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【37】さそり座

朝食後リビングでくつろいでいたら、新魔法少女二人がやってきた。

峰岸香織と佳林という名の双子だった、「えっといらっしゃい、峰岸香織ちゃんと佳林ちゃん。うちで働く意志はある?」

そういうと嬉しそうに頷いたので、鳴が契約書にサインしてもらった。

その後親御さんに連絡を取らせてしばらくこちらにいると連絡してもらった。部屋や施設を鳴が案内し、部屋については私が隣り合った二部屋を用意した。東京でレッスンは受けていたので飛行については完璧だった。


「圭ちゃん、二人を引き留めたはいいが怪獣がいないのに何をさせよう」

「お前の愛人だろ」

圭はいつもこういう言い方をするのでスカートを捲った。

頭を軽く殴られたが怒られはしなかった。最近の圭は少し複雑で、プレゼントは真っ先に指輪を選んだのに私のプロポーズはあっさり断った。


アメリカから奪い取った緩衝地帯では治安が乱れきっていたので、軍と警察を派遣することにした。広大過ぎる土地をどう扱うかは悩みの種だった。

ロシア軍人というと略奪常習犯だったので、異常に軍記は厳しくしたがそれでもやるだろう。日独の警察官と軍人を上官に置いてもらうようお願いした。

シカゴとニューヨークは死の灰の街なので、人口は極端に減少し大手企業は西海岸本土に移った。フィラデルフィアやフロリダ州でも人口減少が続いていた。


警官にはフルオート銃を訓練し携帯させた。銃社会で殉職者を続出させるわけにはいかないからだ。ついでに私もせっせと足を運びマフィアを潰していた。


そんなある日私と同様の変身ヒーローが東京湾に現れた。

すぐに魔法少女隊四人ととイエローメドゥーサが向かい、私も日本海から太平洋に抜けて東京を目指した。レッド・ローズが着くまで絶対に攻撃しないようにと伝えて置いた。

「偽物か。まるで区別つかねえな」

イエローはそう言って後続隊の到着を待った。


レッド・ローズたち変身ヒロイン隊が着くと戦闘陣形に移行した。

「攻撃が強かったら守れるかわからない。みんなシールドレベルを最大にして」

守りの要であるレッドが指示をした。

私が着いたのは彼女たちと偽ポセイドンが対峙している最中だった。偽物に接近して意思疎通可能か話し掛けたが無言だった。

私の後ろに隠れるように少女隊九人を配置した、「グリーン、環境汚染を浴びせてみてくれ」

耐性を持つ我々と違い敵は苦しみだした。

「偽物なら徒手で勝負する。ポセイドンには毒や飛び道具、刃物がないからだ」


肉弾戦に持ち込むと、パワーと格闘力に勝る私が圧倒し始めた。

雷鳴や津波は起こさせないようにがっちりと敵と密着し背後を取った、「ピンク、毒針をこいつに打ち込めレッドとイエローは援護に回れ」

レッドにローズ・スナイプと同時にピンクの毒針で決着はついた。

中の人は死んではいない様子だったので、そのまま東京本社基地に運び尋問することにした。どこの誰だかわからないまま殺すのは危険な気がしたからだ。


「あ、藤岡さんだ」

双子の魔法少女、香織と佳林がすぐに素性を突き止めた。

変身が解けた姿はメガネと七三分けの小男で、とても戦闘に向いてるとは思えなかった。気が付いたら行かなきゃという気持ちになり出撃したのだという。

双子いわく同時期にレッスンに参加してたそうだが、この男がどんくさくて使い物にならなかったらしい。

「お前もしかして『木島File』を知っているのか。変身ヒロインを生み出せるのか」と聞いたところ、目の前にいる香織と佳林を制作したという。

「変身ヒロインを作り出せる以上生かしてはおけない、と言いたいところだが封印するなら我々の仲間になることを条件に生かしてやる。今返事をしろ」

男は二つ返事で引き受けたので臨時チャーター便で、みんなと一緒にハバロフスクの基地まで連れていった。


「恵美こいつどうだ、いい男ででイケてるだろう」

「冗談でしょ。こいつに私を押し付けようとしたら舌嚙んで死ぬよ」

変身ヒーローに彼女たちは惹かれるはずなのにどういうことなのだ。

なんであんなのを連れて来たのかわからないとみんなから非難を受けたが、男の仲間くらい欲しいと思ったのだよ皆さん。女だらけもいいけど。

ポセイドンだとキャラが被るので、かつて霊体木島社長が変身した絶体神ゼウスに改造しようと思った。早速、悠にお願いするとそれっぽくなった。


一緒に風呂に入ってお前モテないみたいなだと言ったら、今まで女子とは喋ったことすらないという。眼鏡を取った顔も地味そのものだった。

最近よく風呂に乱入して来る香織と佳林のスク水姿を見ただけで、藤岡は鼻血を大量に出していた。二人には水着を絶対に脱がないよう強くお願いした。


「溝口さん、藤岡さんをもう一人の司令官にするおつもりですか。ですが命令されても絶対に嫌なので、溝口さん所属でおねがいしますね」

温厚な真彩までが強く否定した。

仕方なく藤岡は私の側近として秘書になってもらうことにした。戦闘に出そうにもうちで最弱なので使い道がなかった。


休日のとある日、圭と鳴を連れてハバロフスクで建築中のお城に連れていった。

「予算をすごく掛けて急がせているので、一年後には完成する予定なんだ」

二人はその建設中の城を見ながら無言だった。二人だけがここに呼ばれた意味を鳴は考え、圭は複雑そうな顔をしていた。

「前は普通の女の子に戻ってもいいと言ったが、戦争があって我々の顔は世界中に知られている。危険が大きすぎるから今のままでいて欲しいんだ。一緒に過ごして欲しいんだ私と、一生守り抜くから」

私たちの返事を聞かないことで、かえって真剣さを鳴は感じた。


「急がせ過ぎてるからラブホテルみたいなものになっちゃうかも。その時は勘弁してくれな」

「わたしはお前と一緒ならいいぞ」

圭が先に答えたので、焦った鳴も何か言わなきゃと思った、「変身ヒロインと魔法少女、みんな正妻、側室とかになるんですかね」

「そういうのは諦めた。上手く行かないだろうから」


実際何百年も生きるかも知れないので、ハーレム王を目指した。自分のためでなく彼女たちのために恋人が必要だと思ったからだ。だが、上手く行く未来が見えなかった。たぶん圭と悠、紅葉の三人で精いっぱいだ。

「二人に来てもらったのは王妃になって欲しいからだ。二人がいてくれたら国のことが上手く行く気がするんだ。嫌ならそれでいいよ」


選挙にによって選ばれた政府が動き出した。国防や福祉、経済については彼らがやってくれるだろう。もっともダメなら私が口を出すだろうけれど。

経済三流、軍事力超一流な我が国だったので、経済重視の政策が必要だった。海外からITや通信関係の有力な企業を税制優遇で募ったが、成果はいまいちだった。


そのため世界の紛争解決に乗り出すことにした。予算は国連や未だに経済が強いアメリカ、日独から出してもらった。中東紛争にイスラエルの力を抑える方向で介入したので、概ね中東諸国の信頼を得た。

「けっこう動いてますね。概ねいい方向に」

ドイツの大統領に褒められたが、経済力向上にはなりそうもないのが頭痛の種ですと答えた。ソ連と中国の辺境を拠点にしてるので苦しいと伝えた。


そう言って間もない時期に、無国籍になってしまったアメリカ東部地区から大企業がけっこうやってきた。世界最強の軍事力の下でやりたいという。土地は余っていると言っても過言ではない。シベリア鉄道イルクーツクまでの比較的過ごしやすい地域と、満州に会社を移転してもらった。


少女隊たちには、東南アジアで治安の悪い地区を回ってもらっていた。別に放って置いても良かったのだが、我々が正義活動をすることはイメージアップになった。

私はガザ地区を訪れ軍事支援はそこそこするが、イスラエルを亡ぼすことは絶対にしないしそういう行動は許さないと伝えた。

ロシアの他国侵攻を止めたことでトルコとは仲が良くなった。

米中露との関係は最悪だったが、これらとはもともと仲良くする気がなかった。世界一の軍事力を粉々にしたのは私の反米思想で、中露とも戦ったのは彼らは国として悪だと認定していたからだ。国民は関係ないので国力だけ削いだ。


イスラエルの大統領が緊急で極東王国を訪れた。

「我々の国は存亡の危機に立っている。貴国のガザ地区及び中東への肩入れをやめていただきたい。イスラエルは敵とお考えか」

「我が国はバランスを取るだけで、テロリストがろくでもないことをしたら滅ぼします。イランにも伝えてありますよ。本気でどこかの国を肩入れはしません。もし貴国に危機が迫ったら我が軍が全力で叩きますからご安心ください」

イスラエルは相互安全保障を結びたいと言ってきたので了承した。


「みんなお疲れさま。特にミンダナオに行った鳴と楓はありがとう」

みんな多少疲れていたので一週間の休みを取ってもらうことにした。

「これからは治安維持活動がメインになるんですか」

真彩が質問してきたので、「戦争で失った信用をえるためにやってるだけで、それなりの成果が出たらやめるよ。そもそも人間同士の争いに興味ないもの」

真彩はなるほど納得してくれた。


もともと人間はろくでもないことをする生き物で、信頼には足らないという考えを持っていた。ギリシャで始まったかどうかは知らないが奴隷制度や、強いものが弱い者をいたぶることは当たり前だった。そんなもの勝手にやっていろという立場だったが、最近は国家紛争介入していたが正直気乗りはしなかった。


アメリカ大統領と日本で会談することになった。

「まずはSLBMを二発打ち込んだことへの謝罪の言葉をいただいたが、国土と軍事力壊滅はやり過ぎじゃないかと非難された」

「あれは我々に対して行ったことですよね。国土を残したことを感謝してください。不満が言えないように西海岸全域を我々が滅ぼしてもいいんですよ。いや、あの大陸をインディアンのものに戻しましょうか

アメリカという国は、インディアンを虐殺して国を作ったことを無かったことにしようとしている。そんな虫のいいことはないのだ。


「まあ我々がやったことも強い者が弱い者を蹂躙しただけです。大統領、まだ戦争の続きをやりましょうか?」

日本政府が平和条約を結んではどうかと言うので同意した。


「いつもおせんべい食べてるな」

鳴はパンツが見えてないかチェックをした。

「わたしのところに来る事多いみたいですが、他の人はいいんです?」

たまに行ってるからいいんじゃないかなと私は返事をした。

「一番好きな人のとこに来ちゃだめかな?鳴は特別なんだよ」

一番というところに鳴は引っ掛かった。圭なんじゃないのと訝しんだ。

鳴は美少女という面では1,2を争う美貌だった。ただ初期のデートで私の中での順位が下がったが、最近は自然体でいい感じに可愛かった。


鳴が目を閉じたので唇を重ねた。

「ありがとう鳴、実は誰かとキスするの久しぶりだったんだ」

「みんな溝口先生のこと好きなんだから、キスくらいし放題でしょう。それ以上でも誰も拒まないでしょう。禁欲でもしてるんです?」

「してるよ。誰にでも手を出してた自分のことが嫌になってた。大切な人とだけとした方が、尊い気がするんだ」

「それは大変光栄なんですけど、待ってる子たちがいると考えたら複雑です」

うん、それはわかると答えた。


「見てたらわかると思うんだけど、圭とは上手くいってないんだよね。たぶんハーレム計画の頃からなのかな、彼女は私を避けている」

鳴もそのことには気が付いていて、どうしたらいいんだろうと考えていたという。

「いいよ鳴は考えなくて、圭と私の問題だから。あの子は本音を隠すからわかりずらいんだ、でも無理矢理本音聞き出すのが怖いんだ」

鳴の部屋に来たのに、圭の話ばかりでごめんと言いながら答えた。

「その話をしに来たんでしょう。わたしでお役に立つかわからないけど、圭とも長い付き合いだからちょっと聞いてみるね」


「その話もあるけどこないだ建設中の城に行ったでしょう?私は既に王だけど、あの城が完成したら鳴に王妃になって欲しいんだ。本音だよ」

鳴はなんとなくわかっていたけど改めて言われると緊張した。

「鳴に合いそうなドレスはもうけっこう用意したんだ。胸元が空いてるやつは絆創膏でもして、見えない様に隠してね」

鳴にぽかっと叩かれたが、圭のも同時に買っておいてねと言われた、「圭も王妃にしたいでしょう。まず溝口先生が本音言ってくれないとだめですよ」

わかったと鳴の目を見て答えた。


この日の夕食は恵美とだった。

「私を呼ぶとか珍しいね。なんか悩みある?」

恵美と会いたい時だってあるよと答えた。

「ちびっ子たちと上手く行ってないんだろう。悩んでないで先に進むことをお勧めするよ。私や真彩は準備はできてるからね」

「嫌われたかなとか思ったら動けなくなったんだよ。恵美や真彩、鳴のことだけ思ったら前にどんどん進むべきだとは思っているよ」

本当のことだった。圭、悠と紅葉と三人で進もうと思っていた未来だった。楓に殺されかけて仕方なく彼女を抱いた。鳴のことはしばらく忘れていた。


「わたしたち下手したら1000年生きるかもしれないんだよ。だから些細なことは後回しにして、今最善と思う事すりゃいいんだよ」

「ハーレム王になってもいいってことなのかな」

「その前に私だけないみたいだからとっとと抱けって」

それに関しては申し訳ない気持ちでいた。

後で部屋に行くから覚悟しといてね、と言って食事を終え部屋に戻った。


基地には東京を同じく喫煙室があった。

木島社長、まだ終わってないんだろう変身ヒロインと魔法少女隊の仕事は。藤岡の存在でなんとなくそう思っていた。まあ何人怪獣や魔法少女が来ても負けるつもりはないが。我々は経験という多いなアドバンテージを得ている。負けることはない。

普段着で外を出たが寒くは感じなかった。夏のハバロフスクは暑くはないが寒くもなかった。短い夏を楽しみたい気分だった。ただ冬は-30℃だ、変身していない時は帽子を被らないと死んでしまうこともある。


今日は恵美とやるから念入りに身体を洗った。

湯船には後で浸かりリラックスしてた時に恵美が入ってきた。

「男が入っているのランプでわかるんだが、藤岡だったらどうするつもりだった」

「殴って湯船に沈める」

恵美なら確実にできそうだった。

「で、タオルもないとかどういうつもりだ。私のモノが部屋まで持たないぞ」

「ここでもいいよ。ほらおっきいだろう」

欲求不満だった私はそのメロンを揉んだ。気持良くにそれだけで果てそうだ。


「ここ何故かお風呂マットあるんだよね」

そう言って恵美を抱っこして寝かせた。

「さっすが腕力凄いねえ。あっちの方はどうなんだろうね」

「ハーレム王目指してる男を舐めちゃいけない」

キスをしながら大きな乳房を強く揉んだ。

最初から裸なのが少し残念だった。下着を脱がせることに何よりも喜びを感じるタイプなんだ、私は。下半身を触ったら恵美は大きくぴくっとした。


全身を触れて敏感な部分を舐めながら、恵美の入り口を探し軽く指を入れた。クリトリスを摘まむと大きな声を恵美は出した。

恵美の乳首を舌で舐めるとまた大きく喘いだ。あそこの潤いも十分だったので、優しく挿れていったんだが、「痛い痛い痛い」

恵美がそういうので一旦引いた。

もう一度試したが同じだったので断念した。


「ごめんねえ。あんなに痛いとは思わなかったよ」

「仕方ない、個人差がきっとあるんだよ。焦らずにやろう」

また数日中にやってみようと約束をして風呂場で別れた。


我々の基地はハバロクスフ基地と隣接してたので、滑走路で夏の星座を眺めた。空気がきれいなので天の川が良く見えた。さそり座の存在感が有り過ぎたので見とれていた。大ぐま座の二重星を見ても死の兆しは感じなかった。


星の観察の後は建設中の城に行った。24時間建設が稼働していたので明るく綺麗だった。この城に住むことは楽しみにしていたが、問題は山積していた。

「圭か。こんな時間に見に来たのか」

お互い様と言われ圭は建設中の城を見ていた。


圭も城の完成を楽しみにしてくれているんだろうか。そうだったら嬉しいと思い手を握ったら拒まれることはなかった。

























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