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そして時は過ぎ、テスト当日。テストは前世のように午前のみ、3日間かけて行う。この世界には前世と違って貴族の学校なので、領地運営のための経営学、数学、教養の為の語学、作法学、そしてこの国の歴史を学ぶ史学の五つが基本科目だ。
魔法科はそれに加え魔法学、薬学、騎士科は実技に戦略が加わる。なので普通科は3日間だが、2つの科は4日間、そこにテスト休みも加わり実質一週間となっている。
「リリ。テストが終わって休みの2日間のうちのどちらか、一緒に出かけない?」
「いいですわね!どこへ行きましょうか?」
「実は連れて行きたいところがあるんだ。公国へ一緒に行かないか?」
それって実質親との顔合わせと言う事なのだろうか?2日の休みと週末の休日を利用して、公国の軽い案内をしたいと言われた。
確か、ゲームでもこの時期にルートへ入った攻略対象を連れて公国へ帰るイベントがあった。娘さんを僕にくださいイベントだ。
その時に一日だけ公国の城下町でお忍びデートをするのだが、バレないように変装したヒロインが街のゴロツキに絡まれ、それを助ける攻略対象。と言うさらに仲が深まるイベントもある。
そして帰国する前日の夜、ヒロインのお気に入りの温室で二人きりになり、守れるように強くなる事を誓い、キスするのよね。
すごくキュンキュンしたのを覚えている。あれは本当に良かった。
公国へ行くということ、それ即ち聖地巡礼。ビバ聖地巡礼。もちろん行くに決まっている。
「ぜひ行きたいわ!すごく楽しみ!」
「僕も楽しみだ。」
テスト終わりのプチ旅行。モチベーションがあるおかげでテストを頑張れそうだ。聖地巡礼もそうだが、何より大好きなブレア様とずっと居られる。最高に幸せな時間になるだろう。
「テスト、頑張れそうですわ。」
「本当だね。」
早く当日にならないかしら。
「あ、それとね、父上にお土産をあげたいと思っているんだけど、一緒に選んでくれない?テスト最終日、街へ行こう。」
「もちろんですわ。楽しみ!」
ブレア様自ら足を運んで物を選びたいなんて、なんて親思いなんだろう。そして何気に、初のデートでもある。当日は何を着ていこう。どんな髪型をしよう。と内心ワクワクが止まらなかった。
あ、制服でもいいかも?前世は制服デートなんて出来なかったから、それもありかもしれない。凄い、青春だ。とても楽しい。




