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ブレア様は宝飾品達と私を視線を交わしながら眺める。そして少し経ってからよし!と何か思いついたように意気込んだ。
「髪飾りはこのティアラ、そして耳飾りはこれ。首飾りはこれにしよう!」
ブレア様が選んでくれたもの達は、凄く華やかだが、それを凌駕する品のある品々だった。ブレア様はティアラを手に取り、私に屈むように告げる。
「このティアラはね、僕が生まれた時に作られた物なんだ。将来、僕のお嫁さん基、公妃となってくれる人へ送るものなんだ。」
ティアラの役割や出来た経緯を教えてくれる。ブレア様の王冠と対になっているらしく、王冠の方にはまだ宝石が嵌められていないのだという。
「そ、そんな貴重な物、私なんかが身に着けてもいいのでしょうか?」
「リリ、なんかじゃないよ。だからなんだよ。このティアラはね、僕がリリだからこそ、是非つけて貰いたいんだ。」
これを付けて虫除けするんだ。と笑顔で応えてくれる。こんな事言われるなんて、私はブレア様に本当に愛されているのだと改めて確信する。
これで虫除けは仰ってる意味が分からないが。この国って虫が多いのかしら?前世でも蚊や蜂が怖かった思い出があるので、これで虫除けになるなら飛んだ優れものだ。
「そう言って貰えてとても嬉しいですわ。」
「あぁ。じゃあ行こうか、もうすぐで舞踏会の前の晩餐会がある。でも緊張しなくて大丈夫だよ。父上、母上とほんのひと握りの重心家族だけの超小規模なものだから。」
そうなのだ、ドレスに着替えている時に聞かされたのだが、これから公国の大公夫妻、そして重臣達との顔合わせの晩餐会がある。ゲームでそんなイベント無かったような...なんて考えつつ、私達は食堂へ向かった。
「大公子息ブレア・リーゼン様並びにご婚約者のシュタイン王国リリアンヌ・ウェルズリー公爵令嬢様がご到着されました。」
従者の紹介とともに扉が開かれる。そこには私達以外全員揃っていたようで、皆一斉に立ち上がり礼をする。大公様は1番奥の上座でその様子を眺め、上座の右隣に座っている公妃様も微笑んで頷く。
「「我らがリーゼン公国の光、ブレア・リーゼン並びにリーゼン公国未来の星リリアンヌ・ウェルズリー公爵令嬢様にご挨拶申し上げます。」」
と一言もズレずに挨拶をされる。そんなことは初めてで、私は突然の事に少しおどおどしてしまった。ブレア様はそんな事を気にも止めず、にっこりと微笑み
「久しぶりだね。みんな。」
なんて軽く挨拶を返した。私はその軽さに呆気に取られつつも、カーテシーをして挨拶の言葉を紡ぐ。
「お初にお目に掛かります。シュタイン王国ウェルズリー公爵が娘リリアンヌ・ウェルズリーです。よろしくお願い致します。」
頭を上げて軽やかに微笑む。重臣と言っても本当に小規模な晩餐会だったらしく、大公夫妻を覗いて6人しか居なかった。
座ろうか。とブレア様に手を引かれ、私達は代行様の左隣に腰を下ろした。




