カカーリオで借り受けた予備の剣を右手に握り、左手にはリースの手。
リースが驚いたようにしているが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。僕はそのまま、崖から飛び降りた。
「え、えええっ!? ユウさんっ!?」
「大丈、夫!」
ガリリリリ!
剣を崖に突き立てながら落下する。
長い下降時間、見ると湖の中央の島に全員が集まって戦っていた。
「ユウさん、《エアダッシュ》!」
「ありがとう! いくよっ!」
崖を思い切り蹴り飛ばし、大きく跳躍。
中央の島に、降り立つ。リースの翼もあって、それはまるで堕天使が地上に降り立ったように──
「ルディオ特務騎士団第五位、"流星"のユウ! 純白の魔竜アインを、討伐する」
シャキン、と鞘から剣を引き抜く。
崖を降りるときに使った剣はもう、ぼろぼろになってしまった。
「ユウ! 記憶、戻ったのか!」
HPゲージが残っているのが不思議なくらいのHPで、ハルが駆け寄ってくる。リースがハルに回復の魔術をかけ、下がらせる。
『ふ、前回我に敗北を喫した者が、また挑むか』
「今回はベストコンディションだ。負ける道理がないよ」
「坊主! まだアインはほとんどダメージを受けておらん! いけるか!?」
フェイルの壁となるように立っていたマッコイ。体中が傷だらけで、見るだけで痛々しい。
「もうかなりの魔術を浴びせてるけど、それでも回復しちゃう!」
フェイルも、かなり消耗しているようで肩で息をしている。度重なる魔術の行使に、MPが底を尽きかけているのだろう。
「いくよ、アイン」
『せいぜい楽しませてもらおう、小僧』
ラウンドが新しく開始される。
強烈な殺意がぴりぴりと伝わってくる。
負けるわけには、いかない。後ろの仲間達を護るためにも、エルフの集落を護るためにも、そして……騎士の誇りにかけて。
「《イクシード・フォーム》!!」
爆音が響き渡り、僕の体を光の粒子が包みこむ。
イクシード・フォームはクイックスキル。リベレイションやフルディフェンスとは組み合わせることができない。
そしてその効果は──
『なんっ、だと!?』
宇宙を体現するかのような吸い込まれるような黒い闇の中に、一閃の流星閃く、黒と白の強烈なライトエフェクトと共に、剣戟が放たれる。
「うああああああああッ!」
鋭い風を切る音が連続して響き渡り、防御の姿勢を取らせることもないほどのスピードで連撃を叩き込む。
イクシード・フォーム、その効果は加速。
大量のソウル、HP、一時的な防御、魔法防御力0を代償に、効果時間である1ラウンドの間、全ての行動速度を5倍にまで跳ね上げるスキルだ。
未知の属性の魔術ダメージを表すライトエフェクトを伴う超連続攻撃。
その攻撃に、アインのHPゲージが目に見えて減少していく。
ラウンドのカウントが終了する間際、
「受けろッ! 流星の剣!」
《バッシュ》を付与した全力の三連撃を放つ。
その攻撃は吸い込まれるようにしてアインに命中し、アインのHPゲージを半分にまで追い込んだ。
『ぐっ、くぅ。確かにやる、が。所詮はそこまで。もう流星の剣技を使う余裕もないのではないか?』
アインがブレスを吐く準備をする。
確かに、ソウル値にはもう余裕がない。しかし、
「これで、お終いだよ」
右半身に剣を構える。
全員が静かに見守る中、アインのブレスが吐き出され──
「《イクシード》ッ!」
きらり、と一筋の流星が流れる。
超高速移動後の一撃、イクシード・フォームとは対極に位置する、単発のアクティヴスキル。
巨大なスラッシュエフェクトがアインを切り裂き、ユウは既にアインの背後にいる。
「任務、完了」
シャキッ、鞘に剣を収めると同時に、アインのHPゲージが破壊され、霧となって霧散した。
「ユウさん──!」
「うわっ!」
感極まったようにユウに飛びつくリース。
抱きつきながら《バシネス》を連打して、イクシード・フォームで失われたHPを回復させていく。
「いやー、いいモン見た! かっこよかったぜユウ! 自分のメインクエストの時のこと思い出しちまったぜ」
くっくっ、といい笑顔で勝利を称えるハル。
「流石は第五位、といったところじゃのう。ワシもまだまだ精進せねば」
「マッコイさんがいたからこそ、皆生きて勝利することができたんですよ」
「やめろこそばゆい! ワシは坊主が言うほど役に立っておらんよ。防御に徹するならやはりユリシアを連れてくるべきだったしのう」
がっはっは! と大げさに笑ってみせるマッコイ。暑苦しいが、今回の戦闘の縁の下の力持ちといったところか。
「待って、多分まだアインは、死んでないよ」
フェイルが湖を見つめながら、言った。
「あ、やっぱ? 今の盛り上がり具合だと終わってもよかったかなって思ったけど、やっぱそーだよなー」
ハルが再び拳を握る。
「え、あれ、どういうこと?」
「アインを倒した経験値が入っていない、ってことだ」
それを聞くや否や、全員が戦闘体勢に入った。
見ると、湖の水が水位を少しずつ落としていっていくのが分かる。
『そこの吸血鬼は意外と鋭いようだな。さすがに概念武器を持つだけはある、か』
再びアインの声が響き渡る。
霧が徐々に集まっていき、竜の形を取る。
「嘘……」
リースがアインを見上げる。
HPゲージは、全快していた。
『さぁ、もう一度はじめようじゃないか』
「言われなくてもっ、《イクシード》!」
ナズメタルロングソードが唸りをあげ、アインに襲いかかる。大きくアインの体を切り裂き、HPゲージを大きく奪う、が。
イクシード、イクシード・フォームは二つあわせて1ラウンドに1回の使用制限がある上に、要求ソウルがとんでもない値に設定されている。これ以上の追撃はできない。
「え、じゃああとは私の魔術だけで削りきらなくちゃなの!? 《ボルテージ》!」
アインに魔術の落雷が降り注ぎ、着実にダメージを蓄積される。
『甘い!』
アインが咆哮を放つと、雷はかき消されたように霧散した。
『中々楽しめたが、少々飽きた。終わりにしようではないか。──《マテリアルドライヴ:アクア》』
地底湖が鳴動する。
辺り一帯の水がまるで竜のように荒々しく動き、凄まじい勢いで上から、避ける隙間などなく降り注ぐ。
「駄目、止められません!」
最早フェザードロップで止められるレベルの魔術ではなかったらしく、リースが慌てる。
「くそっ、ここまで来てこれか!?」
「フェイルがアインを倒せば、それでいいなら。《フル、ディフェンス》!」
宣言と同時にクイックスキルが発動する。
水で作られた竜は一直線にユウだけに向かい、炸裂する。
「馬鹿野郎ッ!」
「坊主! 一人で格好つけるものではないぞ!」
高位の水属性魔術、その威力が単体に収束されたものを──
横から入った、マッコイが全てを受けた。
「マッコイさん!?」
巨大な水竜の一撃を受け、凄まじい勢いでその巨体が吹き飛ばされる。
「坊主! あとは、任せたッ!」
マッコイのHPゲージが全損し、ぐったりと倒れる。[戦闘不能]。リースは堕天使なので、生死判定を有利にするためのスキルを持っていない。後は、彼がどれだけダメージを抑えられたかにかかっていた。
「くぅっ、これでどう!? 《ライトニング》ッ!!」
フェイルが長い詠唱の末に上位の魔術を発動させる。が、それを横からリースが遮った。
「それ、貰います」
堕天使の杖にフェイルが発動させた魔術を宿らせる。
「──《ハリケーン》」
途端、堕天使の杖を暴風と雷のエネルギーが混ざったように、エフェクトを発生させた。リースの頭上にメッセージが表示される。
『synthetic magic!』
「これで《ストーム》──まだ続けますよ」
アインが白兵攻撃を仕掛けてきているさなか、リースは魔術を組み合わせ、合成魔術を作成していた。
アインのテールアタックを左手のカイトシールドで受け止める。
「《ブレスウェポン》……いきますよ、ユウさん。《ストームブレッシング》!」
突如、ユウの剣に強風と雷のエフェクトが追加された。
「凄い、攻撃魔術を無理やりエンチャントした……」
「ユウさん、これで魔術攻撃になります! 効果時間はやっぱり1ラウンドなので、一気にせめてください!」
「分かった、ありがとう!」
紫電を帯びた剣でアインを突き刺す。
『グアアアッ!』
「ユウ! あれやるぜ!」
腹に突き刺した剣に、ハルの鋭い蹴りが刺さる!
「《獅子連弾》!」
さらに体を反転させて、追撃といわんばかりに両の拳で殴りつける。
「あらよっ、《ディプレッシャー》!」
剣の柄を抉り出すようにして殴りつけた一撃は強烈なMPダメージを発生させ、突き刺さったユウの剣を抜き取った。
「ハル、パス!」
「おらっ!」
エンチャントの施されたままの剣を投げ、それをユウがキャッチする。
『馬鹿め、隙だらけだ!』
アインの猛烈な突進が迫る、が。
「《剣界》!」
剣戟の嵐が発生し、見えない剣がアインを切り裂いた。
その嵐に乗じて、フェイルの魔術が炸裂する。
『くぅ、く、この!』
でたらめにブレスを吐くアイン。
しかしその威力は侮れるわけではない。一度直撃したら今のHPでは下手をすれば戦闘不能だ。
「皆さん、下がってください。《ウィンドバリア》」
風の結界が展開され、ブレスを弾き飛ばした。勿論、完全に威力を殺しきれたわけではないので、全員に多少のダメージが発生してしまっているが。
『虫ケラ共め……! 我を煩わせるな!』
アインは再び大きく口を開けてブレスを吐こうとする。
「なんども同じ手は、使わせないよ!」
言うと、ユウはロングソードを、全力で投擲した。
それは風のエフェクトと雷のエフェクトで軌跡を描き、一直線にアインの喉元に突き刺さった。
『ガアッ!?』
危機を感じたアインは、大きく羽ばたいてユウ達から距離を取った。
そうしていても、フェイルからの魔術による射撃は続く。アインのHPは徐々に徐々にと、削られていった。
『何故、何故傷が癒えぬ!』
アインは湖に飛び込む。
そして再び空中に戻っても、HPゲージが回復していることはなかった。
「何故か、教えてさしあげましょうか?」
洞窟の入り口のほうから、凛と声が鳴る。
「あなたは以前言いましたね。私の魔術ではあなたを倒すことはできない、と。しかし今はどうですか? このザマでしょう」
そこには、水色の髪の女性、メリオル。
そう、これはそもそも一つの物語ではない。
主人公が何人いたところで、不思議ではないのだ。
「あなたが好き勝手吸収した湖の水は、私が全て毒水に変えておきました。猛毒の《ブラッディレイン》、鱗を軟質化させる《アシッドレイン》、治癒力を低下させる《ナイトメアドリンク》──私の魔術はいかがです? 純白竜アイン!」
鬼気迫る声でアインに問いかけるメリオル。
やり方は汚いが、確かにもう一人の主人公だ。
『おのれ……おのれおのれおのれおのれ! 貴様! 我の体を、汚したな!? その罪、万死に値するぞ!』
「あなたは今まで幾度にわたって私達集落の民を殺してきた! その罪こそ、万死では済みませんよ!」
「メリオルぅ! ナイスだよ!」
『小賢しいッ! まずは貴様からだ、エルフ! 《マテリアルドライヴ:アクア》!』
アインが上位魔術を行使し、メリオルを狙う。
しかしそれでも、もう一人の主人公は動じず──
片方の手で水竜を受け止めた。
「《ラビリンスウォーター》」
突如、水竜は変形し、その形を失った。
メリオルの頭上に青文字で+406と表示されたところから見ると、魔術を吸収して自らのMPに変換したようだ。
「水の扱いならあなたにも負けない自信があります。──皆さん、今のアインに回復能力はありません! 決めてしまいましょう!」
「言われるまでも、ねぇぜっ!」
ハルは既に飛び出していて、両拳で鋭い打撃を決めていた。
ユウの剣は既にエンチャントを失っていて、アインに対してダメージを与えることはできない。が、
「僕の大切な人をさらい、罪ない人々を苦しめる魔竜、僕はお前を、許さない!」
再びユウの剣に闘志が宿る。
「"流星"の名の下に、お前を、倒す!」
消費された魂が、再び充填されていく。
アインの攻撃をフェイルとメリオルが全て迎撃し、魔術はハルが完全に封殺している。最後に、何故か真っ赤な顔をしているリースを横目に、僕は駆け出した。
「《イクシード》ォ──!」
一筋の閃光が煌き、純白の魔竜に引導を渡した。
『馬鹿、な……ァ! この我が、人間ごときに敗れるとは!?』
その実体が徐々に薄れていき、そして、空気に溶けるようにして、消えていく。
『憎い、憎いぃ──! 貴様らの名、刻み付けて必ず復讐──』
シュワァ、とまるで炭酸のようなあっけなさで、アインは消滅した。
『Exp+25000』
全員のウィンドウに経験値のメッセージが追加された瞬間、ここにいるマッコイ以外の全員が、勝利の歓声をあげた。
◇
「純白竜の首飾りに、霧のオーブ、純白の鱗と霧幻剣ルァエティ。それと、ざっと34万ゴールド分の金貨」
フェイルがにやにやと戦利品を数えている。
エルフの集落、その広場の一角。
今は純白竜アインの脅威が取り除かれたことを祝って、集落では祭りが催されていた。
現集落長であるメリオル、そしてルディオの騎士団。エルフの吟遊詩人などは歌などを作って功績を称えていた。
「当然山分けでしょう。戦闘人数は6人ですから大体一人5万6000ゴールド、残りの4000ゴールドはアイテムを受け取らない方が分けるのが妥当として、アイテムはどうしましょうか」
リースもやはり戦利品をほくほく顔で眺めている。
「ワシはその首飾りが欲しいところじゃな……」
マッコイが首飾りを手にとって眺める。生死判定に成功し、なんとか生還した彼は今、お洒落なデザインの首飾りを手に取ったことでリースとフェイルからぎょっとされていた。
「生死判定達成値+50……これはいい物じゃ」
「あ、そっちね。似合わないけど、欲しいならハゲが貰っちゃっていいんじゃない?」
「助かる。大事に使わせてもらおう」
マッコイが首飾りをつける。
「じゃあオレは鱗を貰おうかな。こんだけあればいいグローブが造れそうだしな」
ハルが鱗と分け前のゴールドを受け取る。
「このオーブはメリオルさん向けですね。後で渡しておいてください」
「うん、そだねぇ。分かったよ」
メリオルは今広場の中心で集落の民に囲まれている。
「この剣は、もちろんユウさんですね。私とフェイルさんは分け前を+2000ゴールドで、いいですね?」
「アイテム売ったら間違いなく2000ゴールド以上いきそうだけどね」
「全くですね」
ふふ、と静かに笑う。
集落の雰囲気はとても幻想的で、普段は足を運ばないような祭り騒ぎに、リースを駆り立てた。
アイテムの分配も済んだことですし、と足取りも軽く杖を持ちながら広場の中心に向かうが、途中で足を止める。
(そういえばユウさんは……?)
さっきからずっと姿が見当たらない。
分け前であるゴールドと剣を手に持って、リースはエルフの集落を歩き回った。
◆
「こんなところにいたんですか」
「ん、リース?」
陽はすっかり沈んでしまったので、普通ならこんな場所にいるのはおかしい。しかし、何故だか安らいだような気分になった。
エルフの集落から少し外れた迷いの森の中。
やや広い水辺になっていて、現実では存在しないような光の球体のような虫が飛び交っている。
水辺には綺麗な満月が映りこみ、木々の隙間から月明かりが漏れる。
「……綺麗ですね」
「うん、凄く、綺麗だ……」
ユウの隣に腰を降ろす。
集落ではすっかり英雄だというのに、こうして一人で景色を眺めているなんとも「はずれている」感が彼らしくて、思わず笑ってしまう。
「僕は、このユウを作る時の質問で、こんな風景の話をしたんだ」
「キャラクターメイキングの質問、ですか」
「うん。夜の森なんだけど、綺麗な光の球がいくつも飛んでるんだ。木の間から月が見える、綺麗な風景、ってね。
もう随分前みたいな気もするし、つい昨日のことのようにも思える」
月を見上げるユウの横顔はまるで何かに感激している子供のように純粋で、思わず見とれてしまう。
「もっと色んな景色が見たいけど、僕の物語は終わっちゃったんだなーって。少し残念かも」
「Material World Online。その底知れなさで、サービス開始から二ヶ月経った今でも、ゲーム業界の話題を独占しているこのゲーム。
ユウさんが終わらせた物語の名前はなんでしたっけ?
スタートクエスト、ではありませんか?」
くすり、と笑う。
これはエンディングなんかじゃなくて、ここから無限に続いていく彼の物語のオープニング。
「……あ」
「やっぱり、どこか抜けてるんですから。私がいないとダメダメですね? ユウさんは」
「ダメダメってことはないと思うけど……。でも、うん。リースとこれからも遊べたら嬉しい、です?」
途中で照れてきたのか、最後が疑問系になってしまう。
「そこまで言うなら、これからも一緒にいてあげます」
ゆっくりと立ち上がる。
背中の白い羽を撫で付けて、広げる。
「あなたの天使の命令ですよ。まずはお祭りに行きましょう」
強引にユウの手を引いて、集落へと駆ける。
オーヴィエルの月はまるでそれを祝福するかのように、照らし出した。
『クエストクリアおめでとうございます。
お楽しみいただけましたでしょうか?
これからも、あなただけの物語をお楽しみください。
それでは、また近い内にお会いしましょう』
あけましておめでとうございます。灰宵です。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
とうとうこのMWO、第一章を書き終えることができました。
これも読んでくださっている皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
これからもユウ達の活躍に期待していただけると幸いです。
それでは、恒例のインフォメーションをどうぞ。
・Skill information
《水中行動》 Passiveskill/汎用
水中での行動時、移動力の低下を(SL×10)点分抑える。
また、装備可能重量ペナルティを-50%に変更する。
呼吸や水泳のアシストがスキルレベルによって上昇する。
《ディプレッシャー》 Activeskill/戦闘
コスト:(SL+4)MP,(SL×5)HP
対象:自身(付与型)
次に行う格闘、拳攻撃のダメージに+(SL×45)。
1ラウンド中に1度しか使用できず、《ディプレッシャー》を使用してからラウンドが終了するまでの間、あなたは格闘、拳の攻撃を行えなくなる。
《ボルテック》 Thundermagic/マジックマスタリ:属性魔術[雷]
コスト:(SL×3)MP 詠唱:2sec.
射程:(SL×2)m 対象:単体
対象にあなたの基本魔術攻撃力を基準とした雷属性の魔術攻撃を行う。
この魔術は回避することができない。
《ボルテージ》 Thundermagic/マジックマスタリ:属性魔術[雷]
コスト:(15+SL)MP 詠唱:8sec.
射程:40m 対象:炸裂位置から半径1mの空間内
対象ににあなたの基本魔術攻撃力を基準とした雷属性の魔術攻撃を行う落雷を発生させる。
ダメージロールの達成値に+(SL×15)。
《ライトニング》 Thundermagic/マジックマスタリ:属性魔術[雷]
コスト:25MP 詠唱:12sec.
射程:20m 対象:単体
対象に雷の矛を投射し、雷属性の魔術攻撃を行う。
ダメージロールの達成値に+50。対象の魔法防御力を無視してダメージを算出する。
取得にはマジックマスタリ:属性魔術[雷]10レベル以上が必要。
《ストーム》 synthetic magic/マジックマスタリ:属性魔術[雷],精霊魔術[風]
コスト:25MP 詠唱:4+12sec.
射程:視界 対象:炸裂位置から半径1m内の空間
対象に雷の暴風で魔術攻撃を行う。
対象の魔法防御力を無視した上で、ダメージを与えた後にハリケーンを発生させる。
ハリケーン,ライトニングを取得している場合のみ取得可能。もしくは、上記の魔術を組み合わせることで発動可能。
《ストームブレッシング》 synthetic magic/マジックマスタリ:属性魔術[雷],精霊魔術[風],神聖魔術(慈愛神)
コスト:25+4MP 詠唱:4+12+2sec.
射程:20m 対象:単体
対象の装備している武器一つの攻撃力を+(SL×45)し、風,雷属性の魔術武器として扱う。1ラウンド持続。
ハリケーン,ライトニング,ブレスウェポンを取得している場合のみ取得可能。もしくは、上記の魔術を組み合わせることで発動可能。
《アクエリアス・フィール》 Watermagic/マジックマスタリ:属性魔術[水]
コスト:(SL×45) 詠唱:7sec.
射程:視界 対象:複数体(限界無)
水の槍を生成し、射出することで攻撃する。全体のダメージを100%として、対象を分割することができるが、割り振った分だけ個々のダメージは減少する。
ダメージロールの達成値に+(SL×35)。
取得にはマジックマスタリ:属性魔術[水]15レベル以上が必要。
《マテリアルドライヴ》 banspell/マジックマスタリ:禁術
コスト:80soul,200MP 詠唱:4sec.
射程:視界 対象:複数体
使用時に属性一つを選択する。ただし、この時選択することができるのはマジックマスタリ:属性魔術のレベルが20以上のレベルに限られる。
対象に選択した属性による魔術攻撃を行う。この魔術攻撃で発生するダメージは対象の防御、あなたの基本魔術攻撃力全てを無視し、固定値で(Int)となる。
《ブラッディレイン》 Watermagic/マジックマスタリ:属性魔術[水]
コスト:4MP 詠唱:1sec.
射程:至近 対象:水(SL×10)ℓ
対象を猛毒の水へと変化させる。
猛毒の水を摂取したユニットは、[猛毒]を受ける。
《アシッドレイン》 Watermagic/マジックマスタリ:属性魔術[水]
コスト:4MP 詠唱:1sec.
射程:至近 対象:水(SL×10)ℓ
対象を軟化毒を含む水へと変化させる。
この効果を受けた水を摂取したユニットは[防御低下]を受ける。
《ナイトメアドリンク》 Watermagic/マジックマスタリ:属性魔術[水]
コスト:4MP 詠唱:1sec.
射程:至近 対象:水(SL×10)ℓ
対象を生命活動を妨げる毒素を含む水へと変化させる。
効果を受けた水を摂取したユニットは自然回復が発生しなくなる。この効果はオーヴィエル時間で三日間持続する。
《ラビリンスウォーター》 Limitedskill,Passive/限定スキル,汎用
対象:自身
あなたが触れた水属性を含む魔術攻撃を消滅させる。
また、この時発生する予定だったダメージロールの達成値と同じ数値分だけ、あなたのMPを回復する。
一部のスタートクエストでのみ取得可能。
《イクシード・フォーム》 Limitedskill,Quick/限定スキル,戦闘
コスト:200Soul,HP50%
対象:自身
1ラウンドの間、あなたの全ての行動速度を+400%。
効果中、あなたの装備している片手剣は星属性の魔術武器として扱うが、ダメージロールの達成値は二分の一になる。また、あなたの防御、魔法防御力を0として扱う。これらの効果は他のどのスキルよりも優先する。
イクシードとあわせて1ラウンドに1度のみ使用可能。
一部のスタートクエストでのみ取得可能。
《イクシード》 Limitedskill,Active/限定スキル,戦闘
コスト:50Soul,HP25%
射程:20m 対象:単体
対象の背後まで瞬間移動した上で、対象に星属性の魔術攻撃扱いの片手剣による攻撃を行う。瞬間移動中は全てのダメージロールを無効とする。
ダメージロールの達成値に+Agi。
イクシード・フォームとあわせて1ラウンドに1度のみ使用可能。
一部のスタートクエストでのみ取得可能。