傷弓之子【5】
Q.僕の目前にはどのような光景が広がっているでしょう?
A.全裸の男が氷に磔にされている。
B.全裸の男が猿轡をはめられ泣きわめいている。
C.全裸の男がイオグ〇ンテされようとしている。
Ans. もちろんお察しの通り全部だ
〇〇〇
僕達を養子にすると言い保護した女────雷華に連れられ僕と妹の彪は那珂川町にきていた。
駅からだいぶ歩いてだいぶ山奥に入ったところで川があり、橋が架かっていた。
そしてその橋の奥、スカイツリーなんてろくに見た事のない僕はこれがスカイツリーなんじゃないかと思うほど高い一棟の建物が築かれていた。
その建物の名をエクレアルドという
数えるのがめんどくさいほどに高く、首を曲げるのが面倒くさくなるほどおおきかった。
その建物────マンションはゆうに30階は超えていた。(30階にしては異様に高いが)
雷華に聞いてみたところ34階あるらしい。下の4階がショッピングモールになっており5階以上からマンションとなっているらしい。
こんな山奥まで誰が買いに来るんだよ、とも思ったが意外と人気らしい、このショッピングモール。さっきから車が何台か行き来している。
これも雷華の談だが那珂川町にわこれほど大きいショッピングモールは珍しいみたいで、ここができるまでは隣の市や町に行って買い物するものも多くいたらしい。
『よくこんな町にそんな金あったな』、と呟いたら『私が出したのよ』とへんとうした。
そんな大金よくぽんとだせるな。見たところこのビルだけでなく周りには運動施設も充実しているように見える。どんだけ金持ちなんだよ。
それから僕達は中に入るよう促された
中に入ってまず思ったのは────エントランスひれぇー、だ。どうやらこの階には居住ペースはなく、事務室、管理室、そして僕が今立っているこのバカでかいエントランスしかないらしい。
その3つでこの1フロア丸々────それもタワーマンションの────を締めているのだから事務室も管理室も拾いに違いない。
まず案内されたのは事務室だ。ほかのメンバーに僕らを紹介するらしい。
そして事務室に入ってビッくらポン。
何がって?
別に事務室が意外に狭かったということではない。奥にもう1つドアあるし。
それは裸に剥かれ口には猿轡がはめられ氷に四肢を磔にされている男の姿があった。
猿轡からは涎がもれ、双眸からは涙が溢れてその両方が顎から滴り落ちていた。
「言ったよなぁ、次やったら上下の穴からヒル突っ込むってよォ」
これを言っているのが強面の男だったら良かったが、強面どころかむしろ逆。
妖艶な美少女な顔立ちをした白髪の女だった。
ドアの開閉音でこっちに気づき向かって来る。
「あ、おはようございます。雷華さん」
白髪の女が少しふてぶてしい感じで言う。
「久しぶり、経緯を聞かせてもらっても?」
「それがですね、聞いてくださいよ────……………」
どうやらこの蛮行を始めたのを今日では無いらしい。
雷華がここを開けてすぐ7月頃が最初らしい。それで注意して数ヶ月後、全裸の再来。そこで次やったら鼻からミミズつっ込むと言われそれでもやったという。
そこで次やったら上下の穴からヒルを突っ込むという所業らしい。
らしい、が多くなってしまったが見ていないのだから仕方ない。
「ん?そっちの子供はなんですか?ママ活デモしたんですか?」
と、白髪。
「違うわよ。っていうか私くらいの歳だったら姉活じゃないかしら?」
そこじゃねぇよ。
「この子達はやまぁ、今から説明するわ。ヒルはその後ね」
「はーい」
「自己紹介と挨拶しな」
雷華が促す。
新入生かよ。
「切だ。」
僕の自己紹介に雷華がため息を1つ、漏らす。
「つじみやあやです!よろしくおねがいします!」
彪の自己紹介には雷華は笑顔を1つむけ頭を撫でた。それに対して彪はすごく嬉しそうに笑顔を作っている。
僕が寝てる間に何があったんだよ。
事務室を見渡す。
扉の目の前には教卓大のテーブルが設置されており、手前にはガラス張りの無骨なデザインのリビングテーブル、それを赤茶のソファが挟むように設置してある。
そのソファの内、片方に男女のペアが1組。
そしてその奥の窓の隣奥にスポーツ刈りのガタイのいい男が壁に寄りかかり手を組んで呆れ顔で佇んでいる。
その男がちょいと視線をずらした方向に、普段なら何も無いであろう空間に、あの氷とそれに磔にされている男の姿がある。
さらにその奥、メイド服を着たこれもまた女────メイド服だし当然か────が、メイドにしては大胆不敵とはいかないまでも、堂々とした様子で佇んでいる。
「じゃぁ今度はこっちの自治体のメンバーを紹介するわね。全員じゃないけど」
それで始まった他己紹介。
まずソファに座ってる男女。
男が水姥木蔦女が仙石原篝火。
次に白髪は彼女は姉歯詩甘、マッチョのスポーツ刈りは鬼児島荒。
そしてメイドは天原翠と言うらしい。
最後に大本命。全裸の磔変態野郎は館林冴というそうだ。
「はぁー。な、なぁ切君ちょっとたすけてくれないかい?」
鬼児島さんがしょうがないというおももちで、せめてもの情で、猿轡を外した途端HENTAIが話しかけてきた。
「なぁおっさん─────」
「僕、おっさんと言われたのは初めてだな〜」
見た目優男に言うやつは居ないだろうよ。
「────怪しいやつの3ノットって知ってるか?」
「えっ、何それ流行ってんの?」
「着いていかない、耳を貸さない、殺さない、だ」
「知ってるよ!今朝雷華にも言われたよ!なんだテメェ、さてはこうなるの分かってて何もいわなかったな!」と、雷華を指さして喚く。
「だってこの先の展開が気になるんだもん♡」
「『だもん♡』じゃねぇんだよ!普段そんな声出さねえくせに。気持ちわりぃな!」
「じゃ、紹介も終わったことだし2人を部屋に案内してくるわ」
「おい、ちょ待テ────」
冴の声がドアが閉まることで遮られた。
この後冴は鼻とケツから無事ヒルを突っ込まれたようだった。
翌朝事務室に行けば何やら尻周りは重厚みをもっていた。恐らく貞操帯でもつけたのだろう。