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昼食を食べた後は各々、夜の歓迎会へ向けてドレス等の準備の為部屋へ戻った。部屋の中には既にブレア様から送られて来たドレスが準備されており、客室の中央でこれでもかと輝いて鎮座していた。
ブレア様の御髪の色と同じ夜に輝く星々のように綺麗な黄色のドレス。黄色から藍色へ胴体からスカート部分がグラデーションになっており、レースと刺繍は金糸を使われている。
そしてドレスのスカート部分には、これでもかと輝きを放ち、散りばめられた宝石達。藍色のスカートと相まって本当に星が輝いているようだった。
湯浴みから何からされるがまま準備を行っていき、ドレスに袖を通してヘアセット、メイクもして貰った。
「リリアンヌ様、目をお開けください。」
そう言われて目を開けると、鏡の中にこれまで以上に美しくなった美少女が居た。私はあまりの美しさに思わず見とれてしまう。白銀の髪色も相まって、夜の女神のような美しさだった。
本当にリリアンヌちゃんってこんなに可愛いのに、なぜ悪役令嬢なのかしら?ヒロインでも不思議じゃないわ...
なんて考えながら鏡とにらめっこしていた。
「リリアンヌ様、最後の仕上げを致しましょう。」
侍女はそう告げると、たくさんの飾り物を持ってくる。全ての飾りの宝石がブレア様の緑色の瞳と同じエメラルドだ。ブレア様ったら...独占欲が強いのね。
少し呆れつつ、一つ一つ手に取る。どれも豪華すぎて、付けるのが躊躇われる。と悩んでいる時だった。
「リリ。準備出来たかい?」
扉がノックされ、ブレア様の声が聞こえてきた。
「ブレア様!ちょうどいい所に!入って来てください。」
これは私が決めるのではなくてブレア様に選んでもらった方が間違いはないわ。そうした決断に至り、私はブレア様を部屋へ招き入れる。
扉を開けた瞬間、ブレア様は固まってしまった。
「...ん?」
顔の前で手を振ったが、反応は無し。頬を少し突ついて見ても意味は無かった。どうしたらいいのだろうと困り果てた時だった。
「はぁっ!......危なかった。息が止まっていた...リリが綺麗すぎて、息の仕方を忘れるところだったよ。」
そう言って愛おしくて仕方ないとでも言いたげな最上級の笑顔を私に向けるブレア様。その笑顔の可愛さに、貴方の方が可愛いですわよ!と言いたい気持ちを飲み込み、手を引いて部屋の中へ入れた。
「ブレア様、そんな事より今夜着けるアクセサリーを選んでくださいませんか?」
そんな事より...と少し悲しそうなのは敢えて無視して、たくさんの宝飾品を見せる。




