14.ブレアside
しっかりと風邪を引いた僕は、ベッドで一人横になっていた。心細いなぁ。早くリリが来ないかなぁと考えながらゴロゴロしている。
やっぱり風邪をひくべきではなかった気がする。学園へ言っていれば、日中リリと共に過ごせたのに。お見舞いに来て欲しいと言う欲が出て風邪なんか引くから…
もういいや。少し寝よう。僕は目を閉じた。
ここは…王宮のダンスホール?眩しいくらいにシャンデリアが輝いていて、貴族達に囲まれ、真ん中でダンスを踊っている僕。相手は…リリ?
そうか、秋の舞踏会なのか。並べられているご馳走達は秋に採れるものばかりだ。デザートにはモンブランやスイートポテトなどがある。
その横に、ユリウスと楽しそうに話すリリ。ん?リリ?という事は僕が今、一緒に踊っているのはリリでは無いのか?
不思議に思い、彼女を見ると、この前の夢と同じピンクブロンドに緑色の目をした少女。
君は一体誰なんだ。何故2度も夢に出てくるのか。何故、僕と踊っているのか。
尋ねようとしたところで目が覚めた。
「ブレア様、体調の方は大丈夫でしょうか?」
扉をノックした侍女がドア越しに話しかけてくる。時刻はちょうど学園での最後の授業が終わり、各々帰る頃合だった。
「先程ユリウス様から通達があり、リリ様がお見舞いに登城されるようですので、ご用意のお手伝いをさせていただきます。」
「あぁ。頼んだ。」
リリが来てくれる!優しいリリだから来ることは想定していたが、こう確実なものとなるとまた違う思いが込上げる。
他の侍女達は、リリが来ることで少し忙しそうに動いている。僕は応接間に入り、今か今かと待ち構えていた。
数分後、侍女がリリを連れて部屋を訪れた。おかしいな。たった一日会わないだけで、こんなにも嬉しい気持ちになるものなのか。
今にもだらしなく緩みそうな頬を引き締め、微笑んで迎え入れた。なんとリリから手土産のゼリーまで頂いてしまった!
もしかしたらリリは僕が風邪をひくことが分かっていたのかもしれない。好きな人が僕の身を案じてくれている。このまま死んでも悔いはないかも。
いや、ダメだ。リリと結婚して曾孫の顔を見るまでは死ねない。気をしっかり持て。
それから2人でお茶を楽しんだ。そう、念願の二人きりで。なのに程なくしてユリウスがやってきて、あろう事かリリの隣に腰掛けた。
ユリウスめ…俺の気持ちを知っていながら…リリの隣に座れることを少しだけ恨めしく思った1日だった。




