「覚醒した俺はの唯一無二の双剣と動体視力のスキル持ち！ギルド追放からハーレムへ」
追放された「無能」冒険者タカヒロは、ギルドで仲間に見捨てられ、無力感に打ちひしがれていた。しかし、危機に瀕した瞬間、封じられていた最強スキルが覚醒。双剣を操る彼は一変し、圧倒的な強さを手にする。旅の中で出会うのは、王女エリザ、冷徹な剣士リリア、天才魔導士セリーヌ、陽気な盗賊ミアといった美しき仲間たち。タカヒロを中心に絆が深まる彼女たちは、彼を信じ、共に魔王を打倒するため戦いを挑む。物語は追放者から英雄への逆転劇が展開し、タカヒロの覚醒、そして彼を取り巻くハーレムの関係が物語を盛り上げる。追放されたはずの男が、最強の仲間たちと共に、王国の運命を左右する壮絶な戦いへ挑む。
第1章：追放と覚醒（起）
1項：ギルドの追放
タカヒロはギルドの隅の席に座っていた。酒の香りと笑い声が漂う中、彼はテーブルの木目をじっと見つめていた。ギルドの仲間たちは、今日の冒険の話で盛り上がっているが、タカヒロにとってその光景はどこか遠く感じられた。いつものように、彼は目立たない存在だった。パーティーの中では一番の弱者であり、特別なスキルを持たないただの「役立たず」として扱われていた。
「おい、タカヒロ。」
突然、冷たい声が彼を呼び止めた。顔を上げると、パーティーリーダーのアーロンが立っていた。筋肉質で大柄な彼は、戦場でも一目置かれる存在で、ギルドの中では最強の戦士だ。タカヒロが彼の視線に晒されるたび、身体が硬直してしまう。
「話がある。ちょっと来い。」
タカヒロは一瞬、胸がざわついたが、無言で立ち上がり、アーロンに従った。心の中で何かが警鐘を鳴らしている。いい予感はしなかった。廊下を抜け、アーロンはギルドの裏にある小さな部屋にタカヒロを連れて行った。部屋に入ると、既に数人のメンバーが集まっており、タカヒロに冷たい視線を向けている。
「どうしたんですか…？」タカヒロが声をかけると、アーロンは厳しい表情で話し始めた。
「タカヒロ、正直に言うぞ。お前、役に立たねぇんだよ。」
その言葉は、まるで鋭い剣が心を貫くかのようだった。タカヒロは顔を青ざめ、目を見開いた。まさか、こんな言葉を直接投げかけられるとは思わなかった。
「…そんな…」
「お前がいない方が、俺たちはもっと早く進める。お前がいるせいで足手まといになってんだ。もう何度も見過ごしてやったが、今日で限界だ。」
アーロンの言葉に、他のメンバーたちもうなずいている。その中の一人、弓使いのリーヴァスが冷ややかに笑った。
「正直なところ、もう最初から分かってたんだよな。タカヒロ、冒険者向いてねえんじゃねえの？」
タカヒロは何も言い返せなかった。彼自身、心のどこかで感じていたことだった。自分には特別なスキルがなく、戦闘ではいつも他のメンバーの足を引っ張っていた。それでも、何とかチームに残りたくて努力してきたが、その結果がこれだ。
「…わかりました。」
タカヒロは絞り出すように答え、うなだれたまま部屋を出た。背中越しに聞こえる仲間たちの溜息や失笑が、彼の心に重くのしかかる。彼の胸にあるのは、ただの無力感だった。
ギルドの外に出ると、冷たい夜風がタカヒロの頬を撫でた。どこに向かうべきか、彼には分からなかった。追放された今、戻る場所はどこにもない。彼は、しばらくぼんやりと空を見上げていた。
「俺、何をしているんだろう…」
タカヒロは呟き、足を引きずるようにして街を出て、森の中へと歩み始めた。考えを整理する暇もなく、彼はただ歩き続けた。森の中に入り、足音がやけに響く。夜の闇は深く、何も見えない。その時、不意に背後で低い唸り声が聞こえた。
「…なんだ？」
タカヒロが振り返った瞬間、巨大な影が目の前に飛び出してきた。鋭い牙が月光に輝く。魔物だった。狼のような体躯を持ち、赤い目がタカヒロを睨みつけている。
「ま、魔物…！」
咄嗟に逃げ出そうとするも、足がすくんで動けない。魔物は低い唸り声を上げながら、一歩一歩タカヒロに近づいてくる。その威圧感に押され、タカヒロは後退し続けるが、すぐに木に背中をぶつけ、逃げ場がなくなった。
「ここで…死ぬのか…？」
恐怖に打ちのめされる中、彼の頭には自分が追放されたこと、無力であったこと、そしてこのまま誰にも知られずに死ぬのかという絶望が押し寄せてきた。だが、その瞬間、彼の中で何かが弾けた。
