13.ブレアside
ユリアスも目が覚め、3人で会話をしているとちょうどエレンさんが入って来た。僕たち2人は追い出され、ユリウスと2人顔を見合わせる。
「あれはあいつの癖みたいなものだ。気にするな。」
僕が言いたかったことを察した様子で、ユリウスは溜息を吐く。リーゼン公国に比べたらシュタイン王国は大国だ。この大陸一の国と言っても過言では無い。
その為、エレンさんのような方がいても不思議では無いのだろう。そう自分を思い込ませて、時計を見る。時間は昼休みから大分経っており、もう放課後だった。
「2人とも入って来ていいわよ〜。次はアナタね。」
と再びユリウスとリリを追い出し、僕の診察を始める。
「リリアンヌちゃんを庇おうとして噴水に落ちたんでしょ?」
「あ、あぁ。」
「アンタ、バカね〜こんな筋肉のないつるつるりんな身体で咄嗟に支える事なんて出来ないわよ!」
ば、ばか…何もそこまで言わなくても…だが確かにそうだ。抱えることは出来てもふとした時に力が入り切らない。
もう一度剣術を習い直しながら身体を鍛えるとしよう。エレンさんに言われると、すごく悲しくなる。
「あら、アナタ風邪ひきかけてるわね。チャチャッと治しちゃいましょ!」
そう言って両手を前へ伸ばすエレンさん。僕は慌てて治療を拒否するようにエレンさんの両腕を掴んた。
「このままにしててください。リリにお見舞いに来て欲しいから。」
僕とエレンさんの内緒。と口元に指を立て、片目を閉じる。するとエレンさんは少し不服そうに、僕のおでこを軽く叩いた。
「分かったわ。もう。アナタってホント、イイ性格してるわねぇ。」
そう言いながらカーテンを開けるエレンさん。好きな女の子を振り向かせるなら、少しずる賢くしないと。
医務室のソファではユリウスとリリが優雅にお茶を飲んでいた。僕はまだリリと2人でお茶会した事ないのに!悔しい!!!
と少しの嫉妬心を胸に秘め、4人で話が尽きるまで、楽しくお茶会をしていたのだった。
そしてその日の王宮へ帰る馬車の中での事。
「ユリウス、僕明日風邪ひく予定だから、学園を休むよ。」
「そんな事だろうとは思ったが。」
「リリがお見舞いに来てくれるといいなぁ。」
ユリウスは呆れた顔で僕を見る。別に少しくらいいいでは無いか。ユリウスには好きな人が居ないから分からないのか。可哀想に。
僕はその夜、しっかりと風邪をひいた。




