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そしてその後それぞれから挨拶を賜り、神へ祈りを捧げて食事が始まった。大公様から見て右側に座っているのがこの国の武力を仕る公爵家、ブルク公爵とその御子息と奥様。
ブルク公爵家は代々公国騎士団団長を勤めており、武力で右に出るものは居ないのだとか。ブルク公爵が団長、御子息が近衛騎士団長をしていると言う。
向かって左側は、主に政治を仕る公爵家、ロス公爵とその御令嬢と御子息。ロス公爵は宰相をしており、御子息は外交を行っていると言う。
こちらも世襲制で、外交官の間に子供を2人作り、1人目が16歳になると同時に外交官から宰相へとなるらしい。何故か少しややこしくて、条件も厳しそうだ。
「実は、私の息子のエリックもブレア様と共に御学友へ行く事になっていたのですよ。」
「そうなのですね!知りませんでしたわ。」
嘘。めちゃくちゃ知っている。エリックルートではヒロインちゃんと共に留学をしに来るのだが、外交の影響で中々共に過ごす時間が取れなくなるのだ。
そして挙句の果て、二人はすれ違ってしまうという所からルートはスタートする。ヒロインちゃんと一緒に過ごせないことに限界を感じたエリック様が、ヒロインちゃんと故意的に2人きりになり、これでもかと愛をこめた抱擁をする。
そして「ブレアと共にいられないのなら、外交官なんてやめて、ずっとそばに居る。」そう言って晴れてハッピーエンドを迎える。愛を取ってひたすらお姫様扱いしてくれるエリック様。1部のユーザーからすごく支持されていたのを覚えている。
「直前までエリックも一緒に行くものだと思っていたから、来ないと分かっときは少しショックだったよ。」
「すまないなブレア。私はお前の事ももちろん大切だが、それ以上に外交を愛してるものでね。」
そう言って人当たりの良い笑みを返すエリック様。お互い気を許しあっている仲だということがひしひしと感じ取れて仕方がない。
「ふふふ。お二人はとてもなかがよろしいのですね。」
微笑ましい光景に思わず笑みが溢れる。
「リリアンヌ様がこんなにお綺麗な方だと分かっていたならば、私も外交ではなく、学遊へ行きたかったです。」
そう言って微笑む彼、容姿も相まって王子様以上に王子様に見える。
その後、小さい頃のブレア様のお話を聞きながら、楽しい晩餐会は終わった。
そして両公爵は一足先にダンスホールへ向かい、私達は大公家専用控え室へ向かった。




