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完結済甘々連載シリーズ

・トランプラフ・番外編 〜罰ゲーム〜

作者: 衣谷強
掲載日:2021/06/16

令和三年五月に完結した、『・トランプラフ・』のアフターストーリーです。

家紋 武範様からレビューをもらい、嬉しさのあまり一話書き上がってしまいました!

華澄と徹のその後、楽しんでいただけたら嬉しいです!

 放課後。

 いつものように『・トランプラフ・』のメンバー四人は、山城やましろ華澄かすみの教室に集まっていた。


「ほな今日も『ドン』でえぇか?」

「いいけどお兄ちゃん。せっかくだから罰ゲームいれない?」


 寧香ねいかの言葉に、とおるは腕を組んでうなる。


「うーん、罰ゲームかぁ。山城、どうや?」

「な、何するんかによる、けど……」


 不安そうな華澄に、寧香はぱたぱたと手を振る。


「簡単簡単。一番勝った人が、一番負けた人に一つ命令するってだけ。任太郎にんたろうさんはどう?」

「うん、シンプルでいいんじゃないかな? 命令が罰ゲームの範囲かどうかを、二位と三位の人が判定すればいいよ」

「なるほどな。それならエグい命令はできんな」

「……そんなら、ウチもえぇよ」


 徹と華澄の承諾に、寧香が拳を突き上げる。


「そうと決まれば今日は勝つよー! お兄ちゃんを絶対最下位にしてみせるから!」

「望むところや! かかってこい!」


 そして勝負は始まった。




「どうしよっかな〜。……任太郎さん! ごめん! 2!」

「残念。僕も持ってる」

「げっ! 四枚回って来よった……!」


「8でスペードに……」

「それドン」

「うわっちゃ! やられた……って任太郎、4二枚って……」

「上がりは上がりだよ。さ、次次」


「はいその13ドーン!」

「くっ、11と2にジョーカーとか、ほんっと性格悪い!」


「あの、難波なんば君、それ、ドン……」

「げっ! この11捨てられたら、2とジョーカーと8で10にドンできたんやけど……!」

「華澄さんやるぅ! お兄ちゃん自業自得!」


「ラストワン。スペード」

「ぬっ! 取るしかない、か。山城! 変えてくれ!」

「……う、ウチも普通に出すしかできん……」

「寧香!」

「……ざーんねん」

「上がりだ」

「くぅ……! またジョーカーが……って寧香お前! スペードの2、持っとったやないか!」

「任太郎さんが2で待ってて、ドンされるかもって思ったから」

「な、お、お前ら〜……!」

「ど、どないしたん?」




 十ゲームを終えて、順位が決まった。


「はい! 一位は任太郎さん! 二位は華澄さん! 三位は私! そして最下位は……」

「こんなん認めんぞ! お前任太郎と組んで卑怯やないか!」


 文句を言う徹に、寧香は涼しい顔で答える。


「え? 何が?」

「任太郎は上がる事、もっと言えばダメージを受けんようにジョーカーや2をとっとと捨てて、お前は俺にガンガン攻撃する! で、任太郎が罰ゲームを握れば、どっちが最下位でも問題はないって話やろ!」

「なるほど、面白い推理だね」


 任太郎も余裕の表情を崩さない。


「でも負けは負けだから。罰ゲームは受けてもらうよ」

「な、何をさせる気や!」

「そうだなぁ……。山城さんの事、下の名前で呼ぼうか」

「はっ!?」

「え……」

「ふふーん」


 驚く徹。

 戸惑う華澄。

 胸を張る寧香。


「……なーんや、そんなんでえぇんか。ビビって損したわー」


 一瞬驚いたものの、徹は気楽に笑う。

 徹からすれば、華澄は友達。

 名前を呼んで終わりならば楽勝、徹はそう思っていた。


「考えてみたら、このメンツで、山城だけ苗字呼びやったもんな。ほんなら行くで!」


 事の重大さを唯一理解していない徹が、


「かーすみっ!」


 何とも軽く呼びかけた。


「お兄ちゃん……」

「はぁ、小学生の時から、まるで成長していない……」


 二人は作戦の失敗を確信した。

 だが呼ばれた当の華澄の顔が、見る見る綻んでいく。


「え、あ、な、何……!? や、山城……?」


 その輝くような笑顔に、徹は気圧される。


「……あの、ウチも、徹君って、呼んでえぇ……?」

「!」


 その瞬間、徹の顔が夕焼けよりも真っ赤に染まる。


「え、ちょ、な、何やこれ、えぇ……?」

「……徹君……」

「ちょ、え、待って待って! え、何やのこれ!?」


 慌てふためく徹を見ながら、寧香と任太郎は胸を撫で下ろす。


「ふ〜、どうなるかなと思ったけど、点は少しは近づいたかな〜?」

「多分効いたと思うよ? あんなにテンパる徹、初めて見たから」


 最終下校のチャイムがなるまで、徹のテンパリと、寧香と任太郎のにやにやと、そして華澄の嬉しそうな笑みは続いていた……。

読了ありがとうございます!


これで朴念仁の徹も少しは心動いた事でしょう。

・も『ラ』の横くらいには動いたかな?


家紋 武範様、イチオシレビューで創作意欲をいただきました!

ありがとうございます!


た、ただ勘違いしないでよねっ!

れ、レビューをもらえたら、何でもアフターストーリー書くと思ったら大間違いなんだからっ!

……で、でも今後も何か思い付いたら、書いてあげなくもないっていうか……。

べ、別に読者様のためじゃないからねっ!

私が書きたいから書くだけなんだからねっ!




待って待ってレビュー砲を向けないで(笑)!

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― 新着の感想 ―
[一言] わ~い。続きが、きましたよ♪ ・が動きました! いやぁ、自分で呼ぶ方は問題ないけど、呼ばれる方だと……。焦ってますね(笑)。青春だなぁ。
[良い点] こういう甘酸っぱいお話、大好物なのでとても面白かったです! 軽い気持ちで名前で呼んで、凄い嬉しそうな笑顔で名前で呼び返されて真っ赤になる、読んでいて凄くによによしてしまいました。 [一言]…
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