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ポートフォリオの組換え

 わたしの高校生活も一年が経とうとしている。

 ポートフォリオの見直しが必要と考え続けていたが、年度が改まる前にやってしまおうと思った。


「何を売ろうと考えていますか」

 顧問に問われて、即答した。

「見込みが外れた銘柄」

「具体的には?」

「レオス・キャピタルワークス」


 もともとレオス・キャピタルワークスは成長株として買った。ひふみブランドの投信を扱う。

 インフレになって銀行預金ではお金が目減りすると考える人が増えると、投資に踏み切る人が増えると考える。その恩恵を受けると考えた。有利子負債はなく、配当金がつき、EPSが順調に増える見込みにもかかわらず、PERは10倍程度に過ぎない。今後、株価が急騰する可能性があると考えた。

 この見立てそのものに変わりはない。この銘柄の将来性は明るいと考える。

 しかし、新NISA開始後の投資先動向を報道で知る限り、今は「オルカン」などインデックスファンドがメインだ。わたしの高校生活には限りがある。この銘柄まで恩恵が及ぶには時間がかかる可能性がある。その意味で見込みが狂った。


「それで、次に買う銘柄は決めているのですか?」と顧問。

 それも即答した。

「DAIWA CYCLE」

「ほう」

 顧問は四季報をパラパラとめくった。2023年11月に上場したばかりなので、顧問もよく知らないと見える。大阪拠点の自転車販売・修理店で、近畿と関東への集中出店により急成長している。2024年1月期は17%増収、42%営業増益で、成長は今後も継続する見込み。ただ、その決算発表を受けて株価は急落。PERは10倍を切った。


「なぜここを選んだの」

 顧問の問いかけには「自転車販売店においても日本の小売業の流れが来ると思ったから」と返答した。

「日本の小売業の流れ?」

 日本の小売業は個人商店から大規模資本に転換している。雑貨店はセブンイレブンやローソンなどのコンビニエンスストアに転換し、家具販売店はニトリに転換し、家電販売店はヤマダ電機など量販店に転換し、金物屋はホームセンターに転換した。しかるに自転車販売店はまだそこまで量販店が進出しているとは思えない。無論、家電など他の商品を扱う量販店が自転車販売も行なっているので、その意味では個人商店が幅をきかしているとは言い難いものの、自転車の場合、パンクなど修理が必要になるので、ただ売るだけの店では消費者ニーズを満足させることは難しいと想定される。販売だけでなく、修理にも力を入れるこの会社の成長性は高いと判断した。


「なるほど、しかし、自転車販売の上場企業は他にないの?」

 ある。

 同じ大阪に本社を置くあさひ。店舗数は4倍以上ある。

「と比べて、こちらを選んだ理由は?」

 あさひも増収を続けている。つまり、規模は拡大している。無借金経営で財務に問題はない。

 ただ、ここ数年の利益は横這いだ。株価が伸びるには時間がかかる可能性がある。部活終了まであと一年半しかないわたしには不向きだと考えた。


 結局、レオス・キャピタルワークスは買値と同額で処分し、DAIWA CYCLEは1,800円で200株購入した。

 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスから配当金が入ってきた。


 2024年3月29日現在 わたしのポートフォリオ

 ・1678 NEXT FUNDS インド株式指数 Nifty50 連動型上場投信 1,400株 買値300円 株価354.4円 時価496,160円 含み益76,160円

 ・2579 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス 200株 買値1,530円 株価2,218円 時価443,600円 含み益137,600円

 ・5888 DAIWA CYCLE 200株 買値1,800円 株価2,033円 時価406,600円 含み益46,600円

 ・6623 愛知電機 100株 買値3,615円 株価4,140円 時価414,000円 含み益52,500円

 ・8306 三菱UFJフィナンシャルグループ 400株 買値1,067円 株価1,557円 時価622,800円 含み益196,000円

 現金 146,903円

 時価総額 2,530,063円 含み益530,063円 含み益率27%


 仮想運用分

 ・6758 ソニーグループ 買値14,540円 時価12,985円


 3月末で、2023年度が終わる。

 日経平均株価は44%増益だったという。わたしもこの1年間で27%増益だった。

 新NISAもはじまって、世間は俄に投資への関心が深まってきたように感じる。ネットを見ても、電車の中吊り広告にも、書店に並ぶ本にも、投資に関する様々な話題で溢れている。


 本当に、様々な話題だと思う。

 今の株価は上げすぎだ、まだまだ割安だ、アメリカ景気が悪化すれば、円高になれば、ロシアがウクライナに勝てば・・・

「まだ買える新NISA」

 などという見出しも踊った。中身を見ていないから、どんな内容なのか不明ながら、投資にまだも、もうもあるのかと感じた。積立NISAの話なら、いつ始めたところで同じこと。底値まで待って積立てはじめるのがベストという主張もあるが、底値がどこなのか誰にわかるというのだろう。

 そもそも、全体の話なのか、個別の話なのかさえ判然としない。


 誰かの意見や主張は、自分なりの検証や思考で濾過する必要がある。盲信は禁物だ。きっとそれが投資の基本スタンスなのだと考える。

 ひと学年終了を前に、わたしに主張があるとすれば、以上だ。

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