12.ブレアside
僕は出会ってしまったのだ、入学式の日に、僕だけの女神に。すごく綺麗で、物怖じしない性格の彼女。名前はリリアンヌと言うらしい。名前まで可愛い。
模擬夜会ではリリアンヌ嬢とファーストダンスを踊った。ドレス姿の彼女も美しかったのだ。どこかへ閉じ込めて誰にも見られないようにしたい程だった。
その後足を挫いた彼女を医務室まで連れて行くという名目上、抱き上げる事も出来たので役得だ。
そして夏も終わりに指し掛かり、涼しくなって来ている。ユリウスと昼食を食べ終え、食後の散歩にと2人で歩いていた時の事だった。
どこからともなくリリアンヌ嬢が飛び出してきて、僕たちの前に立ちはだかる。2人で声をかけても下を向いて黙ったままだ。
不思議に思ったその瞬間。リリアンヌ嬢から出たとは到底信じられない程の断末魔と共に、大きく仰け反る。
「リリ!」
そのまま行けば、噴水に落ちてしまう!!焦った僕はすかさず手を引っ張り、抱き寄せるが、その勢いで僕自身もバランスを崩し、結局2人で噴水に落ちてしまった。
良かった、怪我は無さそうだ。僕は咄嗟にリリアンヌ嬢をリリと呼んでしまったが、何か言われるだろうか。
彼女の顔を覗き込むと、顔を真っ赤にして僕を見つめていた。少し濡れて火照った顔。そんな顔はダメだ。可愛すぎる。
そしてすぐ、リリは気絶した。よかった。もしあのまま見つめられていたら、僕は何をするか分からなかった。確実に口付けはしてただろう。
その後カイルを呼び出し、魔法でリリをかわかしてもらい、医務室へ運んだ。僕も軽くだけ乾かしてもらい、エレンに事情を話し、リリが目覚めるまで2人で見守る事にした。
「ブレア様!ブレア様!!!」
リリが名前を呼んで笑っている。あぁ。可愛いなぁ。走って側まで駆け寄ると、笑顔のまま抱き着いて来るリリ。
とても可愛い。が、リリなら絶対しない行動。僕はいつの間にか眠ってしまっているようだ。夢かと自覚すればもう自由自在。かと思いきやそんな簡単には行かず、僕がリリかと思いハグをしていたのは全くの別人だった。
ピンクブロンドのウェーブがかった長い髪に、青々とした新緑を思い起こされるはっきりした緑色の目。リリは綺麗だが、この女の子は可愛いという言葉が似合う容姿をしていた。まるで華が人間になったかのように可愛らしい。
誰だ?と思った頃には目が覚めていて、リリの大きな紫色の瞳が僕を見つめていた。そうそうこれだ。僕の好きな銀髪に紫色の瞳。夢の女の子より、リリの方が断然かわいくて好きだ。




