悪役令嬢になっちゃいました!
「やっと終わった…早く帰ろ!」
仕事がやっと片付き、私はカバンを持ってオフィスを出る。ここんとこ忙しすぎて残業に続く残業で全然寝てないからなぁ…寝不足だ。エレベーターは省エネ対策で、21時を過ぎると停止しているので、階段を駆け下りる。
それでも最近ハマっている乙女ゲームが楽しすぎて、ついつい睡眠時間を削ってしまうのだ。私はポケットからスマホを取りだし、ゲームのアプリを開く。
気高き公女は凛と咲く
タイトルを読み上げるボイスがスマホから流れる。やばっ音大きい!私は焦り、音量ボタンに手をかけたその時だった。
ガクンと大きく視界が揺れて、突如浮遊感に襲われる。これって…私落ちてる!?離れて行く天井がスローモーションに見える。これ…死ぬやつ…?
死を覚悟して目を瞑る。が、しばらく経っても痛みの衝撃が来ない。
「なんで!?」
ツッコミを入れつつ起き上がると、そこは知らない空間が広がっていた。ヨーロッパのお城の一室のような空間に、ここは天国なんだ。と理解した。
「お嬢様!目が覚めたのですね!」
声のした方を見ると、メイド服に身を包み、口に手を当てる女の人。お嬢様?誰?
「誰…?」
「私!私、奥様!奥様〜!」
誰のこと?と聞く前に、メイドは走り去ってしまった。伸ばした手が迷子だ。さっき私に向かってお嬢様って言ってたよね?私の事?
伸ばした手を見ると、白く小さい。え!?この手誰!?なに!?私の手はもっと大きくてガサガサ…そんな事を考えつつ、部屋を見廻す。
見渡す限り、高そうな家具が沢山あるお城の一室と言った感じだ。そんな中、1人の美少女と目が合う。えっ
可愛い〜と笑いかけると目の前の少女も笑う。手を振ると振り返してくれる。
ん?待って…ん??その少女に近付いて行くと、同様に近付いて来た。え!?これ、私!?鏡なのか!すごい…可愛い…月の光を閉じ込めたような銀髪に、アメジストのように輝く紫の瞳。
すごく綺麗…でもどこかで見たような…私は思考を巡らせる。ん?もしや?もしかしなくても?気高き公女は凛と咲くの悪役令嬢、リリアンヌ・ウェルズリーじゃない!?
もしかしなくても私、転生しちゃった???混乱していると、先程のメイドと綺麗なドレスを来たとても綺麗な貴婦人、とてもイケメンな紳士が部屋に入ってきた。
「リリー!あぁリリアンヌ!!良かった!目が覚めたのね…」
そう言って駆け寄って来た2人は、私を抱きしめる。間違いない…私リリアンヌになっちゃったんだ。これからどうしよう……




