⑮The Meaning Of Life
会社の地下シェルター内にある少女たちの部屋。
木島社長暗殺後は、なるべくここに彼女たちに寝泊まりしてもらっていた。
しかし、彼女たちが少しでも早く普通の生活に戻れるようなるべく家から通う様に指示した。既に多くの人に顔を知られている彼女らが、普通の少女に戻れるかと言うと無理だと思う。ただし最後に入った子だけは頑なにここから離れようとはしなかった。
高谷悠、変身名は魔法少女ミルキーウェイで回復魔法ライトオブミリオンスターと超速で空を舞うことが出来た。14才で中学二年生だった。
最近は甘えっぷりが酷いので、私はなるべくこちらに寝泊まりするようにしていた。当然、圭もこちらに泊まる様に頼んだのだが、私たちの家をあまり留守にはしたくないと言う理由で週二回程度しかこちらにはいなかった。
部屋は楓の部屋に泊まるようお願いしたが、一緒がいいと強く要望されたので仕切りを作って私の部屋で寝泊まりしていた。
ミディアムショートより少し長い茶色っぽい髪の清楚な女の子だった。勉強は断トツでここではTOPで旧帝狙えるくらいには頭が良かった。
「お風呂一緒に入ろう」
そう毎日せがんでくるが拒否していた。夏の海での過去があったからだ。
だから仕事が終わると食事をして、別々に風呂に入ったあと部屋でお喋りをしていた。主に聞き役だが悠が絶対に触れない話題があった。故木島社長についてだ。
零時を過ぎそろそろ寝ようと言ったら、私のベッドに潜り込んでしまった。仕方がないので彼女のベッドに入ると、ここにも付いて来た。
「危険なことをするのはやめなさい。本当に貞操の危機だからね」
そう言うと嬉しそうに抱きついてきた。
実は圭の許可はあっさりと取れていた。ライバルらしき女を抱いていいとか、圭は本当に妾体質だった。もちろん悠には自殺の危険があるからだが、男女関係になったとしてもそれは変わらない。
薬を飲み忘れていたのでリビングに戻り薬袋をいちいち開けて水で流し込んだ。
今これが必要なのは私以上に悠だったが、精神的な問題は一切ないと通院を拒んでいる。精神病棟にはカップルが多い。不安が強いため依存心が強い彼らは、くっつき易いのだ。いわゆる共依存カップルだがくっ付いても自殺は多い。
だからここに一緒にいてあげても悠の危険はあまり変わらない。むしろこれは私の自己満足に依るところが大きかった。
守ってあげたいと強烈に思っていて、それを一緒に過ごすという形で消化していた。
悠が寝るのを確認してから自分のベッドに戻り眠った。
少し息苦しいと感じ目を覚ますと、悠が私にキスをしていた。
何度も優しく唇を合わせたがったのでそれを受け入れた。
一カ月近くこういう生活をしてたわりには随分と遅いと思った。誰かに操を立てている様子もわかっていた。
「ありがとう悠。嬉しい」
そういうと悠は微笑した。
「責任を取ってくれるんですよね」
口付けに責任が伴うとは思わないが、悠の言葉は前触れだった。
横座りでパジャマのボタンを外してから、立ち上がりパジャマの下を脱いだ。
「こういう格好が好みだと聞いています」
当たり過ぎていてどうしようもなく欲情した。まずパジャマの上を脱がそうとした時にやっと大事な事を思い出した。
「悠って私のこと好きなの?」
答えてくれなかったので寝ることにした。
目を覚ますと昨夜のままの姿で悠が寝ていた。
最近一人でも出しておらず欲求が爆発気味だったので、悠のハレンチな姿を写真に撮った。
当然シャッター音で彼女は目を覚ましてしまった。
「待ち受けにしてくださいねそれ」
脅し気味にそう言われたので従うしかなかった。
うつ病の場合PTSDが伴う場合が多く、悠の場合は間違いなく木島社長の死だった。治せない病なので生涯その記憶と向き合うしかない。これが心の傷は身体の傷の比ではないと言われる所以だ。
東京湾での木島社長との最終決戦で、悠は私を選んでくれたと思っていた。が、あれはファントムとなっても尚生き続けた彼への愛とトドメだった。
振られたのは私だった。
だから今度圭に慰めてもらおう。
「おっす。飯作ってきたぞ」
圭はメッセージとかは好きでは無いようで突然現れる。
寂しさが募っていた私は彼女に膝枕を要求して了承を得た。長袖Tシャツの下に手を突っ込み夢中で圭の胸をブラの上から触った。
それを見ていた悠は圭に微笑した。圭はなんとなく察した。
外にはあまり出たがらなくなった悠がいるので、社屋内を悠と圭はうろうろしていた。
「一度勝負したかったからやろうぜ」
そう言ってレッスンルームを暗くし二人で模擬戦闘を始めた。
高速で軌道の読めない動きをする悠に対し、ライトニングコメットは不発だった。電撃に切り替えて広範囲に雷を起こしても、それも巧みに悠は躱した。
ライフルを持っていないので攻撃魔法があるのは明らかだった。軽い石化攻撃で止めようとしたがそれを察知した悠は弾き返した。
「魔法少女には効かないとか聞いてないぞ」
「教えてあげてませんから」
悠は余裕で言葉でも躱していた。
『大彗星!』
圭の新必殺技は突如巨大な光となって現れ悠を襲った。
「はい、試合終了。勝者圭」
レフェリー役のわたしが圭の勝利を告げた。
「汗搔いたので風呂行ってくる。絶対に覗くなよ」
そう言って悠と二人で行ってしまった。
洗い場に座って身体を洗っていた圭だったが、悠の身体に触れたくなり胸を揉んでみた。
「変態なんですか圭さん。人を呼びますよ」
びっくりした悠が叫び圭は驚いていた。
大声が聞こえたのでお風呂インターフォンで何があったか聞いたら、お前には関係ないと言われ部屋に戻ってふて寝した。
湯舟に浸かっても悠の顔が真っ赤だったので圭は悪い事したなと思い謝った。
「まだ誰にも触らせたことないとは思わなかった。ごめんな」
「いえ、取り乱してすいませんでした。イメージと違って驚いたでしょう」
全裸で魔法を掛けて人の男を奪おうとした魔性。圭の悠に対するイメージが根底から崩れてしまった。
夕飯を作ったところで圭はマンションに帰った。面倒だからと空を飛んでの帰宅だった。
わりと皆も便利に飛んでいたのでマスコミも騒がなくなっていた。
眠くなる前に風呂に行こうとしたら悠が袖を引っ張ってきた。
「一緒に入っていいですか」
悠の顔が真っ赤になっていたので、いいよと私は言った。
圭に倣って黒い温泉の素を入れた。よく見ると近づけば見えちゃうなこれと思った。
なかなかいい温泉感があって気持ちが良くなり眠気が襲ってきた。
「眠気が来るほど貧相で魅力ないですかね。わたしって」
悠がそう聞くので、魅力ないどころか破壊力しかないと正直に感想を述べた。
彼女が距離を最短まで詰め目を閉じた。優しく長く口付けをしてあげた。顔のすぐ下に可愛い膨らみがあったので、下から押し上げるように何度も触った。下半身にも手を伸ばして優しく触れた。
一緒に洗い場で座った時に思わず乳房を掴んでしまった。
「圭さんとまったく同じことするんですね」
二度目なのであまり驚かなかった悠がそう言った。圭も乳派と私は記憶しておいた。
黒い温泉の素は意味があまりなかったようで、彼女の隅々まで見てしまった。
手を引き部屋に戻るとソファに座り煙草に火を付けた。悠が珈琲を淹れてくれたのでありがとうと言っていただいた。悠の顔が穏やかで幸せそうだったので、もういちいち聞く必要がないと感じた。
小さなバスローブを脱がしてブラ紐を下に下げた。小さな乳首を軽く舐めてあげると悠は小さく喘いだ。キスをしながら胸を弄るともうはっきりと息が荒くなっていたので、パンツの中に手を入れた。
濡れ方が尋常ではなかったのは、個性なのかずっと我慢してたからなのかは分からなかった。
全身を摩ってあげてから、手を上にげさせてキスしながら本当にゆっくりと自分のものを彼女の中に入れた。痛みで歪む顔を見てここまでにする、と聞いたが絶対にやめないでと悠は言った。
もの凄くよく締まるのでイキそうになったが我慢して乳房を触り続けた。
もう一押しなのが分かったので、少しだけ腰を揺らすと彼女は果てた。私のものも勢いよく出した。
翌日からここを出てマンションで暮らすことにした。
エントランスルームで圭にただいまと言ったら開けてもらえた。
すぐに部屋決めを行い、圭と悠の部屋は一番遠くになるようにした。私は真ん中近い部屋に移ることにした。
「歩き方おかしくね」
圭が悠にそう言ったので、悠が真っ赤になって追いかけたが圭のが速かった。
その日からすぐに悠には精神科に通ってもらった。治せないだろうが緩和はできる。アンフェタミンがいいと言うのならアメリカに移住する。
圭に捧げたはずだった愛の半分を悠に捧げた。上手く行くかどうかなんて今すぐ分かるはずはないが、死んで行こうとした魂を取り敢えずだが呼び戻せた。
悠、お前が死んだら圭も俺も悲しむ。その責任を負ったことを自覚してくれ。頭のいいお前だがたぶんこういうことには疎そうだ。
別に憐みからではなく本心だった。木島社長が彼女を放棄したことも関係ない。
圭が正妻で悠が妾でもなく半分だ。
それにより将来関係にヒビが入って二人とも出て行っても構わない。ハイウェイを白バイをすり抜けて走ってゆく、それが私の人生だからだ。
夜だったが圭の大彗星で照らしてもらい新宿御苑を三人で散歩した。
右手に圭、左手に悠と手を繋いで歩いた。権力行使だが今夜はここを散歩したかったのでSAT護衛の元許しが出た。
二人は宙に舞うと戦闘をまた開始した。
「レッスンルームじゃないから手加減してね」
そう言って二人を応援した。
大彗星を消したから二人の姿は見づらかったが、圭の電撃でその位置がわかった。
『大彗星!』
『サテライトソード!』
悠の攻撃魔法は大彗星を砕いたが同時にソードも粉々になった。
「引き分けです。降りてきて」
そういうと二人同時に私に抱きついてきた。
この光を見ていた他の少女たちも変身して駆け付けた。
「遊びだよ。だけど久しぶりにシェルター行かないか」
そう提案したら皆付いてきてくれた。
夕食を終えると鳴と楓が駆け寄って来た。
「溝口先生幸せそうですね」
そう鳴に聞かれたので、責任が倍になったのでそうとも言い切れない。滅茶苦茶なことになったけどそれは全部木島社長のせいと言って締めた。




