【25】シベリア鉄道
短い夏の日に、噴水通りを超えて海岸通りを歩いた。
せっかく買った水着を見せるために、三人とも海岸で日焼けをするためだった。
荷物持ちで来たわたしはビーチマットを広げた。暑い日なので彼女たちは簡単にうつぶせになれた。シャッターチャンスなので皆の小さなお尻を写真に収めた。写真に収めると魚をひっくり返すように仰向けをお願いした。
「歩き方が変な紅葉さん、ジュース買ってきてくれないか」
圭が紅葉をいじめたのでその代わり私がジュースを買ってきた。
悠は楽しいのかつまらないのかわかりづらいが、足をぱたぱたさせたり目をきょろきょろさせていたら機嫌がいいことが最近分かった。
オレンジジュースを三人に渡したが、今日は暑い日だった。ウラジオストクの夏は短いので晴れていて本当に良かった。
三人はビーチで遊び始めた。ビーチボールでは、悠が微妙な球を紅葉に上げるので紅葉は何度も転倒した。あまりにも可哀そうなので、お姫様だっこで私がビーチマットに連れ帰った。
「二人とも翌日はがに股だったのにいじめすぎだ」
圭は顔を真っ赤にして、悠は何のことだか分からないとしらを切った。
最後に皆の個人写真を撮って、海岸を後にすることにした。自分の番以外は紅葉が腕組みしていたので、写真がぶれそうだったが夜のおかずでもあるのできっちりと撮影した。
ホテルに帰っても紅葉の甘えっぷりが酷く、ほとんどお姫様だっこで移動していた。しかし腕力が異常に強いので苦にはならなかった。
圭がうらめしそうに見ていたので、後で順番でやると伝えると喜んでいた。悠は足をぱたぱたさせていた。いつまでもこんなにモテ続けることはないだろうから、今を噛みしめることにした。
「紅葉はまだ辛いか。楓のことで」
彼女が私から目を背けた。辛いことはまだ知っていたが、それを持ち続けても意味はない。私は紅葉の頭を撫でた。
表通りで可愛い雑貨を探して三人に買っていった。時間が余ったので裏通りを覗いたのだが、ストリートアートがあって趣があった。すると四人組の人相が悪い若者が待ち伏せしていた。
「どけ。さもなくば確実に死ぬ」
別に変身しなくても格闘技で鍛えたこの身体は、軟弱なロシアの若者など軽々と凌駕する。的確に捉えるキックとパンチ。柔道とはとても呼べない禁忌技のオンパレードが若者を襲い、一分で勝負は付いた。
四人の息があることを確認してその場を去った。
ホテルに戻ると三人にプレセントを渡したのだが、最初に圭が衣服に付いた返り血に気が付いてしまった。悲しそうに私の着替えを手伝う圭だったが、同時に不安を湛えてるようで見るに堪えなかった。
「軽はずみだった。だが息抜きは必要だ」
そう謝ったら、守ってあげられずごめんと圭の目から涙が零れた。違うんだ、これはただの暇つぶしだ。
残りはわたしが渡す、圭はそう言って部屋を出て行ってしまった。
圭は戻ると膝枕をしてくれた。悪戯すると怒る圭が、胸に触っても何も言わなかった。
「何故包装紙が破れているのか説明なさい」
ストリートアートの通りでちょっとした喧嘩になって、と悠に説明したら叩かれた。三人分の責任をきちんと取れるのかと詰め寄られた。
「取るよ、取りますよ。生きていたらね」
次の晩からガラの悪い場所で喧嘩を仕掛け始めた。
「10人かあ。もしかしたら勝てるかもよ」
そう言ってファイティングポーズを取ったところで、後ろの方にいたオタク風の若者が言った。
「こいつ人間じゃねえ。あの化け物と戦ってる男だ」
足取りを追っていた悠と紅葉が変身して、ガラの悪い男たちに立ち去るよう命じた。
ウォッカ臭い海神の中の人を、二人は抱えて引き上げた。
良くないことをしたという自覚はあります。しかし特に君たちに謝罪しようとは思っていない。不良狩りは元々好きだし、彼らを救いたいとはこれっぽっちも思っていない。
泣いている紅葉を圭と悠が慰めていた。しかし私の心は冷めきっていた。君の姉が私を殺そうとしたんだ、死ぬ前に好きな事してもいいだろう。
圭を除いた二人は部屋を出て行った。
「ごめんな圭、最近君から告白された時の気持ちが思い出せないんだ。二人で一生歩いて生きたいと願った気持ちが」
圭は私を膝枕し、落ち着かせるように頭を撫で始めた。
「少ししたら思い出せるし、疲れすぎたんだお前は。その間はわたしたちが何とかするから休め」
私の手をブラの下に入れてくれたので夢中で触った。
戻った悠はそれを見て、反対側の手をブラの上側からその下を触らせてくれた。こちらもめちゃめちゃ触ったので両手が大忙しだった。
私は身を起こし紅葉を探したがいなかった。大声で呼んでも来ないのでベッドから降りて、速足で彼女を探しにいった。
まだ午後九時なのにベッドに横たわる紅葉、その頭を優しく撫でてあげた。
泣いていたのでハンドタオルで涙を拭ってあげた。何にも悪いことしてないのに、一番辛い立場にさせてしまってごめん。
毛布を剥ぎ、いつものお姫様だっこで圭たちに元に帰った。
紅葉はまだ喋ってくれないだろうから優しく身体を撫でてあげた。すると悠もいろいろな危険な場所を触ったので、紅葉の口から小さな喘ぎが聞こえた。こういうことには奥手な圭も、パンツの中に手を入れていた。自分が何もしてないのに、紅葉の性的テンションがどんどん上がっていった。
「ちょ、何?二人とも...」
二人が私の顔を見るので首を振った。
「二人でなんとかしてあげて」
そう言うと経験豊富な圭の手が仕上げに入ったので、大きな喘ぎ声と共に紅葉が果てた、「終わったらキスでしょ。二人ともしてあげて」
圭と悠が仕上げに紅葉にキスしてたので、あまりの興奮に私も果てそうだった。
紅葉を私のベッドに入れるとキスをせがんできたので、二人の顔色を窺ってから唇を重ねた。何度もせがんでくるのが嬉しくて何度もキスをした。
「あー、つまりこうだ。こいつが頼りなかったらわたしたちに頼れ」
圭が辛らつなことを言ったが事実だった。紅葉が大きく頷いたので気持ちは複雑だった。
「さっきから喋らない悠はいったい」
目付きでほぼ想像が付いた、紅葉を弄ってるうちに自分も出来上がってきたんだろう。
悠をベッドに寝かせ、圭と紅葉が性的な場所を弄りはじめた。びくんとしてたのでこれはもうすぐだ。圭が下半身を、紅葉がが上半身を担当してると小さく喘ぎ声が聞こえはじめ、紅葉のさきっちょつねりで身体がぶるっとして悠がイッた。
自分が何もしていないのに二人が果てたことに感動を隠せなかった。
その後三人の前で土下座をし、最近の自分の行いと態度を謝罪した。
「楓のこととはあまり関係がないんです。酔って暴れて憂さ晴らししたかっただけの愚行でした。今後極力こういうことが無いよう努力いたします。あと紅葉、来月式上げたいのでよろしくお願いします」
紅葉がはにかみながらはいと言ってくれた。
マーシャル諸島に海獣が出たのはその翌日だった。
「鳴、援軍出すよ。まだ君らじゃ無理だろう」
「要らないですよ。水中戦闘を皆出来るようになりましたからね。ただ海洋汚染に付いては責任取れないかな」
楓だ。彼女がまた変身ヒロインをやってくれてることが嬉しかった。
イカとタコ。放送禁止事故に繋がって欲しくないような欲しいような複雑な海獣だった。TVでの生中継と基地防衛システムの中継を同時に見た。
初の変身ヒロインだけの本格的海獣対戦に緊張していたが、先ずはローズ・レッドが出た。『スティング・ローズスナイプ!』これは牽制だろう。
だが怪獣は簡単に突撃出来なくなった。意外なことに二番手はピンク・ナースだった。空中と変わらない速度でイカに迫る様は迫力があったが、触手に捕まってしまった。これ見てていいの?という顔で三人の方を向いたが皆呆れていた。
このピンク・ナースの突撃で、ブルー・オーシャンとグリーン・フォレストも一気に敵との距離を詰めることができた。ブルーの大海のうねりでイカ獣を捉え、ピンクを触手から解放。タコが加勢に来たが近距離にいたピンクがもう一度アタックする。
『毒針!』タコを一撃で葬り去った。グリーン・フォレストは新技『海洋汚染』でイカ獣を包み込み、イカはみるみるうちに緑色になって海に溶け込んだ。
「勝利祝いに行ってくる。皆はこっちいてね」
そういうと海神ポセイドンになり太平洋を南下した。
深海をわざと選び、ダイオウイカと挨拶をした。暗く何も見えない深海に、灯りが見えたのであれはチョウチンアンコウだろう。
マーシャル諸島が迫り浮上すると違和感があった。その違和感を皆も感じたのか再出撃が掛かった。特大のイカ獣がいた。この海域では被害が大きすぎるため津波は使えない。
近接戦闘に備えているとピンク・ナースが猛然と突撃してきた。当然触手に捕まって攻められてしまうわけだが...
速力を一気に増し、囚われてるピンクの救出に向かった。イイ感じに触手が彼女に巻き付いているので眺めていた。
「助けてくださいよ。この変態!」
とピンクに言われたのですぐに触手をナイフで引きちぎり解放してあげた。
速度はないので捕まえられる。触手を伝って本体に攻め入り、皆に空に上がるよう指示した。
『海嵐!』大海流で海獣を捉えた。的が大きかったのでピンクに毒針を頼み、イカ獣は毒のタンパク質に成り果てた。
まだピンクが大渦に巻き込まれていたので、救い出して抱っこをした。その後彼女が抱きついてきたが、どうしていいかわからずそのまま帰還した。
基地に戻ると、一番の殊勲者である楓の頭を撫でた。
皆緊張の面持ちで見ていたが、元指揮官としては当然だった。事件のことはまったく忘れてはいないが、かつて好きだった女を恨み続けることなど出来はしない。女ならどうだか知らないが。
「溝口さんがまだ好きなんです。諦めきれない」
楓の気持ちは嬉しいが叶えることはできない。今はここの皆と頑張ってとしか言えない。
「それと来月紅葉と結婚する。君の双子の妹だ」
これに付いては他の皆も驚いたが、覚悟を分かってくれたらという気持ちで公表した。
一泊すると言ったら圭たち三人の許可が得られたので、こちらで泊まることにした。
「鳴と楓、改めてしばらくぶりだね」
二人が私の部屋に来たので招き入れた。
ずっと7人と一緒にいられると思っていた。ただもうそれが正しくないと知ってしまった。正しくないのは誰かと言ったら圭以外にも恋人を作った私に決まっていた。
「皆に好かれて舞い上がっていたんだと思う。今も三人同時に付き合うという愚挙を犯しているが」
「鳴、君が最初に付き合ってくれと言ってたら多分そうした。楓も最初からいてくれたらそうなったかも知れない。でも今は圭と悠、紅葉との絆が深すぎる」
「ここの全員と付き合ってもたぶん誰も文句言いません。置き去りにされた方の気持ちも考えて」
鳴、最初は圭への対抗心しかなかったのに随分変わったんだな...
楓が私に抱きついてまたキスをしてきた。
「刺してごめんなさい。殺そうとしたわけじゃないんです。振り向かせる方法がもうあれしかなかったの」
深く愛してくれてありがとう。でも今は紅葉の心のケアで精いっぱいなんだ。
真彩と恵美がお酒を差し入れてくれた。
楓と私を凝視しながら水割りを作ってくれた。なぜかこの二人がお酒を差し入れてくれても、違和感はまったくなかった。
「俺はどうしたらよかったんだ?教えてくれ。今でもまったくわからないんだ」
一人称を変えて、私はみんなに問いかけた。そして水割りのお代わりを真彩から受け取った。
様々な案が出たが、公平なのは圭一人を恋人にすることという意見が多かった。
悠と紅葉は不用、それは今となっては無理だ。散々迷ってから、彼女たちへの愛情が深すぎることを感じていたからだ。そしてこれは私だけでなく、彼女たちの仲の良さにも大きく関係していた。
夜が更けてきたので皆には帰ってもらうことにした。楓は涙を流していた。
皆が起きる前に私はウラジオストクに戻ってきた。まだ眠り足りなかったのでベッドに入った。が、言いたいことがあったのですぐ起きた。
「イルクーツクまで寝台列車で旅しよう。四人で」
圭は腕組みし、悠と紅葉は顔を見合わせていた。
私はより絆を深めるのにきっと役に立つと言って、三人を説得した。
「何もないぞこの辺」
窓から圭が辛らつな感想を言ってきた。
「何もなくて落ち着く。一日中寝ていられる」
悠の感想は予想通りだったが、寝ていては親睦を深められないので布団を剥いだ。
「楽しいです」
紅葉の普通の感想にホッとした。
「朝にはハバロフスクに付くから、それまではのんびりしてていいよ。だけど二十二時までは就寝禁止ね」最近の子はSNSに夢中だが、友人とは連絡を制限してるので花札を教えて皆でやった。一部屋四ベッドで三人のうち一人が私と同じ階で寝ることになる。初日は圭だった。
眠くないし暇だったので、寝掛けている圭の布団を引っ張った。しかしただ頭を撫でられただけだった。
仕方が無いので二階に行くと悠と目があった。
この猫みたいな生き物にもっと好かれる方法はあるのだろうかと、やや目の位置を下げた。それが気に入ったのか、悠は布団に誘ってくれた。
「布団に誘っておいて寝ちゃうの悠」
すると悠が身体を寄せてきたので、包み込むように抱きしめた。すると寝息を立て始めたので、反対側を見ると、寝床で横になっている紅葉と目が合った。当然そっちに移動して同衾してもいいか聞いたら許可を得た。
紅葉が手を握ってくれたので握り返した。
「ごめんな紅葉、ニューカレドニア基地に行った時に楓を泣かせた」
当然のように姉と接してくれた私には、感謝しかないと紅葉は言った。凶行に走った姉には本来はそれすら叶わなかったはずだとも語った。
「優しすぎるからあんなことが起こるんです。不良たちをやっつけてた頃みたいな、凄みがあっても構いませんよ」
それは絶対に無理といって紅葉の胸を触り始めた。私の腕をつねって声が出るのを我慢しているので、お腹を触り首筋を舐めた。小さな喘ぎ声が漏れたが、可愛いのでそのまま続けようとしたのだが...
「上の階がギシギシ言うと流石に眠れないぞ」
圭にクレームを付けられたので断念した。ついでに猫目で悠もこっちを見ていた。
下の階でならいいのなら、圭にお願いすればいいじゃないと思ったが眠いからと拒否された。
観念して就寝したところ圭がそろりと毛布に入り込んで来たので、手際よくジャージを脱がせた。
「絶対、二人に分からない様にやれ。バレたら二か月禁止だ」
リスクは大きいがここは引けない。一番慣れてる圭となら上手くやれる。彼女の声が出そうな時は口を押えた。優しく弱い胸を攻め、腰を速く動かしたらイッてくれた。
シャワーを二人とも終え、部屋の外にでた。ただ電車の走行音しか聞こえないが、圭が聞き入ってくれたのは意外だが嬉しかった。
ソファで飲み物を飲んでいたら悠と紅葉も出て来て一緒に座った。二人ともシャワーを浴びてる様子を見ていて、「やりかけ放置...」
紅葉が怒っていた。明日するから待っててと両手を合わせて謝った。
寝台列車の夜が楽しかった。別にえっちなことがなくても好きだが、皆を愛していたのでそういうことも大事だった。
短い夜を経て、朝八時に電車はハバロフスクに到着した。
一時間しか停車時間がないので、お弁当のようなものをたくさん買ってきた。
歴史的建造物らしきものもいくつかあったが、基本は田舎だった。それでもこの街だけ訪れれば、観光場所はいくつかあり楽しめただろう。
「遅れても変身禁止だからちゃんと走ってきてね」
と言ったのに悠だけ帰って来ないから焦った。あと10分で出発だから全力で走って探すと、スナック菓子をリュックに山詰めにした悠が帰ってきた。
遅くなった理由を聞いてもなかなか喋ってくれない。根気よく問いただしたら、自分は三人の中で一番大事にされてないと感じたという。
「どういうこと?私は悠のことめちゃめちゃ好きだよ」
猫目の悠は怪しんでる。圭に助けを求めたが、自分の彼女くらい自分でなんとかしろというサインを送られた。一緒に車窓を見ながらお菓子を食べてても機嫌はあまり治らなかった。
「ハバロフスクでは終戦後たくさんの日本人が亡くなったんだ」
ダメ元歴史ネタでわりと気を引けた。
「ついでに2年くらい日本が占領してたこともあるそうだ」
そう言うとへーと目を輝かせた。これで機嫌が直ってくれたらいいなと、そっと部屋を出た。
喫煙所で煙草を吸っていたら、顔を河豚みたいに膨らませた悠がそこにいた。
「怒ってる理由ちゃんとわかった」
「性交渉かな」
鼻息荒く悠が頷いた。
夜は紅葉と約束してしまったので強硬手段に打って出ることにした。シャワー室に二人で入ってするのだ。
我々が部屋に戻らなければ退屈な圭と紅葉は、社内見学に出掛けるだろう。その隙を付いてやる。
「悠ちゃんと溝口さんもどりませんね。圭ちゃん、社内を探検しましょう」
二人が出て行くのを見計らってシャワー室に飛び込んだ。
相変わらず悠は全裸になる速度が速かった。二人で身体の洗いっこしながら唇を重ね、二人とも盛り上がっていった。誰も居ないならベッドでよかったはずとは気が付いていたが、特別な行為を披露したかった。後ろから十分にちっぱいを攻めたので悠の息が荒かった。身体の表に回りいろいろな場所を擦り付けた。悠を持ち上げるて彼女自身に私を入れたら、大きな声で快感を叫んだ。
「ん、んあ、あ˝」
こんな変態的な態勢ではしたことないが、石鹸で胸を洗いながら腰を動かすと悠はイッた。
シャワーから上がると圭と紅葉はお茶を飲んでいた。
急いで着替え何もなかったようにベッドに座ったが、悠がよろよろだったので全身を拭き着替えさせた。
「いやあ、なんか急に二人とも汗掻いたので一緒に入ったんだよ」
「いちいちバレバレな嘘付くな。あんだけでかい声出したら外にだって聞こえるぞ」
外にまで聞こえるんじゃシャワー室の意味が...
「なにをしたんです?普通じゃないことですよね」
紅葉が冷静に質問してくるのが痛かった。
「ああいうの初めてだったから加減が分からなかった。あと悠からのリクエストだからね」
当の悠がまだ精神世界を彷徨っていたので、尋問は不可能だった。
「じゃあわたしは今夜どっちもお願いします」
紅葉の屈託の無さに、犯罪的ななにかを感じた。
「圭、なんか怒ってる?」
別にというので抱きしめて小声で伝えた、「一番長く凄いのやってあげるから待っててね」
すぐに顔が赤くなる圭なので、二人に即バレた。
「旅だから?夢のような生活を送ってしまっている」
結局車中泊二日目は合計四発の豪華さだった。だがここまでやるとキツイのだ。
「今夜車中泊したら次はホテルみたいだから皆楽しみにして」
まさかここでは誰も要求してこないだろう。そもそも普段少ない影響がこの旅で出た気がする。
車中泊三日目
皆飽きてきたのか無口になっていた。悠だけが車窓を眺め楽しんでいた。
することがないとアレをするの諺は合っていた。少し頬のこけた顔で、わたしは広大なシベリアの荒野を楽しんでいた。
が、眠くなりがちだったのですぐにベッドで横になっていた。だからスマホで鳴たちに連絡を取ってみた。
「恵美か、そっちはどうだ」
「女だけの集団でやる気出せと言うのは無茶ですよ」
恵美の最もな言葉に頷きながら、私が合流するのはもう少し後になると思うと伝えた。
「だけど混乱の中心にいたのは私だろ。今更戻っていいのかはわからない」
「そっちの三人は常にあなたがいるからやる気は十分でしょう。だけどこっちは。後はお察しくださいね」
女数人だけで、浜辺でキャッキャウフフというのは大嘘なのが今分かった。
「だけど楓に迷惑掛けてしまった。彼女のケアはお願いしたいのだが」
「ふぅ、真彩も私も彼女を許してはいません。鳴だけですよ彼女の復帰に賛成したの。その辺も含めて周りを把握してくださいね」
恵美の言葉が刺さった。分かって無さ過ぎたのは自分だけだった。
「悠、私って馬鹿かな」
躊躇いもなく彼女は頷いた。
圭はあの時楓を本気で殺そうとしたそうだ。なら紅葉が割って入らなければ楓は死んでいただろう。圭や悠を殺す可能性が有る以上、楓とは一緒にできない。妹の紅葉だって嫉妬対象なのだろう。それでも楓の復帰は嬉しかった。
「まったく関係ない話なんだが、皆にはいつものネグリジェ持って来てくれと言ったんだが」
三人とも着てくれそれを愛おしく眺めた。悠と紅葉は裾を捲ろうとしたがそれは要らないと断った。
「もう寝静まった頃なのでこの格好で外のソファに行こう」
深夜一時を回っていたので悠と紅葉は寝てしまった。これは後で運ぼう。
圭が起きていたので思いっきり甘えたかった。
いや、ソファで青姦してしまいたかった。
「ダメか?」
基本的に断ったことないはずだがと圭が言った。
黄色のネグリジェ姿は可愛かったが、かさばり過ぎてやるには向いていなかった。ネグリジェを脱いでもらい、下着も手早く脱がせた。圭の好きな胸とクリトリスを攻め、あっという間に圭の目がトロンとなった。
初めて騎乗位になってもらい腰を自分で動かしてもらった。自分で場所決めするのに難儀していたので、こちらも下から突いて手伝った。やっと気持ちいい場所を見つけたみたいなので、二人で獣のように腰を振ってフィニッシュした。
フィニッシュをしても乳首を攻めたので可愛い声を出した。ゆっくりとナニを抜いてゆき、胸を揉みながら唇を重ねた。汗を掻いたのでシャワー室で綺麗に洗ってあげた。圭には二階に登る力がもう無かったのでちょっと乱暴だが片手で二階に上げて毛布を被せた。
二人はソファでまだ寝ていたので、真ん中に入り彼女たちも自分のものだと誇示をした。
だけど孤立状態の楓ことを考えてしまった。




