大型契約
7億ドルの10年契約。
メジャーリーグの大谷翔平がドジャースと結んだ契約。1ドル145円として1,015億円。
しかもその97%は10年後から複数年にかけて支払われるというが、残り3%でも年3億円の10年30億円だ。
「こんなお金、どうやって使うんだろ?」
なに買っても、使いきれないよね、などとかわいい顔した先輩は言うけど、1,000億円だろうが、1兆円だろうが、使おうと思えば使えないことはない。
モノを買う、おいしいものを食べる、旅行にゆく程度のことなら、そうそう使えるものではないだろうけど。
「世界征服を考えてるほーちゃんだったら、なにに使う?」
かわいい人は近ごろ、わたしを「ほーちゃん」と呼ぶ。そういう呼ばれ方をされたことがこれまでなかったから、最初は誰のことを言っているのかと思ったが、今はもう慣れた。
「投資する」
質問に答えると、先輩は目を丸くしてから、ケラケラと笑いだした。
「投資していくらにするの?」
「上限などない。あくなき成長を追求する」
「1,000億円でも使いきれないのに、それ以上増やしてなにするの?」
「世界を変える」
まじめに答えたわたしに、なにがおかしいのか、先輩は大笑いした。
1,015億円、1,015億円
と言われているが、為替が動けば、円建て数値は変わる。
FRBが利上げを見送り、更に2024年度には3回もの利下げを見込むという。
この発表をうけて、ドル/円の為替は円高へ一気にふれた。
1ドル142円程度になった。
大谷の契約金7億ドルは994億円。1,015億円から21億円も減ることになる。
「為替って、凄いわね」
かわいい人は目を丸くした。
仮に120円になれば、840億円。
100円になれば、700億円。
金額が太いだけに、数百億円単位で変動することになる。
「1円変わるだけで、7億円動くんだから」
契約金の97%は10年後以降に支払われるというから、その時点の為替次第で、日本円での金額はどれだけ上下するかわかったものではない。
大谷の契約金で、為替が企業収益にどう影響するのかがよくわかる。
2023年4-9月期の主要企業の増益要因の半分近くが円安
という記事が日経新聞に載った。
ということは、日米の金利差が縮まれば、好調な企業収益も目減りすることになりかねない。
日銀は利上げを目指しているが、欧米が利下げに向かう中、日本が逆に進むと、円安は解消されそうだ。円安に頼る企業が利益を減らすと、賃上げには逆風だ。一方で、円安は輸入物価を下げる。インフレの一因が解消されれば、日本はまたもデフレ経済に戻りかねない。
「あーあ、銀行は大打撃だよ」
かわいい先輩はため息をつく。
円安、インフレを前提にした経済が終わるなら。投資方針も変わるってことなんだろう。
政治は自民党安倍派の裏金疑惑で大揺れ。亡き安倍元首相の後継派閥トップさえ決められなかった人たちは、全員、第一線から退場することとなった。
安定してるはずだった日本の政治が乱れると、またなにか変な方向に進みかねない。
「岸田さんは一発逆転のチャンスじゃないですか」
顧問はこう言った。
最大派閥は弱体化、この状況で火中の栗を拾う人は現れない。なら、信念に基づき、したいことをすればいい。あるべき姿を訴えれば、世論も味方するだろう。得意な外交で、戦火に揺れる世界に一石を投じれば、国際的な評価も増すだろう。
あとは、覚悟の問題ってことでしょう。
顧問はそう言って笑ったが、問題は次から次へと出てくるものだと思わせられる。
悲観的な話を「問題だ、問題だ」と大騒ぎするのもいつものこと。
ここから、どんな需要が生まれるのか、冷静な視点が必要だと感じた。
2023年12月15日現在 わたしのポートフォリオ
・1678 NEXT FUNDS インド株式指数 Nifty50 連動型上場投信 1,400株 買値300円 株価322円 時価450,660円 含み益30,660円
・2579 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス 200株 買値1,530円 株価2,004円 時価400,700円 含み益94,700円
・6623 愛知電機 100株 買値3,615円 株価3,575円 時価357,500円 含み益▲4,000円
・7330 レオスキャピタルワークス 300株 買値1,358円 株価1,092円 時価327,600円 含み益▲79,800円
・8306 三菱UFJフィナンシャルグループ 400株 買値1,067円 株価1,205円 時価481,800円 含み益55,000円
現金 95,517円
時価総額 2,113,777円 含み益113,777円 含み益率6%