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波乱のあった舞踏会から一夜明け、今日からまた学園が始まる。
「リリ。おはよう。」
「ブレア様。おはようございます。」
教室に入ると、先に来ていたブレア様とユリウス様に話しかけられた。昨日、あの後お二人で何をしていたのか分からないが、すごく深刻な面持ちだ。
「皆さん、おはようございます。本日の朝礼を始めますよ。」
しばらくして朝礼の合図の鐘がなると、担任のマリア先生が入室して来た。号令とともに今日もまた1日が始まった。
「今日は転入生を紹介致します。お入りなさい。」
先生の呼び掛けで入って来たのは、昨日デビュタントを終えたばかりのエリザベス嬢だった。私は昨日の事を思い出し、少し嫌悪を感じた。
「エリザベス・ハートン男爵令嬢です。皆さんと同じ年ですが、ご体調が優れない事により、入学が遅れました。」
「初めまして。エリザベス・ハートンです。これから皆さんよろしくお願いします。えっと、不慣れな事も多いので、沢山教えてくださると幸いです。」
少し緊張した面持ちで、礼をして、笑顔で話す彼女。昨日デビュタントだったのも体調不良のせいだったのね。
彼女はクラスメイトたち一人一人の顔を見て、私と目が合った途端顔をこわばらせた。やはり、昨日の事を思い出し、私が怖いのだろう。
仕方ない。だが、これ以上恐怖心を植え付けないように、あまり近づか無いようにしよう。
「エリザベスさんの案内役をしてくださる方…リリアンヌさんお願いしてもよろしいですか?」
関わらないでおこうと決めた途端、不可抗力で関わることになってしまった。断ればさらに嫌われてしまうだろうし…そう思った私は立ち上がり
「もちろんです。よろしくお願い致しますわ。エリザベス嬢。」
とにこやかに挨拶を返した。が、それが良くなかったのか、彼女はふぇっと気の抜けた声を出し、さらに震えだしてしまった。
だがマリア先生はそれに気付いていない様子で、空いている席に案内し、授業を始めた。
1時間目が終わり、エリザベス嬢の周りには人だかりができていた。療養中の間は何をしていたのか、領地はどのような所なのか。質問をする人で溢れていた。
「リリ。エリザベス嬢と共にいる時は必ず僕も一緒に居るから。安心して。」
「ブレア様…ありがとうございます。そう言って頂けるだけで嬉しいですわ。」
「お昼休みは一緒に食べよう。ユリウスと三人にはなるが。」
ブレア様がそばにいてくれるだけで少し安心する。ユリウス様と三人で食事と言うのが不服らしく、少し拗ねている。
「ブレア様は本当に、可愛いですわね。」




