喜々として迫るサンサーラ
嬉し悲しみ、希望を胸に。
ベーグルを噛み、デートを呑み、そこにいたように存在した。
泉は枯れていて、そこにいたように存在した。
いつも、どこでもどこまでも、追いかけてくるサンサーラ。世界の上で、飯を食う。百パーセントはカスを食う。見つめられているサンサーラ。淀みを見つけてやってくる。
希望を、胸に。悲しみを嬉しさへ。喜々として迫るはサンサーラ。
ドレスコードが長引いて、たなびく風にただ知って、正しいって、言ったって。いつも、どこまでも、たとえ、明日でも、例えば、昨日でも。眠るようにサンサーラ。夢のような小天地。
粋を外れた禁断の大地に、寡黙を貫く堂に展開し、導くなかれとサンサーラ。晦朔を知らぬサンサーラ。歌のようにこだまして、月が昇って日が沈んで、綺麗だねって、そういって。夢心地気味に昇天し、焦点はいつも正面のショーの天地に集まり、無我を用いて霧を傾け、追いつめられるはサンサーラ。食み食むハニカムはまるで達人のように、美しく、どこまでも、美しく、まるで、サンサーラのように。
言葉を見つけることもなく、動き続けるサンサーラ。
明るい世界にサンサーラ。
美しき世界にサンサーラ。
「サンサーラ」
まるで呪詛のように、まるで距離のように、拒否のように、孤児のように、個人のようで。
サンサーラ。
目が消える前に、明かりを消す前に。
「 」
美しく、サンサーラ。
底にいたようで、僕は驚いた。