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【30】突然の別れ

城の生活はつまらないでしょうからとクラシックのコンサートが催された。

バッハやワーグナー、誰でも知ってる大音楽家の楽曲を演奏してくれた。我々のような子供にはまだ早い気がしたが。

演奏会を終えると悠がドイツの音楽家を調べていた。好奇心旺盛な彼女は感銘を受けたようだった。

「紅葉は見事に寝てたな」

いやあそれほどでもとでも言いたげだったが、褒めてないからね。


圭はピアノを弾けると言うので、早速注文を出した。

隣の部屋に置こうと考えていた。私もウッドベースでも覚えようかと言ったが、簡単に出来るものじゃないと却下された。

そもそも楽器に縁がない生き方をしてきたので無謀だった。

鳴は吹奏楽部で木管楽器をやっていたという。



「楓、情事はたくさんしているがあまり長居できなくてごめんな」

服を着ていた楓は首を振って否定した。今の関係がずっと続いて欲しいそうだった。

あの事件で二人ともPTSDを負ってしまったから、本当は相手は私じゃないほうがいい。ただ楓は常に私しか見ていなかった。

「わたしを嫌いにならないで」

楓が悲しい顔をしながら訴えるので、それは絶対にないから安心してくれと抱きしめた。



「次もここに来るのかな。だったら迷惑だから拠点変えなきゃだな」

「東京がまったく安全になったのが気になる。そろそろドカンと来るんじゃないか」

圭の言葉もある程度頷ける。

元々東京限定怪獣だったのが、今では世界のどこにでも出る。我々を追ってると見せかけて、まったく別の場所にも出るし動きが読めなかった。


防御に長けた真彩のと恵美を連れて東京本社に行くことにした。あくまで数日だから意味は薄いんだろうが。ただ怪獣製造プラントのことも気になっていた。

チャーター便を使って二人を連れて行った。戦力を割ってしまったので残してきた楓の出撃を解禁した。鳴と楓の防御力の充実したからだ。


「たぶんなにも起こらないから気楽にね」

フラグを立ててしまったが、二人は何があっても応戦しますからと頼もしかった。

あの要塞のような地下が嫌だったので、赤坂のマンションに二人を連れて行った。二人はあまりこっちには来てないのでわくわくしていた。


「贔屓にしてた子を連れてくる場所だからいいねえ」

恵美の言葉に返す言葉がなかった。

煙草を吸いながら二人と東京の夜景を楽しんだ。平均して皆を愛するってそれはもう変態でしょう。腰くらいまではそこに足を突っ込んでるけど。


赤坂は夜の街だから、赤坂見附の飲み屋いかないか。お酒飲まなければ大丈夫だから。

なるべく喫茶店風のお店に入った。予想通りこの二人なら違和感はあまりなかった。ちゃんと二年分成長してたらまったく問題がなかっただろう。

「スイーツと珈琲でいいよね。私はカクテル」

二人はそれでいいと言った。


「こういう格好いいお店に来てみたかったの」

真彩がそう言うので、こっちに来たらいつでも誘うよと言った。

確かに薄暗いのに、天井にはファンが回っていて格好はいい。それに木のテーブルセットも、それなりに年季が入っていい味を出していた。


マンションの部屋に帰ると恵美が珈琲を淹れてくれた。

「ありがとう。もう遅いからお風呂に入って寝るといいよ」

「前みたく一緒には入ってくれないの?」

恵美が挑発したので、今は裸を見ただけで妊娠させる能力があるのでダメと返した。


「明日宮内庁に連絡するから皇居行こう。前に圭たち三人と回ったんだ」

立ち入り禁止エリアを主に散策しようと伝えた。

何度来ても東京のど真ん中に、ディズニーランド二個分の住居を持つ者がいることに驚かされる。伏見橋や御所を見て、緑が多い場所で休んだ。

「ありがとね。連れてきてくれて」

恵美が感動してそう言った。真彩も頷いた。


皇居見学が終わると本社に挨拶した。何と言っても徒歩3分だから。

「資金の動きが複雑過ぎて把握できてないです。だから捜査もできないんですね」

前に見せてもらった怪獣プラントの件は暗礁に乗っていたようだ。

「ただ彼らは強化されている。早くしないと我々には対処できなくなる。そうするとどうなるか、我々は逃げる」

こう言ったら流石に現社長は頭を抱えた。


「無敵じゃないんですよ我々は。作戦ミスですが一人死に掛けました」

そう言って会社を後にして東京駅でランチ場所を探した。

「ここ良さそうだね」

そう言って寿司屋に入った。

私が大トロをたくさん頼み、皆には自由に好きなネタを頼ませた。


「私たち嫌われてると思ってたから嬉しい」

真彩が笑顔でそう言ったことにショックを受けた。

「あの、全員好きだよ(性的な意味でも...)」


「明日の夜こっちを立つけど、異常はないかな」

「心配してないででかいの二人と遊んでこい」

圭の返事で本気で揉みたくなったからね。


寝室で本を読んでいたら、真彩がノックをしてきたので通した。

かわいいパジャマに大きな胸、これはまずいので視線を外した。でも真彩にはウラジオストクでのデートの返事をしていない。

「好きです真彩が。ただ私は定員オーバーのバスで、上にも人が乗ってる感じなんです。だからごめんなさい」

真彩は少し考えてから言った。

「負担になると言うのなら皆の許可を取り付けます。それならいいでしょう」

「ダメ・・・」


明日の夜はファーストクラス貸し切れたので遊んできていいよと二人に言った。

すると二人とも寝間着に着替えて寝てしまった。ファーストクラスで寝るとか勿体ないと言う理由だった。

そうなると私も寝かせてもらえないのは確実なので、早目の昼食後睡眠を取った。


空港で皆のお土産を買い、カフェでフライト時刻まで暇を潰した。

「二人は将来どこに住みたい?」

真彩が北欧で恵美はストックホルムだった。つまり同じだ、「スキー得意だからいいけどね、でも寒いのは苦手かな」

「いきなりなんでそんなこと聞くの?一緒に暮らす人決まってるんでしょ」

コーヒーフロートを飲みながら恵美が質問した。

「みんなと一緒がいい、我々は特殊だから離れない方がいいよ」

「私たちの面倒も一生見てくれるってことなんです?」

真彩の質問にそうだと答えた。

私しか男性がいなくて全員で8人しかいない。だから城に拠点を構え側室を迎えようとしているんだ。


「いこう、フライト時刻だ」

二人ともファーストクラスの座席を寝かしたりして遊んでいた。フランクフルトまでは九時間弱だから実は割と近い。

「見て、お揃いにしてみたよ」

恵美の言葉に振り返って見た。白いかぼちゃぱんつにシースルーロリータスカート、上も白いへそだしTシャツにシースルーカーディガン...

「アウトだよ。君たちがそれ着たら18禁だから」

ティッシュを鼻に詰めてそう言った。


「食事だよ。税金から出てるから残しちゃダメだよ」

スズキやタケノコ、お吸い物や刺身と和風の皿が次々と出て来た。肉料理は城でたらふく食べているので美味しかった。

18禁コンビも納得の味で完食していた。見に来たついでに真彩の席にお邪魔した。

ロリータ姿の真彩に見とれていたら、Tシャツ邪魔なら脱ぎますと言われたので丁重にお断りした。しかしどうやって脱がせたらいいか考える屑だった。

「どこに住みたいかって将来のことさっき聞いたでしょう、真彩をずっと独身で過ごさせることは考えてない」

「それはわたしを娶ってくれるってこと?」

うん、と私は答えた。恵美も同じなんで伝えといて欲しいと伝えて自分の席に戻った。


窓から外を眺めていたら今度は恵美がきた。

かぼちゃパンツから緑のパンツに変わっていたが、予想の範囲内なので耐えた。

「恵美、赤ちゃん欲しい?」

先に攻撃しないとからかわれるだけなので問題発言を放った。

「圭ちゃんたちがほんとはいいんでしょ。私は何も言えないよ」

先手を取ったので恵美の弱音を引き出したので勝ちだ。「圭たちの話は抜きにして恵美のことを聞いてるんだよ」

「優しくしてくれるならいいよ」

「大丈夫。優しくしてあげるからいい家庭築こうね」

恵美が目を閉じたので軽くデコピンして、いろいろな問題クリアしてからと言ってキスはしなかった。


城に着いたら真っ先に圭、悠、紅葉をハグをしてそのまま部屋に入った。

レッスン前のランチの時に皆に聞いた。

「普通の女の子に戻りたいなら言ってくれ。もう二年も君らは年を取っていないので今しかない。その際不老が元に戻るかはわからない。実験できないからだ」

全員一致で否定したので次の言葉を言いやすかった。

「皆と一緒に生きていきたい。だから嫌じゃなければ皆の希望を叶えてあげたい。すぐじゃないけど」


「さっきの取り消し。変身少女やめるわ」

圭がそう言うと、悠と紅葉も手を上げた。それを了解したと事務的に受理した。ただし悠と紅葉は圭の後でいいんじゃないか、不老についてのデータが取れるからと答えた。

まだ城にはいたが、三人は私の部屋からは去った。


すぐがいいからと言って、圭は翌日には変身ヒロインを悠に解いてもらい出て行った。

悠と紅葉も自身で能力を解いて半月後には出て行った。



悠と紅葉が出て行った日、残った四人が私の部屋を訪ねてきた。

「あの、こんな結果望んでなかった...」

鳴が泣きながら崩れてしゃがんでしまったが、想定内だから仕方がないと言って頭を撫でた。

「私たち邪魔だったかな。あんなに仲の良かった三人を追い出しちゃった」

恵美も目が赤かったので、上手く行かないことばかりが人生だと言って慰めた。


「変身ヒロイン仲たがいでドイツ国内も揺れている。今こそちゃんとしないとここ出ないといけなくなるぞ」

そう言ってレッスンはしっかりやることを伝えた。


シベリア鉄道の旅を思い出していた。奇跡のように三人とも仲が良く、このまま上手くやっていけると思った。

SEXは楓とだけたまにしていた。

鳴には申し訳ないが余裕がなかった。


天空の城から見下ろすと麓は雲で隠れていた。私が愛した者たちは、全員あの雲の向こうへ去ってしまった。でも元気であってくれたらそれで良かった。間違えを犯したのは分かっていた。でも楓を救えたからそれでいいとも思う。

正しいとか悪いとか誰が決めるんだろう。きっと誰も決めないし、そんなものないからだ。淫乱だった?望まれてやっただけで頼んだわけじゃない。やりすぎ注意のためにスマホにも回数データを残していた。


言い訳しても仕方がない。圭が恋しくてどうしようもない、それだけが欲しいものだった。



東京に翼竜と怪獣、それに海獣が襲ってきたようだ。

既に戦車と爆撃機が彼らに挑んでいたが、攻撃が効きそうにないので下がってもらった。三体が連携を取っているのでやりずらかった。

『超雷鳴!!』空と陸の敵を削ったのですかさず海に潜った。陸の被害は大きくできない。肉弾戦でうつぼの様な敵に立ち向かった。

空ではブルーとグリーンが翼竜を締め上げていたところに、ピンクの毒針を差し込んでトドメを刺していた。

『海神!』海水と海底と共にうつぼを何枚かに叩き切った。

ローズは『ローズ・ブリザード』で敵の動きを封じたが、接近しようとすると火炎攻撃を受けておへそが出るくらいスーツが切れていた。ピンクも下着が見えるほどスーツがやられている。

「ローズとピンクの技で切り込め!」

二人で肩を組みながら、『スティング・ローズスナイプ!』『毒針!』破壊力ある攻撃で一点突破し怪獣に穴を開けた。


ぼろぼろになりながら新生変身ヒロインたちは勝った。


「手駒が足りない、また工場で武器を生産しよう」

皆でまた一週間武器を作った。


「みんなお疲れ様。この作業は将来の資金にもなるのでありがたいんだ」

皆がきょとんといていたので、「結婚資金だよ、皆と快適な家庭生活を送るために貯金するんだ」

もう四人の妻を娶ることを決めていたので普通に話した。

傷だらけになろうと残ってくれた四人は必ず守る。海神ポセイドンは陸の王になると決めたのだ。


城にはいくつもの棟があったので、それぞれ別々の棟の違う階に住まわせた。

鳴と楓はともかく、真彩と恵美は本当に私に付いて来るかはまだわからない。時間を掛けて訪問し落とす算段だった。


部屋に戻ると枕元に圭と悠に渡した指輪があった。これを見るたびに過呼吸寸前になるが、甘い過去を振り返っても仕方がない。厳しい未来に進もうと気を引き締めた。


「鳴入っていいか」

そういうとシースルーの寝間着を着たセクシーな鳴がいた。

引き寄せられるように鳴に寄って行き立ったまま唇を合わせた。前に来た時はおせんべいを食べていたので大違いだった。


「変わるに決まっているでしょう?今は従者が付いて、食事を持ってきてくれるし髪も整えてくれる。その分皆に会う時間が減ったけど。」

そう決めたのは私だった。

形だけの王様ごっこで失敗したんじゃないかと思っていたから。大切な人が出て行くのをもう見たくないんだ。


大浴場は一つだからそこで待ち合せたらどうだ。サイズ的に鳴では厳しいが、慣れれば苦にならないと思うぞ。

げんこつが飛んで来たが、目の前のシースルーから下着を覗いた。性欲と愛情はまったく違うと思うけど、この向こうを見たいというのは愛情のように感じられた。

衣服を鳴が脱いでくれたのでそのまま愛した。自分が求められてる気がして幸せだった。



「楓済まない。鳴を抱いてしまったからできない」

鳴ならいいよと言って彼女からキスをせがんだ。

ずっと人形のようだったが、昔の楓を取り戻しつつあるようだった。もう一度頑張ろうかとも思ったが、空砲しか出ない気がして諦めた。


「紅葉たち三人を呼び戻さなくていいんですか」

「彼女たちはもう変身ヒロインでも魔法少女でもない。マネージャーを三人雇っても無駄なだけだ」

そう答えたら彼女は、それ以上は喋らず膝を貸してくれた。



「城の中の王って孤独なんだな」

側室周りをしたら食事くらいしかない。SNSをやらないので座って暇つぶしもない。

という訳でポセイドンのアカウントを作ったら、夥しい数の反応があったので急いで恵美を呼んできた。

「そりゃいきなり新垢で本物出たら反応凄いでしょ」

訳がわからないと恵美に言うと、自分の顔を鏡でちゃんと見なさいと怒られた。

恵美は適当に私に成りすまして、ポストへのコメを打ってくれた。慣れたくない作業の塊だった。


「助かったよ恵美、お礼に抱こうか」

意地悪な恵美へは暴言でいつも先手を取るようにしていた。しかし顔が赤いし、反応が普通だ。

「うっさい。乙女心弄ばないでよ」

「ごめんな。でも抱きたい気持ちは本物だ。もうちょっと先になるけど」

恵美は顔を真っ赤にして、さっきのSNSをめちゃめちゃ更新していた。



翌日は大公にお会いするため、ルクセンブルク訪問が決まっていた。

この小さな街に怪異が現れたら即全滅してしまう。訪問ついでに中世の城壁や街並みを見て回った。この要塞都市そのものが世界遺産になっているようだった。古い石橋を渡りながらその美しさを四人は堪能していた。

「提携してる方が安いのでもう随分の国と契約してるんだよね」

今回はオランダ、ベルギー、ルクセンブルクのベネルクス三国の共同契約ね。


「こういう契約料も我々に入ってくるので、決して遊びに来てるんじゃないんだ」

皆がほうという顔で聞いていた。恵美がそれも私たちのため?とジェスチャーで言ってくるので、親指をビシッと立てた。

何才まで生きるのかわからないのだから、お金はいくらあっても足りない。政治と戦闘を効率よくこなして老後(老けない)に備えたかった。


「ここからは飛ぼう。時間の無駄だ」

高所の城を選んだことを多少後悔していた。我が家目指して飛ぶのだから騒ぎにはならないだろう。



もうすっかり正室の落ち着きがある鳴の部屋にきていた。

「食事の時間よ。きちゃっていいの?」

「いいよ、ラップに包むように伝えたから」

食事をしている鳴に見惚れていた。こんなに好きだったのかと再確認させられたが、圭がいつも隣にいたからなんだろう。


「あと辞めた三人にはすごい金額の退職金が入ったはずなので、無駄遣いしないように言っといてくれるか」

鳴は私の顔を見た後ではいと言った。

「夕飯後に楓と約束があるから行ってくる。また来るけど眠かったら寝てていいよ」



楓を抱っこしてみると多少重くなっていた。

少しづつ病が回復しているにかもしれない。まだ恵美や真彩とはほとんど会話が出来ないが、鳴を通じてできるようになればいい。

「楓が重くなってきたからだっこがきつい。軽くするね、と言って衣服を剥ぎ取っていった」

完全まぐろになった楓を性感帯を触って起こしてゆく。首筋や耳を噛み小さく喘いだら挿れていく。楓が動かない分こちらの腰はフル稼働でいつも終わらせる。



中庭には高山植物が植えられていたが、ドイツ語なのでわからなかった。日本語か英語に訳してもらえたらありがたい。

「一緒になるのは珍しいですね」

真彩が中庭に遊びにきた。

よく見なくても初めて会った時と同じ顔だった、「君は私が圭と付き合ってるのに、鳴と泊まったことをすごく怒ってたね」

「は、はい。非常識かなって思って...」

バツが悪そうに真彩は返事をした。

「間違いなく当たっている。彼女は一人だけがいいんだ」


「すいません。わたし今は違うことを言ってます」

いいんだよ。自分に合わせてルールをカスタマイズするのは悪くない。最も私はその結果最愛の恋人に逃げられたけどね。言いながら、はっとなった。未練がましいのは外では出しちゃダメだ。



はい、次の方どうぞ。

「なんか凄く懐かしい言い方ですがなにかありました?」

「初心に帰ろうと思いました。ところで鳴の変身衣装可愛すぎなんで変えない?」

ペチコートを脱ぐと提案したら本気で殴られた。


めげずに真彩にしつこく頼み込んだらペチコートを脱いでくれた。

真下に回り込むと、明らかに水色の三角形が見えたので夢中でシャッターを切った。今度は恵美に思いっきり殴られた。


楓のは謎技術で隠してるだけだったので、それを外したらピンク色の下着がもろ見えだった。以前の楓とは違うのでまったく気にしてなかった。当然、鳴に追われたがなんとか逃げ切った。


「なんなんですか溝口先生。これじゃただの悪ガキですよ」

「20代前半なんて餓鬼だもん。それに夜のおかずが必要なんだ」

鳴は呆れ果てた表情をした。


エース三人が抜けた今の部隊では何が起こるかわからない。多少の遊び心くらい許してくれ。



部屋で煙草を吸っていたら案の定鳴がきた。

「いくらなんでも壊れ過ぎですよ。大きな悩み事があるなら言ってください」

少し考えてから本音を言った。

「どこを探しても圭がいないんだ。いなくなって帰ってこない」

鳴は変身したままソファの隣に座った。

「圭がもう変身できなかろうが、必ず連れ戻します。だから今は耐えててください」

















































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