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おっさんが行く 異世界で軽運送   作者: 仕事の傍ら執筆中
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第一村人に遭遇

ブックマークして頂いている方が!

ありがとうございます!

話しの展開が遅いですが、もうちょっとしたらヒロが

好き勝手始めますのでご容赦を。

 …なんですと?

 魔法を好き勝手に作り出せるのか。それって最強じゃないか。


「もちろん、ヒロさんの魔力の大きさによって実現できる魔法は制限がありますよ。私たち神も、世界のあまりにこまごました事象には関与していませんので正直よくわかりません。それよりもヒロさん自身が必要な物を現地で調達してもらう方がよいでしょう」


 うむ、一理ある。あまり好き勝手にはできないってことか。…でも、これはちょっとワクワクが抑えられない。 だって魔法だよ。男の子なら興奮してしまうのも仕方ないとこだ。



 転生前のことをぼんやりと考えながら車を走らせていると、道の先に集落らしきものが見えた。「ポーン、まもなく目的地付近です」ナビよ、もう見えとるがな。さっきまで静かだったのに急に案内されても。

 今は知らない土地だから当然ナビをセットするのは当然として、例え知っている場所でも俺はなるべくナビを使うようにしている。これは、到着予定時刻を見える化してペースをつかみやすくするのと、交通情報なんかを受信するためでもある。

 これは…町、というより村だな。畑と木造の家がいくつか見える。簡素な作りだな。おっ、畑の真ん中あたりに人影が。第一村人発見!


 農具を持った男性が驚いた様子でこっち見てる。そりゃそうか、文明の発達していないこの世界でいきなり鉄の塊が走ってきたら驚くよな。 初の現地人との接触だ。刺激しないほうがいいだろう。ここはフレンドリーに。


「こんにちは、ちょっとお話いいですか?」


 声が小さいと不審に思われるからな、大きな声であいさつした。 無料営業スマイル付きで。


 一瞬ビクッ!としたその村人は、警戒したようにこちらへゆっくり歩いてきた。朴訥、といった見た目の、田舎のおっちゃん、って感じの人だ。…こちらもおっさんだけれども。


「ど、どちらさまで…?」


 ううむ、警戒されているな。ってか、ここで「私転生してきました!」なんて正直に話していいもんだろうか。もしこの世界で転生が一般的でないならば、頭おかしい奴認定されていろいろマズいことになりそうな予感。


「あー、えっと、そう、旅の行商の者です。なにかご入用のものはありませんか」


 旅の行商って何だ、被ってるじゃないか。思いっきり不審な目を向けられてしまった。考えたら言動も怪しければ見た目もマズい。車もそうだが、俺が着ている服なんかも全然違うのだ。上下黒の作業着。ポリエステルはたぶんこちらの世界に無い。もし逆の立場だったら俺だってこんなやつ、怪しむだろう。


 だがひるんではいられない。そう、俺はただのドライバーではないのだ。

 元の世界では、お客様の困った事や問題点を引き出し、解決策を提案・実行することで物流の仕事を取ってきたのだ。こういう修羅場というほどのものでもないは慣れっこだ。こんな時はまず興味を引く品物を見せて警戒心を解くのだ。うやむやにするとも言う。


「これなんかどうでしょう。みんな大好き、ポテトチップ!塩味・コンソメ・バーベキュー味、いろいろありますよ」


 その村人は恐る恐るポテチの袋に手を伸ばした。


「これは何ですか?…きれいな絵が…つるつるした袋?」


 え、そこから?


 袋をひとつ開けて、ポテチを一枚取り出す。


「お菓子ですよ、イモの」


 ひとつバリっと開けて、2枚ほどパリパリ食べてみせる。この世界に無い物だったら、目の前で実演してみせるのが一番だ。うむ、相変わらずおいしい。

 村人がゴクンと唾を飲み込むのが見てとれた。よし、いける。


「お近づきのしるしに、これあげます。開けちゃったし」


 そういって袋を強引に手に持たせる。

 大きく目を見開いた村人は慎重に一枚ポテチを取り出し、おそるおそる口の中へ。


 「!!!ンマッ!?」


 おいしいは正義、はこの世界でも健在のようだ。その後は村人A(まだ名前聞いてないもん)の手が止まらず、あっという間に食べ終えてしまった。


「はっ!ぜ、全部食べてしまった…こ、これ、恐ろしく旨い食べ物なんだが、お高いんじゃ…?」


「いやいや、差し上げるって言ったじゃないですか。お金はいりませんよ。気に入って頂けたようでなによりです。それよりも、この村?についていろいろ教えてもらえませんか」


 異世界初の交渉は、まずまずの滑り出しのようだ。 よし、ここはスムーズに溶け込むとするか。


「…あなた、異邦人ですよね?」


 え?いきなりバレた?

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